没後70年 南薫造
東京ステーションギャラリー|東京都
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世界旅行の気分を味わえる展覧会
この展覧会情報を知るまで、お名前を存じ上げずにおりましたが、これから日本の洋画家の作品を見ていくときに、知っておくべき重要な画家なのだろうと思います。
メインヴィジュアルに用いられている作風からは、一見、日本人の画家とは思えず、ヨーロッパの画家かと思わせるような、みずみずしい色彩やタッチが感じられます。
展覧会を訪れてみると、油絵、水彩画、木版画などの様々な技法で、時代ごとに画風も変化していき、その中には、まるでフォービズムのような、濃い色彩と強いタッチの時代もあり、表現の多彩さも見どころではないでしょうか。
また、描かれている場所が、フランスやイギリスのほか、韓国、台湾、スリランカ、インドなど、画家自らが各地を訪れて、その町の風景や人々を誠実に、そして慈愛のあるまなざしで見つめてキャンバスに収めたことが感じられます。これらの作品を見ていると、まるで自分も各地を旅しているかのようで、自由に海外に出かけられない今の時代には、旅気分を味わえることが嬉しい展覧会でした。
とくに、空の色、木々の色、洋服の色、雲の色、土の色などが、ピンク色が多く用いられていて、その独特な色彩センスが作品をモダンにも、みずみずしくも感じさせて、見ていて気持ちの良い作品が多かったです。
また、少女2人が登場する作品が多いのですが、なんとも秀逸で、絵の前に立ち尽くしてしまいましたが、後半でわかったのですが、2人のお嬢様がいらしたそうです。
最後のほうの展示室にある、「ピアノ」の作品がたまらなく良かったです。
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