倉俣史朗のデザイン
―記憶のなかの小宇宙

京都国立近代美術館

  • 開催期間:2024年6月11日(火)~2024年8月18日(日)
  • クリップ数:39 件
  • 感想・評価:8 件
倉俣史朗のデザイン ―記憶のなかの小宇宙 京都国立近代美術館-1
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倉俣史朗《ミス・ブランチ 》1988年 富山県美術館蔵 撮影:柳原良平 © Kuramata Design Office
倉俣史朗《硝子の椅子 》1976年 京都国立近代美術館蔵 撮影:渞忠之 © Kuramata Design Office
倉俣史朗《変型の家具 Side 1》1970年 青島商店エムプラス蔵 撮影:渞忠之 © Kuramata Design Office
ランプ(オバQ)[小] 1972年 個人蔵 撮影:渞忠之 © Kuramata Design Office
倉俣史朗《椅子の椅子 》1984年 富山県美術館蔵 撮影:柳原良平 © Kuramata Design Office
倉俣史朗《ハウ・ハイ・ザ・ムーン 》1986年 富山県美術館蔵 撮影:柳原良平 © Kuramata Design Office
倉俣史朗《アクリルサイドテーブル #2》1989年 株式会社イシマル蔵 撮影:渞忠之 © Kuramata Design Office
倉俣史朗《イメージスケッチ「ミス・ブランチ」 》1988年頃 クラマタデザイン事務所蔵 撮影:渞忠之 © Kuramata Design Offic
倉俣史朗 1990年 撮影:小川隆之 ©Kuramata Design Office
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この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION

京都国立近代美術館で「倉俣史朗の世界」展が開催されたのは、1999年のこと。1991年に56歳という若さで倉俣史朗が急逝した後、没後5年に企画され、東京、メキシコシティ、サンフランシスコ、ニューヨーク、パリ、ウィーンなど世界各地を巡回した展覧会でした。それから25年を経て、再び京都に倉俣史朗の代表作が帰ってきます。東京・富山を巡回した本展は、京都会場で幕を閉じます。

倉俣史朗(1934–1991、東京生まれ)は、銀座のランドマークとなる商業施設「三愛ドリームセンター」の店内設計で注目を集め、1965年にはクラマタデザイン事務所を設立して独立します。高度経済成長とともに変化し続ける都市を舞台に、インテリアデザイナーという、当時はまだ曖昧な認識しかなかった領域で活躍します。透明なアクリルを使用して、まるで商品が浮いているようにみえる棚、光そのものに形を与えたかのようなショーケース。華やかで移り変わりの激しい商業空間を、倉俣は永続性のない幕間劇にたとえました。

一方で、商品化を前提とせず、自主的に制作した家具を発表しています。遊び心を感じさせる変型の引出し、板硝子を貼り合わせ最小限の構造を突き詰めた椅子、造花のバラが浮遊するアクリルブロックの椅子。1981年にエットレ・ソットサスに誘われて、イタリアのデザイン運動「メンフィス」に参加すると、一躍国際的な評価を高めました。倉俣が「言葉で語れない部分を形で言おう」とした家具たちは、大切に保管されて受け継がれ、今なお能弁なまでに魅力的です。

当時の雑誌には、毎月のように倉俣のインテリアや家具、そしてその時々の言葉が紹介されていました。彼の話は、デザインと一見関係のないような、幼少期の思い出や、夢に見たことにまで広がっていきます。本展では、こうした倉俣自身の言葉を辿りながら、創作の源泉ともいえる夢日記などの資料とともに、彼のデザインが語りかけるメッセージに耳を傾けます。

開催概要EVENT DETAILS

会期 2024年6月11日(火)~2024年8月18日(日)
会場 京都国立近代美術館 Google Map
住所 京都府京都市左京区岡崎円勝寺町26-1
時間 10:00~18:00
  • ※金曜日は20:00まで
    ※入館は閉館の30分前まで
休館日 月曜日、7月16日(火)、8月13日(火)
※ただし、7月15日(月・祝)、8月12日(月・祝)は開館
観覧料 一般 1,700円(1,500円)
大学生 1,100円(900円)
高校生 600円(400円)
  • ※本料金でコレクション展も観覧できます
    ※( )内は前売および20名以上の団体料金
    ※中学生以下無料。心身に障がいのある方と付添者1名は無料。母子・父子家庭の世帯員の方は無料。入館の際に証明できるものを要提示
    《前売券販売期間:4月11日(木)~6月10日(月)》
TEL075-761-4111(代表)
URLhttps://www.momak.go.jp/

