月岡芳年 月百姿

太田記念美術館

  • 開催期間:2024年4月3日(水)~2024年5月26日(日)
  • クリップ数:46 件
  • 感想・評価:6 件
月岡芳年 月百姿 太田記念美術館-1
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月岡芳年「月百姿 吼噦」(後期)
月岡芳年「月百姿 源氏夕顔巻」(前期)
月岡芳年「つきの百姿 大物海上月 弁慶」(後期)
月岡芳年「月百姿 玉兎 孫悟空」(前期)
月岡芳年「月百姿 はかなしや波の下にも入ぬべしつきの都の人や見るとて 有子」(後期)
月岡芳年「月百姿 吉野山夜半月 伊賀局」(前期)
水野年方「三十六佳撰 湯あかり 寛政頃婦人」(前期)
新井芳宗「撰雪六六談 忠信なる哉」個人蔵(後期)
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この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION

月岡芳年の代表作、「月百姿」全100点を紹介
月岡芳年(1839~92)は、幕末から明治時代前半にかけて活躍した浮世絵師です。月岡芳年の武者絵は迫力ある大胆な構図が特色で、現在の私たちをも惹きつけるカッコいい魅力にあふれています。太田記念美術館では月岡芳年をしばしば取り上げていますが、今回の展覧会では芳年晩年の代表作となる「月百姿」100点を前期と後期に分けて全点紹介します。

「月百姿」の世界をさまざまな切り口で紹介
「月百姿」は、月にちなんだ物語を題材としていますが、平安時代や戦国時代の武将たちや絶世の美女たち、あるいは幽霊や妖怪などの不可思議な存在まで、さまざまなテーマが登場します。本展では、音曲や和歌、謡曲、人々の暮らしなど、描かれている題材を切り口に、「月百姿」の世界を紹介します。

芳年の弟子たちによる「花」と「雪」も合わせて紹介
「月百姿」の版元である秋山武右衛門からは、芳年の門人である水野年方と新井芳宗の揃物も刊行されました。年方の「三十六佳撰」は花を連想させる美人たちを、新井芳宗の「撰雪六六談」は雪にまつわる故事を題材としています。本展では「月百姿」の「月」とともに、弟子たちによる「花」と「雪」も合わせて紹介します。

開催概要EVENT DETAILS

会期 2024年4月3日(水)~2024年5月26日(日)
  • 前期 4月3日(水)~4月29日(月・祝)
    後期 5月3日(金・祝)~5月26日(日)
    ※前後期で全点展示替え
会場 太田記念美術館 Google Map
住所 東京都渋谷区神宮前1-10-10
時間 10:30~17:30 (最終入場時間 17:00)
休館日 月曜日
4月30日~5/2日(展示替えのため)、5月7日
※ただし4月29日と5月6日は開館
観覧料 一般 1,000円
大高生 700円
中学生(15歳)以下 無料
TEL050-5541-8600(ハローダイヤル) 
URLhttps://www.ukiyoe-ota-muse.jp/

太田記念美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION

太田記念美術館 太田記念美術館

感想・評価 | 鑑賞レポートREVIEWS

4.0

浮世絵は現物を見るべし

晩年の芳年は洗練された色と構図が美しい。飛び跳ねた空中のポーズがいい。血みどろ絵の頃を彷彿とさせ迫力満点。そして、すっと静止した一瞬のポーズの絵もまた情緒が有って良い。
芳年は月を描かずとも水面に映る月明かりや題目の和歌だけで表現。
古典や謡曲、和歌など幅広い題材から他人と違う視点で此処という場面を描くセンスが凄く良いのだ。
そのセンスは確実に弟子たちに受け継がれている。
摺りも良い。浮世絵は空摺や正面摺などは印刷物ではわからないので現物で確認して欲しい。それがよく分かる展示がされていてここの美術館は素晴らしい。
場所柄外国からの来館者が非常に多く賑わっていた。異例の静粛を求む館内放送が流される程!
解説に英語表記をもっと増やすべきと思う。

