4.0
小学生には重すぎた展覧会
国立近代美術館や東京都現代美術館の常設展で北川民次の絵を何度か観たことがあり、その名前は記憶していましたが、どのような画家なのか全く知りませんでした。私にとってはほとんど未知の画家の約30年ぶりの回顧展とのことで、どんな絵が観られるのか期待を込めて出かけました。
作品は全国の美術館・博物館、企業、個人蔵から集められており、この回顧展を開催した世田谷美術館のスタッフの努力には頭が下がります。
鑑賞後の感想を述べるのが少し難しいのです。
暗い色調とデフォルメされた人物、風景が特徴で、絵からはものすごいエネルギーを感じるのですが、社会批判を含む作品群の重さに圧倒され、私の能力ではその良さが充分理解できませんでした。
私が観覧中に小学生の集団が入ってきました。美術教育の一環のようですが、小学生には少し重いようで、引率の先生の解説を聞いてもキョトンとしている状態でした。
良かった悪かったではなく、その重さに圧倒されたという感想で終わりたいと思います。
[付記]
アート関係のテレビ放送では、話題となっている展覧会の紹介が多く、北川民次のようなマイナーな画家はあまり取り上げられません。ところが、11月10日東京MXの「初めての美術館」でこの展覧会の紹介がありました。面白くてわかりやすい解説で、これなら小学生でも充分理解できます。この番組を観てから展覧会に行けばよかったと思います。まだ1週間程度はTverで視聴可能です。