4.0
大好きなアーティスト
最初に出会ったのは六本木のSTARS展。衝撃を受けて、どこかでまた見たいと思った。その後直島で李禹煥美術館に行き、静かで美しいアートに感動した。今回の展覧会も、足跡がたどれるように様々な作品があり、どっぷり浸れるものだった。
でも…!直島の李禹煥美術館が素晴らしすぎて、それに比べると…となってしまったので、今回の展覧会で興味を持った人は絶対に!直島へ足を運んでほしい。
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国立新美術館では開館15周年を記念して、国際的にも大きな注目を集めてきた「もの派」を代表する美術家、李禹煥(リ・ウファン、1936年生)の東京では初めてとなる大規模な回顧展を開催します。
東洋と西洋のさまざまな思想や文学を貪欲に吸収した李は、1960年代から現代美術に関心を深め、60年代後半に入って本格的に制作を開始しました。視覚の不確かさを乗り越えようとした李は、自然や人工の素材を節制の姿勢で組み合わせ提示する「もの派」と呼ばれる動向を牽引しました。また、すべては相互関係のもとにあるという世界観を、視覚芸術だけでなく、著述においても展開しました。
李の作品は、芸術をイメージや主題、意味の世界から解放し、ものともの、ものと人との関係を問いかけます。それは、世界のすべてが共時的に存在し、相互に関連しあっていることの証なのです。奇しくも私たちは、新型コロナウィルスの脅威に晒され、人間中心主義の世界観に変更を迫られています。李の思想と実践は、未曾有の危機を脱するための啓示に満ちた導きでもあります。
本展では、「もの派」にいたる前の視覚の問題を問う初期作品から、彫刻の概念を変えた<関係項>シリーズ、そして、静謐なリズムを奏でる精神性の高い絵画など、代表作が一堂に会します。また、李の創造の軌跡をたどる過去の作品とともに、新たな境地を示す新作も出品される予定です。
◆ 李禹煥(リ・ウファン)
1936年、韓国慶尚南道に生まれる。ソウル大学校美術大学入学後の1956年に来日し、その後、日本大学文学部で哲学を学ぶ。1960年代末から始まった戦後日本美術におけるもっとも重要な動向の一つ、「もの派」を牽引した作家として広く知られている。1969年には論考「事物から存在へ」が美術出版社芸術評論に入選、1971年刊行の『出会いを求めて』は「もの派」の理論を支える重要文献となった。『余白の芸術』(2000年)は、英語、フランス語、韓国語等に翻訳されている。50年以上に渡り国内外で作品を発表し続けてきた李は、近年ではグッゲンハイム美術館(ニューヨーク、アメリカ合衆国、2011 年)、ヴェルサイユ宮殿(ヴェルサイユ、フランス、2014年)、ポンピド ゥー・センター・メッス(メッス、フランス、2019 年)で個展を開催するなど、ますます活躍の場を広げている。国内では、2010年に香川県直島町に安藤忠雄設計の李禹煥美術館が開館している。本展は、「李禹煥 余白の芸術展」(横浜美術館、2005年)以来の大規模な個展となる。
会期 | 2022年8月10日(水)~2022年11月7日(月) |
---|---|
会場 | 国立新美術館 Google Map |
展示室 | 企画展示室1E |
住所 | 東京都港区六本木7-22-2 |
時間 |
10:00~18:00
|
休館日 | 火曜日 |
観覧料 | 一般 1,700円 大学生 1,200円 高校生 800円
|
TEL | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
URL | https://leeufan.exhibit.jp/ |
4.0
最初に出会ったのは六本木のSTARS展。衝撃を受けて、どこかでまた見たいと思った。その後直島で李禹煥美術館に行き、静かで美しいアートに感動した。今回の展覧会も、足跡がたどれるように様々な作品があり、どっぷり浸れるものだった。
でも…!直島の李禹煥美術館が素晴らしすぎて、それに比べると…となってしまったので、今回の展覧会で興味を持った人は絶対に!直島へ足を運んでほしい。
5.0
楽しすぎてテンション上がりすぎて何書いていいのかわからなくなり、2週間位寝かせてみたが、やっぱり思い出すと良すぎた為にテンション上がってきてどれを何て書いてよいのやら・・・。
