3.0
北欧の幻想的な風景
鑑賞前は大自然の雄大さや明るさが強調された作品が多いかと思ってましたが、意外と色づかいの暗い、物悲しさやさみしさを感じさせる作品も多かったです。自然環境の厳しさがそういう作風を醸成させるのでしょうか。
ムンクの作品、そして常設展示のゴッホのひまわりが観れたのがうれしかったです。
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本展覧会は、北欧の中でもノルウェー、スウェーデン、フィンランドの3か国に焦点を定め、19世紀から20世紀初頭の国民的な画家たち、ノルウェーの画家エドヴァルド・ムンクやフィンランドの画家アクセリ・ガッレン=カッレラらによる絵画を紹介します。
北欧は洗練されたデザインのテキスタイルや陶磁器、機能性に優れた家具の制作地として知られていますが、同時に優れた芸術作品を生み出す土壌でもあります。
19世紀、ナショナリズムの興隆を背景に、それまでヨーロッパ大陸諸国の美術に範をとっていた北欧の画家たちは、母国の自然や歴史、文化に高い関心を寄せるようになりました。各地の自然風景、北欧神話や民間伝承の物語が、画家たちの手によって絵画や書籍の挿絵に表されました。
ヨーロッパの北部をおおまかに表す北欧という区分は、一般的にノルウェー、スウェーデン、フィンランド、デンマーク、アイスランドの5か国を含みます。このうち最初に挙げた3か国はヨーロッパ大陸と地続きにありながらも、北方の気候風土のもとで独特の文化を育みました。
このたび、ノルウェー国立美術館、スウェーデン国立美術館、フィンランド国立アテネウム美術館という3つの国立美術館のご協力を得て、各館の貴重なコレクションから選び抜かれた約70点の作品が集結します。
会期 | 2024年3月23日(土)~2024年6月9日(日) |
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会場 |
SOMPO美術館
![]() |
住所 | 東京都新宿区西新宿1丁目26-1 |
時間 |
10:00~18:00
(最終入場時間 17:30)
|
休館日 |
月曜日 ※ただし4月29日、5月6日は開館、振替休館なし |
観覧料 | 一般/事前購入券 1,500円 当日券 1,600円 大学生/事前購入券 1,000円 当日券 1,100円 高校生以下 無料
|
TEL | 050-5541-8600 (ハローダイヤル:美術館利用案内) |
URL | https://www.sompo-museum.org/ |
3.0
鑑賞前は大自然の雄大さや明るさが強調された作品が多いかと思ってましたが、意外と色づかいの暗い、物悲しさやさみしさを感じさせる作品も多かったです。自然環境の厳しさがそういう作風を醸成させるのでしょうか。
ムンクの作品、そして常設展示のゴッホのひまわりが観れたのがうれしかったです。
4.0
「北欧の神秘」展、行って来ました。北欧と言えば私は、北欧ガラス、陶磁器、北欧家具(特に椅子)、北欧テキスタイルデザイン、などが思い浮かんでしまい、皆大好きです。ですが、ファンタジーもトーベ・ヤンソン の『ムーミン・シリーズ』くらいしか思い当たりませんし、申し訳ないことに絵画のアーティストは、ムンク以外ほとんど知りませんでした。パンフに「本邦初、北欧の絵画にフォーカスした本格的な展覧会」とありました。なるほど。北欧は一般に、デンマーク・スウェーデン・ノルウェー・フィンランド・アイスランドの5か国だそうですが、今展ではスウェーデン・ノルウェー・フィンランドの3か国にフォーカスしているそうです。キーワードは、神秘・自然・魔力・都市でした。北欧絵画の黄金時代とされる19世紀末~20世紀初頭を中心に、約70点が紹介されています。3国の国立美術館に収蔵されている作品から選ばれ、その大半が日本初出品なのだそうです。ワクワクしながら、観させて頂きました。頭の中ではシベリウス『フィンランディア』がリピートしていました。因みに今展は、音声ガイドはないのだそうです。会場内に作品に合わせて微かに音楽や鳥のさえずりや自然の音の効果音が流れています。面白いですね!
