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「特別展宝石-地球が生み出すキセキ-」 46億年の創り出す輝きは老若男女を魅了。

世情も景気も暗くなりがちな今日この頃、特別展宝石を訪問しました。

先月まで東京の科学博物館で開催されていましたが、7月より名古屋にて開催されています。

『宝石』というとキラキラしい女性が大好きな印象ですが、今展覧会は鉱物・貴石としての紹介もあり、子供や男性にとっても興味津々。来場客層も性別、年齢ともにふり幅が広いです。

基本的には撮影可能なのでキラキラしい被写体についついカメラを向けてしまいます。

小さい子の一部の例に漏れず、私も幼少期『いい感じな綺麗な石(笑)』をたくさん集めることから鉱物好き→貴石・半貴石好き→宝石好きプラス化石好きにたどり着きました。

なので【宝石展】は鉱物としての学術説明から、煌びやかなの某貴族のティアラ、ネックレス等網羅したフルコースな展示内容に食べ放題に来た気分です。


会場コースに沿って注目処をご紹介。

入口すぐの場所に鎮座しているのは2mはある長方楕円の紫水晶のベッド。じゃなかった『ジオード』。

ジオードとは岩盤の中の空洞に結晶が育った状態の事です。最初からキラキラ✨ですね!気分が上がります。

中で寝たら自分が浄化されそうです。思わず「中で寝たい・・・」と呟きましたが同行した友人に「固いよ?」とサックリ両断されました。

言っただけです。。。


第一会場は鉱物としての貴石(宝石)の紹介。黄土色の岩盤から六角柱や八角柱に聳える薄水色のアクアマリンの結晶や、直径50cmくらいの岩盤にみっしり生えた水晶の結晶、小型犬くらいのサイズはある、ひとかかえもするスモーキークォーツ、きれいなキュービック形立方体結晶が散らばるガーネット等、原石がどんな状態で発見されるか分かる形状です。

いわば石が生まれたそのままの姿で、私はカットされた姿よりこちらの方が石本来の魅力が伺えて気分も上がりますね。

隣の小学校低学年と思われる男の子達もダイヤの原石にテンション上げ、おひとりさま年配男性もキュービック形のガーネットをニコンのカメラで激写しています。


原石の次は加工技術と石の色の違いの解説など、イミテーション見本を含めてご紹介。

ダイヤモンドのカット方法、産地によって異なる色味の違いと名称の違いなどですね。

一番分かりやすい例は【コランダム】。不純物イオンの種類により色がついて、赤なら【ルビー】、青なら【サファイア】で、組成は一緒なのが面白いです 。

他に注目すべきは光る石(蛍石)のコーナー。照明がだんだん暗くなり、紫外線が当たった状態で青白く光る鉱物が展示されています。展示品はセレナイトやカルサイト等、方解石と呼ばれる鉱物。

暗闇にぽわっと光る結晶は、ジ●リ天空の城で鉱山に逃げ込んだ主人公の見た飛〇石。

残念ながら身に着けても飛べません(笑)


産地の違いでの石の名前が異なる事も紹介され、観覧側はだんだん暗記不可能になっていきます。

加えて美しくカットされた石が眩くて目がチカチカしてきました。

石によってもアゲートやカルセドニーなど、同じなのは名前だけで色も質感も全然バラバラなのが鉱物の奇跡といえますね。組成時の温度、地質、さまざまな条件でまるで別種のように石は成長します。

ちなみに私のお気に入り、タンザナイトとアレクサンドライトもしっかり陳列されていました!

タンザナイトはブルーゾイサイトという鉱物なんですが、青紫の発色が美しい石をタンザニアで発見したティファニー社が世界的にプロモーション活動して大人気になった宝石。

藤色というのか、青紫色が綺麗なんですよ、ゴールドもシルバーも映えますし。

アレクサンドライトはかつての某少女漫画(昭和世代がバレる・・・)タイトルから知った石で、部屋の中か外か(紫外線に因るんです)で見える色が変化する希少石。とても鮮やかに赤↔緑に変わります。小っちゃくても欲しいと憧れましたが、桁違いの金額と希少さに鑑賞一択に落ち着きました。懐かしい。


変わった展示では恐竜時代のマスコット(独断です)、アンモナイトの化石もあります。こちらも貝の石灰質がカルサイトへ進化したのか玉虫色に輝いて、何より直径50cm近いサイズで大きい!


鉱物としての展示が終わると、後半は人間の加工技術の高さが分かる宝飾(ジュエリー)コーナーへ。

ブローチ、ネックレス、ブレスレット、パリュール、ティアラ等々傾向が一気に女性好みへ(笑)。

ショーケースをガッツリと見入るのが子供、男性から女性陣へ選手交代します。

歴史的な価値あるジュエリーコーナーは残念ながら撮影不可でしたが、選び抜かれた純度・彩度の高い石の輝きや、石を活かす装飾技術の高さは

感嘆の一言です。使われている大粒の石がサファイアやルビーが多かったのは、ダイヤモンドのカット技術が確立する17世紀後半になるまで最も価値が高かったからですね。

特に先日プラチナジュビリーを迎えたイギリス王室や欧州の王侯貴族に伝わる希少宝石はサファイアが多いです。

故ダイアナ妃の婚約指輪で今はキャサリン妃が受け継いだのもサファイア。昔から青は神聖で高貴な色とされ、聖母マリアの衣服にも使われています。


石と宝石のキラキラ世界ににフワフワした気分お土産コーナー、会場出口へ。

オリジナルの貴石ガチャを発見。友人と運試しチャレンジします。

ガチャは2種類あって、レア石は方解石(夜か紫外線で光る)か翡翠でした。


結果は私が入口で寝っ転がりたいと思ったアメジスト(紫水晶)原石、友人は黒曜石でした。

アメジストはダウジングに、石器時代に武器になった黒曜石はカッターになるかなと用途を考えながら会場を後にしました。男女どちらかがはまりそうなのでなく、誰もが鉱物世界を楽しめる展覧会、お勧めです。


会場: 名古屋市科学館 理工館地下2階イベントホール

会期: 2022年7月9日(土)~9月19日(祝)

休館: 毎週月曜 ※詳細はホームページ参照

時間: 9:30-17:00(入館は30分前)


プロフィール

uchiko
美術と骨董、宇宙と化石を愛でるアートウォッチャー。
カロリー消費に美術館、仏閣、史跡散策をして、終わればまったり食べて補給。
2022年よりインスタグラムとこちらのサイトでアートウォッチの記録始めています。
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