5.0
深瀬、その愛
待望の深瀬昌久、最高である。
深瀬全集で親しんでいた作品をヴィンテージを含むプリントで見られて感激です。
年代順に代表作を紹介する構成で初めて深瀬に触れる人にも優しい作りになっています。
デリケートな扱いの《洋子》も無事公開され、大好きな窓シリーズもあって嬉しい。洋子イイよね。
ブクブクも凄い。特にラスト3点は濃厚に死の香りが充満していて凄まじい。彼岸である。
初日トモコスガ氏の講演も拝聴。マニアックかつ熱のこもった語りがとても良かったです。
東銀座すぐのAkio Nagasawaギャラリーでも洋子シリーズが貴重なヴィンテージプリントで見られます(3/25まで)。
鑑賞しながら無頼漢な風貌と破滅的な生き方が似ている洋画家の長谷川利行を思い浮かべました。
両者とも無邪気なんだけれど底知れないところがあって、もっと見たいもっと知りたいという魅力に溢れています。
ようやく時代が深瀬に追い付いて再評価の気運が高まる中、
各シリーズにフォーカスしたディープ深瀬も見たいし、写真集復刊にも期待したいです。
生誕100年の頃には東近美で大回顧展が開かれるようになればイイなぁ。
やはり深瀬昌久は面白い。