4.0
個性豊かな5人の写真表現を愉しむ
本展の5人、皆さん個性的ですね。
それゆえに、好き/そうでもない、はありました。
好きの一人は、金川晋吾。
蒸発癖のある父親をスティル形式で撮った〈father〉、奇妙な三人生活のスナップ風〈明るくていい部屋〉、この私小説的アプローチが実にはまりが良い。
好きのもう一人は、かんのさゆり。
東日本大震災後の変わりゆく景観を、人物を入れず、明るめのフラットな画面で淡々と写し出す。叙情を排した群像が、その表層とは真逆に、やるせなさ・不安・異議異論といった複雑な感情を語っており、雄弁だ。このスタイルで、他の題材も観てみたい。