4.0
過去はいつも新しく未来はつねに懐かしい
野又穫、良かったです。
ザイオンかバビロンか、楽園か廃墟か、人の気配を感じさせないところが想像を逞しくさせます。
見たこともない建造物なのにどこか懐かしさやノスタルジーを感じるのも面白い。
休みの日中でも余裕を持ってじっくり観られました。もう少し話題になっても良いかも。
いつも流し見してしまうコレクション展示も今回は好みの作品もあって楽しめました。
全面写真撮影可能でした。
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目の前に広がる見知らぬ風景に、不思議な構築物がそびえ立つ。なぜか懐かしさを感じさせる野又穫(のまた みのる1955-)の絵画は、架空の光景と一言で片付けることのできない、現実と地続きにある非現実とでもいうべき独特の世界が特徴です。
東京オペラシティ アートギャラリーのコレクションの寄贈者・寺田小太郎氏は野又の作品をこよなく愛し、1980 年代から毎年収集を続け、代表作40点あまりが収蔵される最大の所蔵館となりました。
野又は東京藝術大学でデザインを学んだ後、広告代理店のアートディレクターとして勤務するかたわら絵画制作に取り組みました。1986年佐賀町エキジビット・スペースでの個展を皮切りに、いくつかの個展を開催して作家活動に専念することとなり、以降「知る人ぞ知る」作家として熱心なファンの注目を集めてきました。そんな野又は2020年、イギリスの有力ギャラリー、ホワイト・キューブにてオンライン個展が開催された後、同ギャラリー所属が決まり、一躍世界を舞台とする作家となったのです。
そのきっかけは、2004年東京オペラシティアートギャラリーでウォルフガング・ティルマンスと同時開催で行われた野又の個展でした。来日中の現ディレクターがこの個展を観た記憶が年月を経て結実し、今日の国際的な注目へとつながりました。
企画展示室では初めての個展となる本展では、同館のコレクションはもとより、初期から最新作まで、野又穫の全貌を広々とした空間で展示する機会とします。一人のコレクターの眼から始まった作家と美術館の長年の関係、そして世界へ。点が線で結ばれて星座がつくられるように、いくつもの幸せな出来事によって編まれた物語とも言うべき本展にご期待ください。
会期 | 2023年7月6日(木)~2023年9月24日(日) |
---|---|
会場 |
東京オペラシティ アートギャラリー
![]() |
住所 | 東京都新宿区西新宿3-20-2 |
時間 |
11:00~19:00
(最終入場時間 18:30)
|
休館日 |
月曜日 祝日の場合翌火曜日、8月6日(日・全館休館日) |
観覧料 | 一般 1,400円(1,200円) 大・高生 800円(600円) 中学生以下 無料
|
TEL | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
URL | https://www.operacity.jp/ag/ |
4.0
野又穫、良かったです。
ザイオンかバビロンか、楽園か廃墟か、人の気配を感じさせないところが想像を逞しくさせます。
見たこともない建造物なのにどこか懐かしさやノスタルジーを感じるのも面白い。
休みの日中でも余裕を持ってじっくり観られました。もう少し話題になっても良いかも。
いつも流し見してしまうコレクション展示も今回は好みの作品もあって楽しめました。
全面写真撮影可能でした。
3.0
不思議な巨大構造物と植物と空の調和が美しい絵なのですが…、キャプションなしで似たような作品が続き、食傷ぎみになりました(泣)。
なので、途中から空の色の比較鑑賞に切り替えました。夏の夕方のような空、雲が流れている空、いろいろな描き分けが楽しめました。
ところで、作品名を表示しない展示って、どんな効果を狙っているんでしょうね。
片手に単眼鏡、片手にスマホを持つので、作品リストを持つ手がない。しかも、会場は照明が暗めで、作品は不思議テイスト。もっと鑑賞しやすくしてもいいような気がします。
5.0
会場に入って直ぐこれは素敵!
未来のパビリオンか異世界の建築か、緻密に描かれた建築物はいかにも現存するかのようだ。
水族館と温室が優美な鋼鉄製の駆体に支えられそびえている。
はたまた、気球の下には長い階段が続き地面には大きなテント。遊園地のパビリオンか。
不毛の砂漠に大きな帆を張る石舟の家は動くことはない。
バベルの塔は現代的な摩天楼。人っ子一人居ない清寂の世界。
都会の廃墟はよく見ると周りとほぼ同色の犬が沢山居る。珍しく動物が描かれている。建物の飾も犬だ。此処は犬の国か?
どの絵も夢が有りどんな人が住んでいるのかと物語を想像してしまい全部見終わるまで凄く時間が掛かってしまった。
平日昼間はとても空いていた。写真撮影可。
4.0
今さら、気がついたのですが野又 穫さんの作品を収蔵している美術館は東京オペラシティ アートギャラリーぐらいのようです。そのためか、見たことがないという方が多いような気がする。というわけで、野又作品だけで展覧会を開催できるのはここだけなんだな、と思いながら拝見しました。全部で88点。これだけまとめて見るのは13年ぶり。2010年に群馬県立近代美術館で見て以来です。「もうひとつの場所-野又 穫のランドスケープ」というタイトルでした。
野又作品の絵は縦長か横長で、大抵がアクリル絵具でキャンバスに描かれている。中央に構築物があって、その背景は白い雲が浮かぶ青空が多いようだが、夜景もあるし、曇り空のこともある。ただし雨や雪は見たことがない。建物も架空とはいえ、ゆらぐことなく、しっかり建っているように見える。ちなみに建築家の藤森照信さんによると「建築的に見てちゃんとした絵を描く画家は、きわめて少ない。こう思い出しても、安野光雅と野又の二人しかいない」(「もうひとつの場所-野又 穫のランドスケープ」の図録から)とのこと。野又作品の魅力はこの辺にあるように思える。
えーと、展示替えなしで、写真撮影可でした。ちなみに同時開催の収蔵品展と若手アーティストを紹介する「project N」も面白かった。
美術展情報はほとんどネットで美術館HPや展覧会紹介サイト見て仕入れてる。
全く知らない作家でも、その作品見て電撃受ければ、もういてもたってもいられなくなる。
野又穫という人もそう。オペラシティAGのウェブサイト見て初めて知り、そ…readmore
4.0
世紀末SF小説のような構築物の数々はどれも人の気配が無く、見捨てられてもなお自動的に稼働し続ける悲哀を孕んでいる。一瞬、子供の頃雑誌で見かけた未来の絵のように懐かしく感じるけど、ノスタルジーは寂寥感を増す要因になるだけだ。目の前に突然現れた巨大な構築物に唖然とする……そんな感じで鑑賞を楽しんだ。
緻密に描かれた作品達は、広い展示室にキッチリと並べられ、世界観に没入できる。数点立体物もあったが、絵画の迫力にはとうてい及ばない。夜景シリーズ等も初めて観たので興味深かった。
デッサンの展示は発想の糸口が垣間見えて嬉しい。
解説等が一切無く、作品名すら番号を手元のリーフと照合しないとわからない。実に清々しい。
7月11日(火)11時15分入館。混雑無し。撮影可。
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