4.0
ワクワクする展覧会
インスタレーション中心の展覧会で、参加型の展示もありました。
写真や動画撮影OKなのも有り難かったです。
印象に残ったのは、小さなおうちの扉を開ける参加型の展示。
気になった部屋の鍵を借りて、自分で開けられるというもの。
中にはどんな空間があるのか、、ワクワクしながら開けられました。
また、最後の展示室の中へと入っていける作品も良かったです。
体験、体感ができる展覧会で、終始楽しい展示でした。
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ニューヨークを拠点に幅広い表現活動を続けている荒木珠奈(あらきたまな 1970- )は、へんてこなかわいらしさとゾクッとする感覚が混ざり合った世界観が魅力の作家です。光と影、昔話、家や舟といった物語を想起させるようなモチーフを用いて、私たちの心の底にある懐かしい感覚や感情、記憶を揺さぶりながら、日常を越えた非日常の世界へと誘う作品を発表してきました。20代でメキシコに留学、「明るさと暗さ」、「生と死」が共存する独特の文化に魅了されたという荒木の作品には、清濁あわせた人間の存在そのものを肯定するような眼差しが感じられます。
本展は、これまでに国内外で発表された詩情豊かな版画や立体作品をはじめ、2022年に東京都美術館のプログラムとして、ウクライナなどさまざまな国のルーツを持つこどもたちと荒木が共同制作したインスタレーションやメキシコの先住民と共同制作した絵本、鑑賞者参加型のインスタレーションなど、初期作品から近作までの約60点以上に加え、開催地である「上野の記憶」に着想を得た大型インスタレーションの新作を展示する、作家にとって初めての回顧展です。さらに関連プログラムとして、造形ワークショップや鑑賞プログラムなどを多数開催します。
この夏、東京都美術館の地下空間で、まるで絵本を1ページずつめくっていくように、日常と非日常の境界を行き来する不思議な旅が味わえます。物語性あふれる作品がもたらす鑑賞体験を通じて、荒木が近年関心を寄せている「越境」「多様性」「包摂」といった、国や地域を越えて現代社会が共通して抱えるテーマについて、思いを寄せ、日々の暮らしのかけがえのなさ、生きていくことが持つポジティブな力を見つめ直していただけるでしょう。こどもから大人まで楽しめる、ちょっと怖くて懐かしい、不思議な展覧会にぜひご期待ください。
会期 | 2023年7月22日(土)~2023年10月9日(月・祝) |
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会場 | 東京都美術館 Google Map |
展示室 | ギャラリーA・B・C |
住所 | 東京都台東区上野公園8-36 |
時間 |
9:30~17:30
|
休館日 |
月曜日 9月19日(火) ※ただし 8月14日(月)、9月18日(月・祝)、10月9日(月・祝)は開室 |
観覧料 | 一般 1,100円 大学生・専門学校生 700円 65 歳以上 800円
|
TEL | 03-3823-6921 |
URL | https://www.tobikan.jp/hajimarihajimari/ |
4.0
インスタレーション中心の展覧会で、参加型の展示もありました。
写真や動画撮影OKなのも有り難かったです。
印象に残ったのは、小さなおうちの扉を開ける参加型の展示。
気になった部屋の鍵を借りて、自分で開けられるというもの。
中にはどんな空間があるのか、、ワクワクしながら開けられました。
また、最後の展示室の中へと入っていける作品も良かったです。
体験、体感ができる展覧会で、終始楽しい展示でした。
5.0
・版画作品、小さな立体作品、大規模インスタレーション、ストップモーションアニメ……。多彩で豊かな創造力/発想力を堪能しました。ほんとうに行ってよかった!!
・ファンタジックな世界観がベースだけれど、ちゃーんと現代/現実の問題も提示。なんでもない日常がいかに大切かを再確認
・今を生きる現代アートの作家さんたち、原発事故にまつわる記憶をしっかり作品に残してくださってありがたい(東京で日常生活を送っていると、ついつい忘れがち。忘れてはいけない。絶対に)
・観客参加型の作品に感激!! 自分の行為が作品に反映されるなんて!
