NEGORO 根来 - 赤と黒のうるし
大阪市立美術館|大阪府
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赤と黒の教導
小出楢重から牧野邦夫に向かおうとしたところ時間に余裕があったのでなんとなく大阪市立美術館に行くことにした。油絵と関係ないけど、まぁ数カ月前までゴッホ展やってたし。
最初は楽しめるか不安だった。絵も何も描かれていない赤と黒の色が剥げた品が延々と展示されている。しかし、これでもかと並べられている品々を鑑賞していくうちにだんだんその美を教育されていく。
使っているものに傷がついたり塗装が剥げたりすると萎えるし、場合によってはそれが原因で捨てることもある。が、色を塗り重ねた根来は最初から剥げ傷つくことを想定しているのだ。根来のそういった見た目をキャプションでは風景と表現してあった。
そうやって見ていくと、似たようなデザインでも、剥げ方、傷の付き方によって個性が出ている。長い傷は薄のように見え、細かい傷は桜の花びらが落ちているように見える。赤を塗った部分と木目の合わせ技をかます太鼓樽。飯器の赤と黒のコンポジションはだんだん抽象画に見えてくる。もはやモンドリアン。
食事を置く台で、左手前だけ擦り減っているのは、そこによく上げ下げする飯碗が置かれていたのだろうとキャプションにあって面白かった。そうやって品々を見ていると、どんな人が使っていたんだろう、と思いを馳せてしまう。花の形をした茶器と茶托は吉田健一の小説の世界だった。
推し(黒田辰秋)の作品も1品だけ出品されていた。つやつやした赤の棗は、手で包み込みたくなるようなものだった。
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