北欧と言えば、とても厳しく、そして美しい自然の中で、自然の力や神秘に敬意と脅威を感じつつの人々の生活。北欧の方々とは比べるのはおこがましいかも知れませんが、日本人も少し前の時代まで、似たような感覚を持っていて、自然を恐れ敬い、万物に精霊の存在を感じていたと‥。ちょっぴり共通点を感じました。
序章で紹介されていたロベルト・ヴィルヘルム・エークマンの大気の精霊《イルマタル》はどこかで見たことがありました。マルクス・ラーション《滝のある岩場の景観》(この作家さんは以前にも幾度か、やはり荒海の作品を観たことがあります)は引き込まれます。ドラマチックで凄い迫力でした。ヨーハン・フレドリク・エッケシュバルグ《雪原》もカール・ステファン・ベンネット《ストックホルム宮殿の眺め、冬》もとても良かったです。アウグスト・マルムストゥルム《踊る妖精たち》は、北欧ではないお話ですがバレーの『ジゼル』が思い出されました。 1章ではハリポタの「あばれ柳」を思い出すニルス・グレーゲル《春の夜》が印象的。 2章はキレイ怖い世界。トロールを… Read More
4.0
北欧の美術との新たな出会いができました。
恥ずかしながら知っていた作家はムンクだけでしたが
魅力的な作家や絵画を知ることができました。
また北欧と言う国の神秘と言われるならわしも興味深かったです。
展覧会のメインビジュアルになっているキッテルセンの「トロルのシラミ取りをする姫」になんとも興味を惹かれたのですが
実際の絵は神秘性より可愛らしさと温かさを感じるものでした。
フィンランドの民族叙事詩「カレワラ」や神話を題材としたファンタジーのような作品は物語の中に入ったような感覚になりました。
一方で写実主義の見たものを見たまま描く風景絵画の数々は
写真よりも細かくキャンバスに景色を映し出していてそれらも魅力的です。
「カレワラ」や北欧神話に非常に興味が湧いたので、本を読んでみようと思っています。
まずは「カレワラ」から。
よい美術鑑賞体験でした。
4.0
「北欧の絵画」で構成された絵画展というものは初めてです。珍しいと思い、興味深く鑑賞しました。
序章「神秘の源泉」、1章「自然の力」、2章「魔力の宿る森」、3章「都市」という構成で展開されていました。
不思議と「北欧」を感じる作品たちです。神話や言い伝えをベースとした作品はもちろん、風景画もどことなく光量が少ないというか明度が低いというか... どこか「白夜」を連想するような風景です。そして水(湖沼)が多く描かれています。訪れたことはありませんが、私のイメージする北欧に一致する風景でした。
中でも夜の景色を描いた作品が目をひきました。エウシェン・ヤンソン『ティンメルマンスガータン通りの風景』やアウグスト・ストリンドバリ『街』はとても素敵でした。
印象派あるいは印象派に近い作品も多いのですが、フランスの同派作品のように柔らかい光に溢れるような作品ではないように見えました。そこまで穏やかではない世界観です。
ムンクの作品も2点ありました。フォービズム的な大胆なタッチと色遣いの作品でした。どちらも素敵でしたが『フィヨルドの冬』はホドラーの山の絵を連想させるような大胆さで、印象に残りました。
浅学な私は正直ムンク以外の作家はいずれも初見だったのですが、十分楽しめる展示でした。前述のアウグスト・ストリンドバリは他の作品も是非鑑賞したいと思いました。
5.0
ファンタジー作品の挿絵のような作品が楽しめます。
目玉作品はテオドール・キッテルセン『トロールのシラミ取りをする姫』1900年。
この作品自体はもふもふしてかわいいトロールのようにも見えますが、キッテルセンのほかの作品では結構えげつない顔をしたトロールがお目見えします。
自然や、神話、都市などとジャンル分けされて展示されていますが、1900年前後の同じ時代の作品ばかりです。
ただ、国の違いを顕著。ノルウェーの画家が怪物を描いている時代に、スウェーデンやフィンランドの画家は写実的に都市を描いています。
ノルウェーと妖怪、漫画やアニメ豊かな日本文化との相性はよいのでは?