自分は全くのド素人なので、作ったご本人の意図したことではないのかもしれないけど、前半の多くの作品を体験型展示みたいな感覚で楽しんだ。例えば「関係項(於いてある場所)Ⅰ 改題 関係項」という作品は、でかい長方形のアルミ板を、三枚ずらして重ねてスキーのジャンプ台のように壁に立てかけてあり、そのアルミ板が地面に着地している底辺部分=地面にもう2枚アルミ板が置いてあり、その2枚の板は間を空けて並べるように置かれていた。離れたところから見るとただアルミ板が置いてあるだけ、とも言える。何で隙間があるのかな? 通ってもいいのかな?と思ってちびちびと歩いてみたら、立てかけてあるうちの2枚目のアルミだけがぴかーっと光っていた。これで火がついてしまい、そこからは、ただ木の柱が三本立てかけてあるところではポップコーン太郎・庄司よろしく(年がばれますね…)柱の左右に自分の影をぱっぱと映してみたり、でっかい音で石をじゃりじゃり鳴らしまくったりして、子供でもこんなにやらんだろう!という位にコテンパにできるだけやりまくった。半分見終わった段階でぐったり。
そんな中で前半の自分的な胆は「関係項ープラスチックボックス」でした。これだけ遊ばせといてここでばしっと哲学的にひっぱたかれる、みたいな(笑)。
後半の絵の方も、どうも基本でかいからか、余白が多いからか、絵の世界に呑まれるような感じで、こちらも体験した感覚が強く残りました。
これは絶対直島行かんといかん!と心に決めましたよ。
別物の話ではあるのですが、正直リヒター展の客を、半分位こっちにワープさせたい気分になったね。
できたら期間中にもう一回見に行きたいです。
あ、物販はもうちょっと何とかしてほしいです…。
現代アートは超苦手です。「もの派」も全く分かりません。でもこの展覧会は見ておきたいと、解説も無料だと聞いて、若干無理やり予定を押し込んで出かけました。
展覧会は、李氏の初期作から近年のインスタレーションまで、作風を網羅的に見…readmore
5.0
李禹煥氏と言えば、大きなキャンバスに太めのハケで線を描く人。その規則性、絵の具のかすれ具合や余白がなんとも言えない、という印象でしたが今回は立体作品もありました。
2014年のヴェルサイユ展示と同じシリーズの作品が屋外に一点。こちらは撮影可です。
ギャラリーでは、石、鉄板、木材、土と言った身近な素材を組み合わせた、静寂な空間を演出しています。作品に触れることはできませんが、その空間を歩いて味わうことはできます。
砂利や石板を踏む音、感触、木の匂いなど、聴覚、嗅覚、足から伝わる振動や触覚も使って楽しめます。
李氏の作り出す空間は、とてもシンプル。日々の喧騒から放たれ、リラックスできるそんな不思議な魅力があります。
音声ガイド(無料)は自分のスマホで聴けるので、イヤホンお忘れなく。
4.0
自身で展示構成をまとめているだけあって、どの部屋も完璧なバランスで仕上がっている。
特に前半立体作品「関係項」のシリーズは、実に緊張感もあり素晴らしい。
他で発表された作品も、今回用にキチッと作り上げられている。
作品の存在が観る側に響いてくるのを耳を澄ませ鑑賞する感じがした。
後半の絵画作品も、空白をより意識するように洗練されていく変遷が見て取れて実に嬉しい。
屋外の「アーチ」も堂々佇まいだったし、美術館入口近くの屋外作品〈エスカルゴ〉も、足を踏み入れることができるので是非奥まで行って観て欲しい。
8/31(水)11時入館。空いていた。屋外作品のみ撮影可。
3.0
1970年代の日本の現代美術シーンを席巻した「もの派」の中心作家、理論的支柱の李禹煥の回顧展。石やガラス、鉄板、木材、綿などを無垢(ムク)のまま使った今でいうインスタレーション作品や、点シリーズ、線シリーズに始まる平面作品がほぼ時代を追って展示されている。
あえて、注目すべきは、「もの派」前夜の1968年『トリックス・アンド・ヴィジョン展』当時、李が制作していたピンクの蛍光塗料をスプレーで吹き付けた三連画《風景I》《風景II》《風景III》と、メビウスの輪を描いた《第四の構成 A》《第四の構成 B》である。これらトリッキーな初期作品に李の原点はあると思う。
4.0
いわゆる「もの派」を代表する芸術家の一人。
岩、木、土、砂利、ガラス、金属、プラスチック。
自然物と人工物の掛け合いと絶妙なバランスにただただ感心するばかり。
屋外展示物は見事の一言。
作品は多くを語らず、その解釈は鑑賞者に委ねている様だ。
派手さも、華やかさもなく、人によっては退屈な空間になり得るかもしれない。
絵画作品も多数あり、いかにも李禹煥らしい穏やかな作品群である。
ものすごく印象に残る、という訳ではないが、その空間、その空気に溶け込んでいる様で
とても居心地が良い。
若い人には伝わるかなぁ、この味が!
