THE 新版画 版元・渡邊庄三郎の挑戦

うらわ美術館

  • 開催期間:2024年11月16日(土)~2025年1月19日(日)
  • クリップ数:23 件
  • 感想・評価:7 件
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チャールズ・W・バートレット《ホノルル浪乗り》大正8年(1919)
フリッツ・カペラリ《鏡の前の女》大正4年(1915)
橋口五葉《浴場の女》大正4年(1915)
川瀬巴水《大宮見沼川》昭和5年(1930)
川瀬巴水《清洲橋》昭和6年(1931)
フリッツ・カペラリ《柘榴に白鳥》大正4年(1915)
山村豊成(耕花)《梨園の華 十三代目守田勘彌のジャン・バルジャン》大正10年(1921)
小原祥邨《孔雀》昭和初期
橋口五葉 装丁《草合》(夏目金之助(漱石)著)明治41年(1908)
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この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION

近年、再び注目を浴びている「新版画」。それは版元・渡邊庄三郎(1885-1962)の試みから始まりました。江戸時代に確立された浮世絵木版画(錦絵)は、明治末期になると銅版や石版、写真技術流入の影響により衰退しつつありましたが、その高度な彫りの技術やバレン摺りが生み出す特有の美しさに魅了された庄三郎は、伝統的な浮世絵の技術と新しい絵画表現との融合を目指します。

明治42年(1909)、庄三郎は24歳で東京・京橋に渡邊版画店(現・渡邊木版美術画舗)を構え、浮世絵の研究や販売を行う傍ら、大正4年(1915)から、来日していた外国人画家の作品の版画化を試み、同時に鏑木清方門下生ら新進気鋭の画家たちを絵師として起用します。そして高品質な材料、優れた技術を持つ彫師や摺師、そして庄三郎の創意工夫と優れた審美眼により、新たな浮世絵木版画となる「新版画」を世に送り出すことに成功します。

本展は庄三郎の精神を今なお受け継ぐ渡邊木版美術画舗の全面的な協力のもと、残存数が少なく貴重な初摺の渡邊版を出品します。また、日本人画家として新版画第一作を手掛けた橋口五葉による装丁本など当館所蔵作品もあわせて展示します。

庄三郎の挑戦の軌跡を辿りながら、モダンな精神と瑞々しい表現に彩られた「新版画」の世界を存分にご堪能ください。

開催概要EVENT DETAILS

会期 2024年11月16日(土)~2025年1月19日(日)
会場 うらわ美術館 Google Map
住所 埼玉県さいたま市浦和区仲町2-5-1 浦和センチュリーシティ 3階
時間
  • 10:00~17:00(金・土は20:00)まで
    ※ギャラリーへの入場は閉館の30分前まで
休館日 月曜日、
年末年始 12月27日~1月4日、1月14日(火)
※ただし1月13日は開館
観覧料 一般 620円(490円)
大高生 410円(320円)
中小生 200円(160円)
  • ※( )内は20名以上の団体料金です
    ※障害者手帳をお持ちの方および付添いの方1名は半額です
    【リニューアル・オープン記念「リピーター割引plus」】
    いつもの「リピーター割引」が、空調設備改修休館を経て期間限定でパワーアップ。うらわ美術館開館でこれまでに開催された展覧会の観覧済み有料観覧券の提示により、団体料金で観覧できます(観覧券1枚につき、1名、1回限り)
TEL048-827-3215
URLhttps://www.city.saitama.jp/urawa-art-museum/

うらわ美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION

うらわ美術館 うらわ美術館

感想・評価 | 鑑賞レポートREVIEWS

4.0

渡邊庄三郎の業績

新版画と聞いて、真っ先に、川瀬巴水を思い浮かべる人は多いと思います。

今回の展示は、渡邊庄三郎がこれぞと見込んだ作家とタッグを組んで作られた作品たち

川瀬巴水の展示数も多いのですが、伊東深水の美人画、名取春仙の役者絵、笠松紫浪の風景画、小原祥邨の花鳥画、がある程度の数まとまって展示されています。

渡邊庄三郎は木版画の良さを活かしつつ、芸術性にこだわり、新しい摺り方、題材など、積極的にチャレンジしました。

ざら摺りは、バレンの節目を残す技法で、その強弱で表現の幅を広げています。
ざら摺りは摺師からは反発をくらったそうですが、庄三郎自ら摺ってみせ、その表現の面白さをやってみせたそうです。

今回の展示で、1番摺りの技を魅せていたのは、
伊東深水「初夏の入浴」です。
これは女性がお風呂に浸かっている絵です。
主版の輪郭線を空摺りにし、
湯の水面を横にざら摺り、
立ち上る湯気をくるくる回すようにざら摺りで表現していて、
水のやわらかさ、湯気のほわほわが、手に取るようでした。
指先や頬も温まって赤みがさしたところのボカシ具合も絶妙です。

本やネットで画像は見られますが、
この絵は特に実物を観た方が、驚きとともに美しさを堪能できます。


衰退していた浮世絵を、庶民の娯楽から、芸術性を高めつつ木版画の良さを残すことに成功した、渡邊庄三郎の業績がよくわかる展覧会でした。



最後に

伊東深水「泥上船」
笠松紫浪「うろこ雲」
「 霞む夕べ 不忍池畔」

版画ではないのですが、

橋口五葉 夏目漱石「草合」の装幀

が、特に心に残りました。


会期末だったので、すでにフライヤーも作品リストもなくなってしまったのは残念でした。
ミュージアムショップ(と言うか、コーナー)も、図録をはじめ商品はほぼ無いような状態でした。

5.0

圧倒的ボリューム、しかも観覧料は安くお得❗️

渡邊木版美術画舗協力の新版画展は過去に何回も百貨店、美術館で開催されていますが、今回は特にオススメです。取り扱い作家も多く、初摺中心の高品質作品総展示183点に加え、うらわ美術館所蔵、関連史料展示を含め200点越えの質量共に充実した内容です!しかも観覧料がお得なので満足度は高いです?