5.0
絵画に合わせたBGMが流れていて、北欧の森や物語の中に没入した感じで鑑賞でき、ゆったりとした時間を過ごすことが出来た。搬送が難しいキッテルセンの作品がアニメーションで紹介されていた映像も圧巻でした。
3.0
北欧の神秘、結構良かったです。
大陸の影響はあまり受けず自国の風土や文化に根付いた作品が好ましい。
一般的に知名度があるのはムンクくらいであとは初見の作家ばかり。
アウグスト・ストリンドバリって西洋美術館にも新収蔵されていましたっけ。
陰鬱なフォーヴィスムという感じで好きだなぁ。
4階フロアとゴッホひまわりは写真撮影可能。
小さい音量でBGMをかけたりの試みもしていました。
4.0
北欧神話はあまり詳しくないが厳しい自然環境下で生まれた神話や昔話は面白そうだ。
写実的で幻想的な絵画は暗い色彩が多い中、ムンクの単純化された風景画は表現や色彩が浮いている。
ガーラル・ムンテとテオドール・キッテルセンの民話などの世界は楽しい。何度もうろうろ見直してしまった。映像でキッテルセンの作品を流している。トロルとペストの恐怖を描いた作品で見てほしい。
マリメッコやカール・ラーションなど明るい作品も有る北欧の芸術だが今回は神秘という事で暗めの作品展示。
エレベーターの扉や階段にはムンテのキャラが居ます。
4.0
個人的にはガーラル・ムンテの作品群が印象深い
序章の踊る妖精たちもよかったのだけど
第二章のガーラル・ムンテの作品は観た瞬間
「あ、これだな」って感じがした
作風の好みといえばそれまでだけど
多分今回はこれを見に来たんだろうな(笑)
他にもいいなと感じる作品はいっぱいあったのだけど、
レビューを書くために見返してたら
やはり同じところに目が留まってしまったので
自分が思ってる以上に気に入ってしまったのだろう
4.0
ムンク以外はあまり見ることのない、19世紀後半から20世紀初頭にかけての北欧絵画。自力で行くには大変そうな北欧の自然の雄大さや、なじみのない北欧神話の独特の神秘性を感じることができる。自然に対する畏怖やそこに神(ここでは妖精や妖怪だが)が宿ると考えるのは、日本と共通していて共感が持てる。一押しは「街」という作品。「街」というタイトルながら、街は画面の1%ぐらいしかなく4分の3は暗い雲、残りは暗い海なのだが、確かに街の絵だ。白黒だがインパクトのある荒い絵の具のタッチは是非実物を見た方がいい。
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東京都新宿区で開催中の展覧会
テオドール・キッテルセン《トロルのシラミ取りをする姫》
1900年、油彩・カンヴァス、45.5×68.5cm、ノルウェー国立美術館
Photo: Nasjonalmuseet / Børre Høstland
ロベルト・ヴィルヘルム・エークマン《イルマタル》
1860年、油彩・カンヴァスに貼った紙、79×111.5cm、フィンランド国立アテネウム美術館
Photo: Finnish National Gallery / Hannu Aaltonen
マルクス・ラーション《滝のある岩場の景観》
1859年、油彩・カンヴァス、78×124cm、スウェーデン国立美術館
Photo: Nationalmuseum
アウグスト・マルムストゥルム《踊る妖精たち》
1866年、油彩・カンヴァス、90×149cm、スウェーデン国立美術館
Photo: Cecilia Heisser / Nationalmuseum
ニルス・クレーゲル《春の夜》
1896年、油彩・パネル、48.5×60.1cm、スウェーデン国立美術館
Photo: Erik Cornelius / Nationalmuseum
ニコライ・アストルプ《ユルステルの春の夜》
1926年、油彩・カンヴァス、89.5×110.5cm、ノルウェー国立美術館
Photo: Nasjonalmuseet / Frode Larsen
ヴァイノ・ブロムステット《冬の日》
1896年、油彩・木製パネル、26.5×52cm、フィンランド国立アテネウム美術館
Photo: Finnish National Gallery / Hannu Pakarinen
テオドール・キッテルセン《アスケラッドと黄金の鳥》
1900年、油彩・カンヴァス、46×69cm、ノルウェー国立美術館
Photo: Nasjonalmuseet / Børre Høstland
ガーラル・ムンテ《帰還するオースムンと姫》
1902-1904年、油彩・カンヴァス、62×126.5cm、ノルウェー国立美術館
Photo: Nasjonalmuseet / Jacques Lathion