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超コンパクト【バンクシー展】Banksy Artworks from M・Kumagai

体温より高い気温の続く猛暑真っ只中、今最も熱いストリートアーティスト【バンクシー】の

作品鑑賞に訪れました。

会場は渋谷駅から徒歩2分の複合施設東急プラザ『渋谷フクラス』2F,GMO美術館。

「現代アートをすべての人に」をコンセプトに、より多くの方に本物のアートを身近に体験してもらいたいとオープンしたアートスペースです。

渋谷駅めちゃくちゃ日焼けしたハチ公像とスクランブル交差点を横目に、東急プラザビルを地上外から2Fへの直通エスカレーターで入ると美術館入口が見えます。

入館は完全予約で、コンスタントに20分間隔で15分前までに空きがあれば予約可能。入場料は¥300と、チケット値上げに慣れた身には低めのハードル設定。

出入口は駅の改札よろしくバーコードを翳す自動開閉式装置になっており、入場時間までは白のロールスクリーンで閉じられて全く見えません。

しかし入口の天井から壁、床と7本の電飾線が囲っていて、中を完全シャットアウトの様子はカジノの出入口のようで(行ったことないですが)いつもの鑑賞前とは違うドキドキを感じます(-_-;)。

開始時間になるとパーカー姿の受付員2名が現れてロールスクリーンが上がります。

平日真っ昼間だったせいか、その時間の鑑賞者はなんと私ひとり。。。

改札(?)入場すると後ろから再びロールスクリーンが降りて、なんにもない8畳くらいのスペースに閉じ込められた感が半端ない。。。

自分の体内で妙なアドレナリンが出てる気がして、これから脱出ゲーム?を連想して身構えるとパーカー姿の受付さんが淡々と鑑賞に際しての注意を伝え、一旦暗転。。。。


正面・右・左の壁が通常展示からいきなり映像が迸ります。

映画のオープニングのようにバンクシーの活躍を前振り解説。スタイリッシュすぎる映像に目がチカチカ、乗り物酔いしそうな絵に頭もクラクラしながら唖然としてると、正面の壁スクリーンがさらに上がって+2畳分のスペースの壁に金と銀の額縁に納められた3枚のバンクシー作品が横並びに登場!


いや、これ無音でオープンしたけど、たぶん会場側は効果音(エフェクト)付けたかったんじゃないかと思います。

なんかこう、パンパカパーン!!みたいな。その方が似合うし、勝手に心の中で効果音付けました。


図らずもバンクシー作品を独占鑑賞となりました。


①【Girl with Balloon風船と少女】

風に飛んでいく赤いハート型風船に手を伸ばしている少女を描いたもので、このシリーズは2002年のロンドンを皮切りにバージョンを変え、世界中の街角に描かれています。

この絵は2004年に制作された150点のひとつで、左下にハートマーク付きの直筆サインが。筆跡が見れる貴重な機会です。

このシリーズのひとつが2018年にロンドンのオークションハウスで落札直後にシュレッダーで裁断されて世界中のニュースになりました。日本でも主要局で伝えてましたし、鮮烈な印象になりましたね。皮肉とエスプリに富んだシュレッダーの仕掛けにニュースが思い出されてニヤニヤしてしまいましたが、今回は額縁も当時のフレームそっくりに作られているそうで、こちらもガン見します。

額縁にしては厚みがあるなぁとは思えますが、不自然とも思えない、普通(?)の額縁でした。

オークション側は何かがあるとは気づいていたそうですが、まさか落札タイミングで裁断するとは思ってなかったんだろうなと思います。


②【Bomb Love Over Radar】

2003年に版画作品として制作されたバンクシーの初期作品で、ポニーテールの女の子が爆弾(軍用機用の爆弾)を抱きしめている様子から、戦争と愛という二項対立を探求していると言われています。

この「Bomb Love Over Radar」は、バンクシーによってスプレーでキャンバスに描かれた世界に一点のみの作品。本人が直接プレゼントしたので、額縁の裏には相手への手書きのコメントが書かれていて貴重ですね。ちなみにコメントの裏面は展示できないので、写真紹介でした。

女の子が嬉しそうに抱きしめるのはテディベアではなくて、長崎に投下された原子爆弾のファットマンのようなミサイルでなんともシュール。

見ている大人としては、こういう現実の矛盾に訴えかけるバンクシー作品を見ると胸を突かれます。


③【Flower Bomb束投げる暴徒】

イギリスのマンチェスター市立美術館で10年以上公開展示されていた作品です。

木製の板にスプレーペイントされた稀な絵で、作品を間近で見ると板の木目がしっかり見えます。

この作品はイスラエルのベツレヘムに制作された巨大壁画が有名ですが、板絵の本作は巨大壁画よりも制作年代が早く、壁画モチーフの起源となる最初期の作品とされています。

紛争の絶えないベツレヘムの壁画は、イスラエルの軍事的支配に対するパレスチナ市民の抵抗運動をモチーフにしていて、バンクシーは怒りではなく、愛を表す花束を紛争地域に投げ込もうとしたといわれています。火炎瓶や手榴弾ではなく、花束をであれば受け取る方も笑顔になりますよね。現実にそのようなサプライズが実行されるのを願ってやみません。


3作品を独り占めしてパシャパシャ写真に収めていると、いつの間にか鑑賞時間20分に到達し、作品は降りてきたロールスクリーンの向こうへ隠れて鑑賞は半ば強制的に自動終了。

来館館記念にと、展示された風船と少女を連想させる真っ赤なハート形風船と作品の小さなステッカーを貰い、美術館を後にしました。


ハートの風船、可愛いです♡♡

でもその日は午後の出社前訪問だったので、渋谷の真ん中を赤い風船持って歩いて、オフィスへ出勤しました。。。。視線が痛い。。。

明文化されてるわけではないですが、風船持って歩けるのって、年代とかシチュエーションに限度があるのではとつくづく思います。


展示会名 Banksy Artworks from Masatoshi Kumagai Collection(バンクシー展)

会期 2021年9月5日(日)~

会場名 世界一小さな美術館@GMOデジタル・ハチ公

住所 「渋谷フクラス」2F GMOデジタル・ハチ公(東京都渋谷区道玄坂1-2-3)

休館日 「渋谷フクラス」に準じる

開館時間 11:00~20:00(1公演20分の入れ替え制、鑑賞人数制限)

入館料金 一般・大学生:300円/小・中・高校生:100円/未就学のお子様:無料

チケット購入 以下のサイトにて購入可能

URL:https://www.e-tix.jp/gmo-art/



プロフィール

uchiko
美術と骨董、宇宙と化石を愛でるアートウォッチャー。
カロリー消費に美術館、仏閣、史跡散策をして、終わればまったり食べて補給。
2022年よりインスタグラムとこちらのサイトでアートウォッチの記録始めています。
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