4.0
フェミニズム展の〈広がり〉を期待しつつ
つい先ごろ兵庫県立美術館でも「女性」をテーマにしたコレクション展が開催されていた。鑑賞は叶わなかったが東京国立近代美術館では映像表現に焦点を当てたフェミニズム展もあった。今回、国立国際美術館でも現代美術らしく幅広い表現媒体を用いた作品が女性たちの姿を描き出している。本展でとくに感じたのは、現代美術のコレクション展にしては珍しく一見して企画テーマと作品の意味や背景が読み取りやすく構成されていたことだ。難解さに圧倒されるというよりは(そういう作品がないというわけではないにせよ)、作品が一種のドキュメントとして提示されていたように思えた。もちろん、それだけではない視覚造形としての魅力も溢れていて満足感のある展示だった。
フェミニズム的視点から美術作品を読みなおす試みは、いま流行りのテーマのようだ。「女性」という視点が同時期にこれほど頻出している現状は興味深く、社会的要請がこうした場を生み出しているのだと思うが、同時に「フェミニズム」のはなしをするときに聞き心地のいい「女性」というタームだけで問題を括りすぎないよう、注意する必要もあるのではないかと思う。今回の展覧会の「見やすさ」も捉えようによっては短絡的認識を形成しかねないからだ。だから、こうしたフェミニズム的視点を導入した企画は、単なる流行りにならないように気を配りつつ、視点を拡散・拡張しながら継続していってほしいと思う。