  • 0
  • BY TK

5.0

浮世絵に対する思いが伝わる作品群

 日本の陶芸品を浮世絵が描かれた紙に包んで海外に送ったところ、受け手が陶芸品よりも浮世絵に興味を示したというエピソードがあるくらい、外国からも高く評価された浮世絵。

 しかし、明治時代になると写真の普及によって人気に陰りが見え始めた。版元・渡邊庄三郎は、浮世絵のよって生み出される美しさに魅了される。渡邊は外国人の描いた作品や若手画家の絵画の版画化を実行する。

 その多くは昔の街並みを描いた風景画や美人画。

 最も印象的だったのは写真かと見間違えるくらいの水面を描いた作品だった。日光の当たり具合や時間帯によって生じるわずかな色の違いが鮮明に描かれていた。

 

THANKS!をクリックしたユーザー
uchikoさん

3.0

東京にもいつか来るのかなぁ

巡回展には2パターンあって、1つは初めからスケジュールが公表されているもの。もう1つは、パッケージ化された展覧会が長めのスパンであちらこちらでひょっこり開催されるもの。で、本展は後者のパターン。
茅ヶ崎で開催したあと西に向かい、東に戻ってきたと思ったら浦和。渡邊木版美術画舗のある東京になぜ来ない?
とはいえ、億劫になるほどの距離でもないので、茅ヶ崎に続いて2度目の鑑賞。

開催地を考慮してか、「大宮見沼川」から始まる展示は興味を引きました。
新版画の面白さは、色を変えて、違う時間や季節を表現できるところにあると思っているので、「出雲松江」「箱根宮の下 冨士屋ホテル」は見どころ・比べどころが多くて好きですね。

THANKS!をクリックしたユーザー
Camdenさん

4.0

穴場的な

なかなかに見応えのある新版画の企画展。
渡邊という版元で扱った作品を集めたとのこと。
平日とは言え館内はとても空いていてストレス無く鑑賞できました。
折角の佳作揃いの展示なのに勿体無いような。

私は川瀬巴水が好きなので「俺得」でした。さらに伊東深水や橋口五葉(参考出品)まで出ていて充実してました。

一方、浅学の私は外国人作家がこの日本式の新版画でこんなに素敵な作品を製作していたことを知らなかったので、チャールズ・W・バートレットやエリザベス・キースの作品には感心しました。
様式を正しく用いながら日本人とは異なる感性・モチーフで素晴らしい作品に仕上げていました。

とはいえ、やはり伊東深水の美人画、川瀬巴水の風景画は良いですね。
川瀬作品は特に夜や日の翳った景色の表現が好きです。
伊東深水の美人画は上品な艶っぽさが何とも言えませんね。

THANKS!をクリックしたユーザー
Camdenさん、アバウトさん、黒豆さん

5.0

勿体ない

頑張って 自転車にて訪問

入場すぐの 川瀬巴水<大宮見沼川> 見沼の作品なんてあったんだなぁ
伊藤深水<涼み> 平野白峰<夏姿> などの後ろ姿がいいです
やはり1番は 巴水の<夜の新川>

知っている作家 知らない作家 海外の作家 
ところどころにある 庄さんとバレンくんのやり取りが楽しいです 

平日午後 私を含め鑑賞者3名 ストレスフリーで鑑賞できましたが 勿体ない

湘南新宿ライン 上野東京ライン 停車致します
伊勢丹 パルコ ございます
どうぞ 浦和にお越しくださいませ

THANKS!をクリックしたユーザー
morinousagisanさん、murakamiさん、Camdenさん、黒豆さん、uchikoさん、他1人

3.0

浦和で新版画

新版画の展覧会はなんぼあっても良いですからね。
茅ヶ崎市美術館の展示から2年振りです。
一番出品数の多い川瀬巴水を筆頭に、伊東深水、名取春仙、小原祥邨、バートレット、エリザベス・キースなど
有名作家の他に1点のみの謎作家らも出品されていました。
最近人気の笠松紫浪も多めに出ていて嬉しいです。初期作が素朴でいいですね。
そしてガラ空きのワンフロアで180点に及ぶ新版画にゆったりドップリと浸れる幸せ。

うらわ美術館リニューアルオープンとのことですがあまり変化には気づかず。
紙リストは受付に申し出ると頂けます。
先に巡回していた茅ヶ崎市美術館の図録を販売していました。
ガラガラの環境で新版画を楽しみたい方はお早めにどうぞ。

THANKS!をクリックしたユーザー
kage0512さん、Camdenさん、uchikoさん、morinousagisanさん、karachanさん、他1人

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出展作品・関連画像IMAGES

チャールズ・W・バートレット《ホノルル浪乗り》大正8年(1919)

フリッツ・カペラリ《鏡の前の女》大正4年(1915)

橋口五葉《浴場の女》大正4年(1915)

川瀬巴水《大宮見沼川》昭和5年(1930)

川瀬巴水《清洲橋》昭和6年(1931)

フリッツ・カペラリ《柘榴に白鳥》大正4年(1915)

山村豊成(耕花)《梨園の華 十三代目守田勘彌のジャン・バルジャン》大正10年(1921)

小原祥邨《孔雀》昭和初期

橋口五葉 装丁《草合》(夏目金之助(漱石)著)明治41年(1908)

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