・ものすごくフレンドリーに話しかけてくださるスタッフさんたち、ありがとう! おかげでいっそう楽しかったです
・図録は2冊セット(この会場でのインスタレーション作品を掲載した下巻は後日届くそうです)
4.0
東京都美術館のギャラリーは、エスカレーターを降りていく度わくわくする。吹き抜けになっている右手の大空間に、見えてくる展示のハイライト。でもじっくり見るのは後のお楽しみにとっておく。
まずは順路に沿って進みながら、光に誘われる虫になったみたいに、キラキラしたカラフルなランタン?が下がるコーナーへ。自分で好きなランタンを設置して点灯させることができるのも楽しい。色は点灯する時のお楽しみ。こんなに可愛いのに、作品のインスピレーションの土台が、不法に電気を拝借している人々の風景というのも面白い。
鍵のかかった小さな扉のあるお家たちの作品は、なんと好きなお家を選んで自分で鍵を開けることができる。これも参加型。
アクアチントの作品たちは、可愛らしさの中にどこか寂しさが。玉乗りじゃなく、玉けりしてる絵がが可愛くて絵はがき購入。
うえののそこは、回る走馬灯のような光と時々響く本物の電車の音が共鳴して、しばらくぼーっとしていたくなる、懐かしいような空間でした。
それにしても、なぜ今回のポスターはカラフルなドクロたちメインにしたのか…インパクト重視なのか。個人的には他にもっと印象的でお客が呼べそうな作品があったのにな。あのポスターのせいで、お客さんが実際の展示の雰囲気とは異なる印象を受ける気がする。
5.0
インスタレーション型の展示、作品の中に入ったり、自分でランプをともしたり、家の扉を開けたり。
創造力が想像力をかきたてて、たいへん楽しかった。会場の方の程よい介入もよかった。
美術館の底に、うえののそこ、の作品があり、上野公園の大きな木のインスピレーションだということ。内部には不思議な温かみ(ライトの熱か?)、ここちよかった。
繭から作ったテント、refugeは、膝を抱え込むとほっとする。蝶の羽、繭のシリーズと印象がつながる。インドの人は、蚕をころしてつくる絹は身に着けないと聞いたことがある。蚕が羽化して殻を破ってしまうと、糸は短くなるが、不殺生で作れる絹アヒンサーシルクになるんだったな、という話を思い出しながら長いこと楽しんできた。版画など数も多く、素晴らしい展示だと思います。
マチス展の大混雑の脇をすり抜けて土曜の午前、この手の展示にしては人がいるが、たいへんゆっくり鑑賞できた。
3.0
グレイ、レモンイエロー、白の3色で構成された絵本「末っ子の太陽」が面白かったです。「絵本=原色」のイメージが強いので、一瞬地味かなぁと思ったけど、見ているうちに馴染んできますね。
4.0
日曜日のお昼前に訪問。混雑はしていませんがそこそこ入館者がいました。インスタレーションがメインで他に版画などが展示されています。版画などに描かれる人物がなんとなくシュールでかわいらしいです。メキシコの影響を受けた作品にもなんとなく日本っぽいところが見受けられました。第2章の団地をイメージした展示で、鍵を自分で開けて扉を開くというのは面白いと思いました。中の絵もシンプルですが想像をかき立てられます。一番最後の大きな展示物は圧倒されます。子どもが来ても楽しめる展示もあります。会期が長いのでそれほど混雑することはないと思います。
3.0
「子供から大人まで楽しめる、ちょっと怖くて懐かしい展覧会」?? 光と影、昔話、家や舟といった物語を想起させるようなモチーフを用いて、私たちの心の底にある懐かしい感覚や感情、記憶を揺さぶりながら、日常を越えた非日常の世界へと誘う作品を数多く発表してきたアーテイストだと聞きました。私はインスタレーションとかこういった傾向の展示がどうもあまり得意ではありません。でも、かつては大好きだった世界観だとも思い、少し謎めいたタイトルにもなんとなく魅かれ、入ってみました。テーマは「越境」や「多様性」「包摂」だとか。イデオロギー的な面はあまり感じず、物語の世界のような展示でした。フロアが分かれ、通路だったり行ったり来たりだったりだったり、ちょっと観辛いと言うか使い勝手も悪そうなと言うか、の展示スペースが、それなりに効果的に観え、なるほどでした。闇と光は人の心にとても複雑な影を作ります。貧困層が電気を盗むといった実態をもアートにしてしまい、あなたも気に入った光を盗んでみませんか? と声をかけられ、また小さな白いべニヤの箱を家に見立てた扉の鍵を1つ取って開けると明かりがついて‥、不思議な感覚の疑似世界に引き込まれました。明かりには様々な感覚、思い出などが連なっています。それからたまたまどなたも係の方がいらっしゃらなかった作品でタイトルも『無題』、何なのか分からず首をひねって通り過ぎてしまった作品もありました。多分ちゃんと観方体験の仕方があったのだと思います。そのあたり、ちょっと課題が残るのでは? とも思いました。いくつかの版画等が素敵だなと感じました。『繭』では、造形からは特に何も感じず、でしたが実は私は子供の頃、まだ養蚕をやっている親戚があり、夏休みなどよく手伝いをしました。それで卵をもらい、自由研究で卵から孵化させ蚕を飼い、家から20分ほどの畑の境界に桑の木が植えられていたのでその葉をもらえるよう頼み、毎日桑を刈り、幾度も脱皮させ、蚕を蛹まで育て上げて、泣き乍ら繭を煮て真綿をとり、ミニに座布団をつくるまで、凡そ2か月頑張った50年以上も前の記憶があるのです。蚕が桑の葉を食む音は、それから蚕をつかんだ時の何とも言えない指先の感触は、今でも覚えているのです。羽根を休める蝶のイメージのテントに、様々な国の昔話が聞こえる‥などなどよかったと思いました。最後の『… Read More
4.0
可愛いんだけど、ざわざわするようなモチーフもあるし、子供の頃にひとりで留守番をしていた時のような不安感を思い出したりもした。
インスタレーションが目を引くけど、版画や小さな立体作品も観るべき確かなものがあった。
とにかく多様。正攻法の版画も《Caos poetico (詩的な混沌)》《記憶のそこ》のようなインスタレーションも同様に魅力的。インスタレーションは個人的には《うち》と題された団地をイメージした作品が良かった。
多様といえども、章立てが理解しやすく鑑賞の混乱が無い。
一番の巨大インスタレーション《記憶のそこ》は、吹き抜けの展覧会場の特性を活かしていて良かった。ぼーっとできたりドキッとしたり不思議で面白い空間に心が動いた。
116点見応え充分。マチス展の混雑を横目にじっくり鑑賞できた。
8月8日(火)1時半入館。混雑無し。撮影可。
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