京都国立近代美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION

京都国立近代美術館 京都国立近代美術館

巡回展TRAVELING EXHIBITION

倉俣史朗のデザイン ―記憶のなかの小宇宙 巡回情報
※巡回先は、全情報が載っていない場合もございます。最新の巡回先一覧は、展覧会公式サイトなどでご確認いただけますよう、お願いいたします。
また、会期が変更など開催情報に変更が生じる場合がありますので、お出かけの際には、公式サイトにて最新情報をご確認ください。

感想・評価 | 鑑賞レポートREVIEWS

4.0

夢のなかの家具

家具でありながら家具でないようなオブジェを指向していたらしい倉俣史郎のデザインは、たしかに、見ていると自立的な存在感がある。ただ家具として使用に供する物体になるのではなく、対話的にならざるをえない何かが表れているように感じた。
家具の家具らしくなさ。暗闇の中で光を受けて浮き上がる透明な家具が強く印象づけてくるように、それは脆さや冷たい温度感を伴って見える。家具が体現すべき安心感や親しみを括弧に入れて、そうした違和感を表現した先で、これらのオブジェは自ら挑発的に言葉を発するかのようだった。そこでようやく、倉俣によるオブジェたちはユーモアを交えた発話をしていることが見えてくる。
展示にあった、紙片に走り書き/描きされた倉俣自身の夢の記憶から連想するなら、倉俣の家具は、ちょうど不思議の国の住人として登場するキャラクターのような奇妙さと親しみ深さがある。スタイリッシュなフォルムが特徴的な倉俣作品だが、個人的にイメージしていた以上に夢見心地なデザインに、新鮮な驚きを得られた。

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morinousagisanさん

3.0

座れるのが良かったです

倉俣史朗のデザインは、かなり個性的なので見る専用だとばかり思っていました。アーティゾン美術館でハウ・ハイ・ザ・ムーンに座った時、すごく感動して、座っても良いんだと当たり前のことを思いました(笑) どことなく刹那的で、少し退廃的な香りもして、家具からは感じることのない雰囲気を味わえるところが良かったです。

5.0

Futuristic

つくられた作品の時期からはいわゆる昭和レトロな雰囲気を思い描いておりました。


実際に展示を見ていた際には、現在見てもFuturisticなデザインという感がありました(私自身はこの類の作品群に実際にまだ出会っていなかった時期なのでそう思ったのかもしれません・・・懐かしい、と感じられる方々もいらっしゃるかもしれません)。


展示物を見ている時には、あれらは本当に座れるものなのだろうか(実際に実在したバーやファッション店舗やギャラリーなどの写真があったので、使用されていたものもあるとはいえ、ガラスのものはどうなのか、などと思いつつ・・)。

これまでどちからというと、美術館で鑑賞したガラス・アクリルの展示物というと、抽象的なオブジェなどが多く(デザイナーズ家具のショールームくらい?といっても、あまり見られない)、

どの作品も、美しく、いつもならばガラス細工が美しいと感じるのですが、この展覧会の作品群では、私自身はどちらかというとアクリルの作品がよいなと感じました。

もちろん、光源によっていろんな色の影が見える作品や、造花が埋め込まれた椅子などもユニークでしたが、一つだけどれか選んでもよいといわれるとアクアブルーの作品かな、シンプルでいて、場所もとらずに、飽きがこなさそう、と勝手に考えていました。



最期に、展示室を出る前にあったキューピー人形・・・実際に動いているものを見た人はある意味ラッキーだっただろうな、しかし、ちょっとこわい?、と感じました)。


展示スペースに入るまでと、1階の広いスペースに実際に座ってもよい椅子がおかれていました。座ってみると、一般的に座る椅子とはかなり異なるような、デザイン重視っぽい空間が多いフレームの椅子がありました。綺麗なフォームなので、座ってみる前は、座って見れる!試してみたい!(まあ、痛いかな・・・)、と想像していたところが、とても座り心地がよく、驚きました。

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karachanさん、アバウトさん

REPORT

デザインの誘惑

 一般的に美術館は直進していく構造に展示されているため、もう一度見返したいと思っても逆走するのがためらわれるが、今回はドーナツ状に展示されていたため、2周することができた(推奨される行動かはわからないが)。1周目は作品だけを…readmore

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morinousagisanさん、wakuwaku2024さん

