5.0
日本の印象派と呼ばれるのに納得!!
一見、西洋の作品なのではないかと思うくらい、海外の作風に異教を強く受けたのがわかる作品もあり、そのタッチや色彩の透明感がとても美しかったです。
日本のモチーフを描くようになると東洋ぽさも出てくるのですが、その移り変わっていく作風も楽しめました。
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日本では毎年数多くの美術展が開催され、多くの観客を集めています。大規模な西洋美術展はもとより、最近では、江戸期を中心とする日本美術や、現代アートの展覧会が大きな話題となることも少なくありません。
そうした中で、めっきり数が減っているのが日本近代洋画の展覧会です。東京ステーションギャラリーでは2012年の再開館以来、一貫して近代洋画の展覧会の開催を続けてきました。それは多くの優れた洋画家たちの業績が忘れられるのを恐れるからであり、優れた美術が、たとえいま流行りではなかったとしても、人の心を揺り動かすものであることを信じるからです。
南薫造(1883-1950)、明治末から昭和にかけて官展の中心作家として活躍した洋画家です。若き日にイギリスに留学して清新な水彩画に親しみ、帰国後は印象派の画家として評価される一方で、創作版画運動の先駆けとなるような木版画を制作するなど、油絵以外の分野でも新しい時代の美術を模索した作家ですが、これまで地元・広島以外では大規模な回顧展が開かれたことがなく、その仕事が広く知られているとは言えません。
本展は、文展・帝展・日展の出品作など、現存する南の代表作を網羅するとともに、イギリス留学時代に描かれた水彩画や、朋友の富本憲吉と切磋琢磨した木版画など、南薫造の全貌を伝える決定版の回顧展となります。
会期 | 2021年2月20日(土)~2021年4月11日(日) |
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会場 |
東京ステーションギャラリー
![]() |
住所 | 東京都千代田区丸の内1-9-1 |
時間 |
10:00~18:00
(最終入場時間 17:30)
|
休館日 |
月曜日 ※ただし4月5日は開館 |
観覧料 | 一般 1,200円 高校・大学生 1,000円
|
TEL | 03-3212-2485 |
URL | http://www.ejrcf.or.jp/gallery |
割引券 | http://www.ejrcf.or.jp/gallery/campaign.html |
5.0
一見、西洋の作品なのではないかと思うくらい、海外の作風に異教を強く受けたのがわかる作品もあり、そのタッチや色彩の透明感がとても美しかったです。
日本のモチーフを描くようになると東洋ぽさも出てくるのですが、その移り変わっていく作風も楽しめました。
5.0
緊急事態宣言解除前の訪問でした。日時指定で人数制限あり、ショップ等も混雑に関してはコントロールされております。オペレーションも良好です。
南薫造さんの作品はまとめて拝見したことがありませんでした。瀬戸内の風景、お子さんたちの日常、広島が持っている「うしろむき」、芸大の持っている「すまり星」。今の時代に、必要な、大事ななにかを与えてくれる作品たちでした。
松涛美術館で、3月7日までサロン展(無料)も開催されており、合わせて拝見しました。
いつも素晴らしい展示を試みているミュージアムだからこそ、今できる範囲でこれほどの展示ができたのだと思います。素晴らしかったです。
帝室技芸員(戦前の人間国宝の上位互換のようなもの)にもなった洋画家、南薫造。しかし今では知らない人のほうが多いだろうと思う。東京ステーションギャラリーは、こういう忘れられてしまった画家の展覧会を良く開催する。
しばらくは…readmore
この展覧会情報を知るまで、お名前を存じ上げずにおりましたが、これから日本の洋画家の作品を見ていくときに、知っておくべき重要な画家なのだろうと思います。
メインヴィジュアルに用いられている作風からは、一見、日本人の画家とは…readmore
4.0
モネに代表されるところの(明治末に日本に移入された)印象派を体現する画家の一人といううたい文句で宣伝されていた展覧会だが、そのような印象を強くもたらすものは、明治末の数年に限られていたように見えた(ギリギリ大正初頭まで)。それは、そのまま、絵のよしあしではないけれど、自身の絵の技術と印象派のインパクトが絶妙なバランスで成立していた数年間は、確かに素晴らしいと思った。大正中期以降は、印象派風のタッチは残りつつも、主題や色の「力」が全面に押し出されて、ずいぶん作風が変わった印象が強かった。その変化のポイントを探るような展示や案内がなかったのは残念に思った。
5.0
見終わったときの感想はタイトルの通りでしたね。
特に日本の風景画は普段から馴染みのあるので観ていて
しっくり入ってくる感じがします。
美大から始まり留学、帰国後、晩年といった流れで
水彩、油彩とちりばめられています。
2階のケース内の作品ですが旅日記が展示されています。
今でいう絵日記みたいなものですが完成度高すぎで驚きました。
なお、前期と後期(3/16~)と展示替えがあり後期も行きたくなりましたね。
4.0
水彩の風景にとても心惹かれました。
微妙な筆のタッチや色遣いの変化で草原や野原の凹凸が感じられ、穏やかな木漏れ日、夜の深々とした空気、柔らかで上品な画風に癒されました。
対照的なのが油彩の肖像画で、丁寧に精緻に描かれたモデルにこちらが見つめられている感じがするくらい迫力がありました。
晩年の作品は画風がかわってかなり色鮮やかで大胆なタッチの作品でしたが、ステーションギャラリーの赤レンガの壁に映えてました。
懺悔しますと、全く存じ上げない方でしたが(汗)、見に行って良かったです。
5.0
描く事が呼吸の様にあたりまえ、愉しく、柔らかく、真摯で巧み。風景を、人を、静物を、時に艶やか。時に明媚、そして優しく逞ましく。ヨーロッパの印象派の洗礼を受け、アジアを旅し、米国を吸収した南薫造。日本の風土、人を愛してやまない彼が洋画、水彩画の枠を超えて表現した全貌を是非!
4.0
南薫造、結構良かったです。
東近美でいくつか見たことはありますがここまでまとまって見ると壮観です。
地元広島を中心に各所から借り出し大規模個展に仕上がっています。
印象派ということで外光を取り入れた作品が多いですが
夜を描いた作品とか藍色などダークトーンの作品により惹かれました。
例によってポスト印象派化はしていきますが恐らく薫造さん元々品が良い方なんでしょうね。
生来の品性の良さがどうにも作品に滲み出てしまって終始穏やかです。
展示替えもあり出品も多く画業を展観出来る好内容です。
一般的には決して名の知れた画家ではありませんが明治生まれの洋画家を
定期的に取り上げてくれる東京SGには感謝したいです。
日本の印象派というキャッチフレーズにも苦慮の現れが。
そりゃあ集客が良いには越したことがないですよねぇ。
空いています。
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《春(フランス女性)》1908年頃、ひろしま美術館
《少女》1909年、東京国立近代美術館
《坐せる女》1908年、広島県立美術館
《瀬戸内海》広島県
《すまり星》1921年、東京藝術大学
《六月の日》1912年、東京国立近代美術館
《ロンドンの裏庭》1907年、広島県立美術館
《うしろむき》1909年、広島県立美術館
《魚見(自刻)》1911年頃、個人蔵