雨模様とは言え日曜の昼間に訪れたが、館内は空いている、いや空きすぎだ。
こんなんで、採算はとれるのか、と余計な心配をするのであった。
同時開催のルートヴィヒ美術館は盛況でした。
4.0
李禹煥さんの作品の存在を知ったのはBTSのリーダー:キム・ナムジュン氏が愛する作家だったからです。一人のミュージシャンが夢中になって美術館に通う姿をinstaglamやYouTubeを通じて見ていたので、詩を書き、音を作る人がこの作品から何を感じ取ったのか、同じ作品を見て体験してみたかったのがきっかけです。
私は、今回この動画を見てから伺いました。
李禹煥(リ・ウファン)東京初の大規模回顧展 作家インタビュー▶︎https://youtu.be/aIwES4_NhzU
会場に踏み入れて感じる印象は自分が持っている既成概念と(霧の中にいるように感じる・滝のようだ・水道の蛇口が並んでいる・何か温かい空気が広がっている・etc)
それとは別のそのモノが持っている存在感について感じさせられました。
例えば、歩きながら自分の身長の目線で見るだけでなく、屈んで目線を下げて見たり、部屋の隅で数分間観察してみたり(自分だけでなく他の観覧に来ている方の動きや導線も部屋の印象を変わるので)コレは自分の普段の鑑賞スタイルには無い動作でした。
展示されてる作品も、壁に立てかけられると霧のように感じたモノが、床に敷かれると積雪の様に感じるのは自分の経験における感じ方なので、それは自分にしか感じられない作品からの印象です。私は一人で鑑賞しに行きましたが、複数人で行って感想を共有したらまた別の世界が広がるだろうと感じました。
美術鑑賞において、作家の人生や人物画・静物画など単純な作品情報で作品を解釈するのではなく、訪れた人の見方や捉え方で面白くも、つまらなくも観れる作品だなと感じられたのが新鮮でした。
李さんが動画の中でもお話ししていましたが、自分がその空間に入って何を感じるかも含め作品の一部というのを実感しました。人それぞれ違った印象を感じそこから何を感じ取れるかが面白い作品だなと
シンプルですが、照明も含めとても考えられた空間で、この世界観で時間を過ごすと色々な事に共鳴します。モノの見方は人それぞれを実感しますし、作家の作品へのこだわりや精神状態も垣間見れ興味深い時間を過ごせました。
4.0
李禹煥が自ら展示構成を考案したという回顧展。
1960年代の最初期の作品から最新作まで、網羅されている。
会場は細かくパーティションで区切られているけど、ざっと2つに分かれて、
前半がほぼ立体作品で、後半が平面作品(絵画)になっている。
入場するとあまり見たことのない鮮やかなカラーの平面作品が6点あって、
新作かしらと思ったら、1968年の作品とのこと。
このあとは、石とガラスや鉄板などを組み合わせた立体作品が奥に続く。
屋外に撮影OKのステンレス製巨大なアーチ状の野外彫刻があって、
そこでUターンして、平面作品のゾーンに入る。
立体作品では《関係項―棲処(B)》や《関係項—鏡の道》のように
サイトスペシフィックな作品を新美術館用に再構成した作品が印象深い。
例えば《関係項―棲処(B)》はフランスのラ・トゥーレット修道院で発表された作品。
床面を大量の石板で覆って、石板ががたつくように配置してある。
その上を音を立てながら歩き回る作品なんだけど、美術館でこれだけ堂々と音が出せるのは、
ちょっとうれしい。
平面作品では、最新のカラー作品がよかったな。
なぜか、屋内にある作品は写真撮影不可。そのわりにカタログには屋内展示の記録写真がなくて、
掲載されているのは、かつての展示風景という参考画像だけというのが不愉快です。
一方、中谷美紀による音声解説が、スマホさえあれば無料で聞ける、というのは少々お得な感じです。
ちなみに、冬に神戸の兵庫県立美術館に巡回するそうです。
作品リストを見ると、兵庫県立美術館でのみ公開する作品がある、
とのことで、ちょっと覗いてみたくもあります。
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