5.0

レトロな雰囲気を感じない美しさ

1960年代のファッションやデザインを見ると「レトロ」な印象を受けることが多いように思います。倉俣さんの作品には、そういった「昔っぽさ」を感じませんでした。
本人自ら「機能的でない家具に興味があります」と表明しているとおり、椅子なのに座り心地悪そう、いやむしろ「座って大丈夫なのか?」と心配になるデザイン。
「どう作るか」「どう使うか」を考えずに自分が美しいと思えるものを作りだしてきたからこそ、時代を象徴する何かに囚われることがなかったのではないかと思います。
そして実用的でないのに「ちょっと欲しいなぁ」と思わされてしまうのです。
会場には座れる椅子も何脚か用意されています。座り心地が良いとは言えないかも知れませんが、贅沢な気分になれますよ。

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アバウトさん

5.0

軽やかで洗練されたデザイン

展示の仕方が挑戦的で良かった
展示室を黒くし、作品を照らすことで透明な作品の存在感、浮遊感をより感じることができた

倉俣の言葉も随所にあり、その軽やかな考え方や言葉の選び方は浮遊感のある作品に通づるものがある

すべての作品を通じて「引力」が根底にあるとの解説に納得 引力から解放されたような軽やかな作品はどれもが素敵だった

作品の隣に簡素なスケッチが展示されてる点も素晴らしい 作品の原初的な頭の中でのイメージが伝わってくるしなによりスケッチがゆるくてとんでもなく可愛い好き

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アバウトさん

REPORT

展示空間もクールでスタイリッシュ!

京都へ巡回するのを楽しみに待っていました倉俣史朗の展覧会!
アバウトさんの感想を拝読しながら、「そう、そうですよね」と。
私も大阪中之島美のオープニング展で「ミス・ブランチ」を目の当たりにしてあまりの美しさに心打たれました。…readmore

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黒豆さん、komagatayaさん、karachanさん、アバウトさん、eiroh613さん、他2人

5.0

モダンと自然が生み出すもの

また出会いに来ましたよ「ミスブランチ」。
中の島美術館のオープニング展覧会で出会ったとき、目が離せなかった椅子「ミスブランチ」。アクリルの中に薔薇の花がちりばめられ、光をまとってたたずむ椅子・・・
その椅子のデザイナーの展覧会が開かれると聞き、京都に足を運んだ。
 25年ぶりの回顧展との謳い文句の通り、彼の足跡がプロローグからエピローグまで年代を追いながら展示されていた。
 ショーウィンドウディスプレイは50年前のものとは思えないほどのモダン。ガラスやメッシュスチールを使った椅子もどっしりという椅子の概念から重力を解放しようとする試みにあふれている。実際メッシュスチールでできた「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」という椅子には座ることができたのだが、スチールという素材から離れた軽やかさがあった。
 軽やかさというと硝子の椅子もそうである。最後のエピローグのところで硝子の椅子の展示とともにガーデンに置いた硝子の椅子の写真が展示してあった。自然の中に溶け込んだ硝子の椅子。ガラスという無機質な素材が自然という素材に違和感なく溶け込んでいた。「ミスブランチ」でアクリルという無機質の素材に薔薇の花が溶け込んでいるように・・
 エピローグの章でこの硝子の椅子とミスブランチの椅子が並べて展示してあるところがとても心に残った。
 最後に、この展覧会紹介にはないが、コレクション展がとてもよかった。倉俣を意識したのかしてないのか、グラスアートの作品やグラフィックデザイン時代の横尾忠則、そしてなぜか福田平八郎のコレクション。これだけでも見にくる価値がある作品群を同じ展覧会のチケットで見られたのはよかった。

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rTDA0Pさん、eiroh613さん、karachanさん、fumiko773さん、morinousagisanさん

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出展作品・関連画像IMAGES

倉俣史朗《ミス・ブランチ 》1988年 富山県美術館蔵 撮影:柳原良平 © Kuramata Design Office

倉俣史朗《硝子の椅子 》1976年 京都国立近代美術館蔵 撮影:渞忠之 © Kuramata Design Office

倉俣史朗《変型の家具 Side 1》1970年 青島商店エムプラス蔵 撮影:渞忠之 © Kuramata Design Office

ランプ(オバQ)[小] 1972年 個人蔵 撮影:渞忠之 © Kuramata Design Office

倉俣史朗《椅子の椅子 》1984年 富山県美術館蔵 撮影:柳原良平 © Kuramata Design Office

倉俣史朗《ハウ・ハイ・ザ・ムーン 》1986年 富山県美術館蔵 撮影:柳原良平 © Kuramata Design Office

倉俣史朗《アクリルサイドテーブル #2》1989年 株式会社イシマル蔵 撮影:渞忠之 © Kuramata Design Office

倉俣史朗《イメージスケッチ「ミス・ブランチ」 》1988年頃 クラマタデザイン事務所蔵 撮影:渞忠之 © Kuramata Design Offic

倉俣史朗 1990年 撮影:小川隆之 ©Kuramata Design Office

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