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karachanさん、Audreyさん

4.0

半分ずつ

浮世絵専門美術館ならではの素晴らしい展覧会です。なんといってもウリは百点全点を見られること。前期後期で総入替で、二回通えば見られます。が、人それぞれでしょうがなかなかそのハードルは高く、私の場合も何とか会期終盤に足を運ぶことができ五十作を見れました。一作一作が実に面白く、そのうえで一堂に会する価値は更に高いと感じました。前後期の入替自体はどこでもある話ですが、月百姿はやはり百という数字に意味があり、出来れば百点全部を一度に見たかった。
月のモチーフを共通軸にテーマ・画題は多彩ですが、個人的には美人画が推し。明治中期の浮世絵というジャンルにして、現代人の興味関心の的からは外れがちでしょうが、刷りの技術や精度は江戸末期と比べて進化を感じます(その分工業的でもあるが)。日本橋の滑稽堂秋山武右衛門が刷元、いい仕事ですね。

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karachanさん

5.0

人気シリーズ全展示、門人の代表作もたっぷり展示

人気浮世絵師の代表作なので比較的観る機会はありますが、老舗浮世絵美術館の展覧会はさすがです。浮世絵はシリーズで観たい!今回は全展示です(前後期)。更に素晴らしいのが門人水野年方、新井芳宗の代表作もズラリと展示。年方の師の作風とは違う秀逸な美人画、芳宗の撰雪六六談シリーズを一気にこれ程観賞出来る機会は少ないと思います。オススメ展覧会。

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morinousagisanさん
  • 1
  • BY TK

3.0

やはり武者絵は 苦手でした

月百姿というものの 月を全面的に押し出している事もなく
月明かりとか 間接的に月を描いているものが多く
まぁそこが 日本的なのではありますが

<はかなしや~ >の水面に揺らぐ月光が美しく これが一番でした
前期 後期ともに鑑賞しましたが 武者絵は苦手なので 私には今ひとつでした

水野年方の作品は 柔らかな印象でした
  

5.0

明治もすてたもんじゃない

ところどころに残る空摺り。
題名の色紙状のものは細かい模様がも凝る
着物にも模様があるものもあった。
色合いもきれい。

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kage0512さん

5.0

芳年の魅力満載。浮世絵初心者にもとても分かりやすく楽しめる展覧会。

休館明けの久々、最初の展覧会が芳年「月百姿」とは! やってくださいましたね、太田記念美術館さん。
歌舞伎の残酷シーンや戊辰戦争の戦場等を題材にした作品、所謂「血みどろ絵」で知られる月岡芳年ですが、和漢の物語や詩歌・謡曲に登場する様々な、月にまつわる場面を題材とし、様々な月の様相を描いた100点から成る歴史画の連作「月百姿」も高い人気を博しています。「月百姿」は、芳年が数え年47~50歳頃の晩年に制作された、最期のライフワークともいうべき作品、ということです。現代の私たち心をも、ひと目で釘付けにする美しさと絶妙な色使い、そして「血みどろ絵」でも観られた迫力ある画面構成はこちらでも、とにかくカッコいいその構図も、このシリーズの魅力だと思います。月と、和漢の物語や戦国時代の武将から幽霊や妖怪に至るまで、100を数える豊富なバリエーションなので、普段浮世絵にあまり興味のない方でも、たぶん、飽きることなく存分に楽しめると思います。とても人気のある「月百姿」は、月岡芳年の展覧会には必ず数点は出ますが、100点全てを観る機会はなかなかありません。それを今回の展覧会では前後期の展示替えで、全点が公開となるそうです。しかも音曲や和歌、謡曲、人々の暮らしなど、描かれている題材を切り口に紹介してくれているので、とても親しみやすい展示構成となっています。お気に入りの歴史物語のシーンを探してみるのもいいかもしれません。今話題のNHK大河ドラマ「光る君へ」に登場する人物や物語が描かれた作品も、「月百姿」の中に何点も含まれています。和歌の好きな方は、右上「囲み題」のすぐ横に場面で重要な和歌や漢詩など書かれています。くずし字で私にはほとんど読めませんが、ちゃんとキャプションがあります。余談ですがこの和歌の書かれた紙のような白い部分も、ただの白ではなくて無地でも凹凸で色々な地紋様が押されていて奇麗です。こんな隅っこにまでなかなかに凝っています。大事な「月」の表現も、輪郭線がないのにくっきり浮かび上がって見えるなども、木版画特有の技法ですね。西洋絵画や写真などの新しいメディアの流行が、それまでの日本画や木版画の価値を揺るがせていた時代に、芳年が、また版元が、全霊をかけ挑んだ、上質で高技巧で優れた画面構成の作品たちなのでしょう。その美しさを、堪能させていただきました。
さて芳… Read More

THANKS!をクリックしたユーザー
murakamiさん、黒豆さん、uchikoさん、morinousagisanさん

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