4.0
闇を描く
意外なことに光ではなく闇を描くために月や蝋燭を題材としている。この点が興味深く感じた。さらに鑑賞者を見据えているような肖像画の人物の目が印象的である。会場の松濤美術館は盛況で、混雑していた。なぜこれだけ人を惹きつけるのか、鑑賞しながら考え探っていくようだ。心に染み入るような作風で、本質的な問いかけを続けた過程でできた作品ではないかと感じた。… Read More
美術館・展覧会情報サイト アートアジェンダ - 日本全国325の美術館・博物館と665の開催中&開催予定の展覧会をご紹介中!
髙島野十郎(1890-1975)は福岡県出身の洋画家。東京帝国大学(現・東京大学)農学部水産学科を首席で卒業しながらも画家の道を選びました。絵は独学で学び、美術団体に属さず、流行や時代に迎合することなく自らの理想と信念にひたすら忠実であろうとした野十郎は「孤高の画家」とも称されます。晩年に千葉県柏市へ移る前の約50年、渋谷や青山に住みアトリエを構えた、渋谷区にゆかりの深い人物でもあります。
本展は代表作や初公開作品を含めた約150点を展覧します。関係者による書簡やメモなどから彼の人間像にも改めて迫る過去最大規模の回顧展です。
| 会期 |
2026年7月4日(土)~2026年9月6日(日)
|
|---|---|
| 会場 |
渋谷区立松濤美術館
|
| 住所 | 東京都渋谷区松濤2-14-14 |
| 時間 |
|
| 休館日 |
月曜日、7月21日(火)、8月12日(水) ※7月20日は開館 |
| 観覧料 | 一般 1,000円(800円) 大学生 800円(640円) 高校生・60歳以上 500円(400円) 小中学生 100円(80円)
|
| TEL | 03-3465-9421 |
| URL | https://shoto-museum.jp/exhibitions/212takashima/ |
4.0
意外なことに光ではなく闇を描くために月や蝋燭を題材としている。この点が興味深く感じた。さらに鑑賞者を見据えているような肖像画の人物の目が印象的である。会場の松濤美術館は盛況で、混雑していた。なぜこれだけ人を惹きつけるのか、鑑賞しながら考え探っていくようだ。心に染み入るような作風で、本質的な問いかけを続けた過程でできた作品ではないかと感じた。… Read More
5.0
会期末に近かったこともあり、平日でも混雑してました。 (ロッカーも満室気味) 展示数が多く、第1会場はパーティションで細かく仕切られ、順路に気をつけながら鑑賞。 初期から晩年まで、画風の変化も興味深い。 お兄さんの髙嶋宇朗と青木繁、川崎浹早稲田大学名誉教授の逸話にびっくり。 個人的には、ろうそくシリーズよりも、風景画や静物画が好み。 東大在学中の魚達のスケッチの巧みなこと! 第2会場のブルーミング中西(株)所蔵の桜や菜の花の可憐な雰囲気の花たちと、「カンナとコスモス」のような妖艶な花のギャップが不思議。 描くことに真摯に向き合い、自分の絵を探究・探究した画業を満喫しました。 第2会場の奥の部屋のみ写真撮影可。 家に帰ってフライヤーを出して来たら(会場では、品切れ)、「からすうり」が載っておらず、大ショック(笑) ポストカードを買ってくればよかった・・・… Read More
4.0
「没後50年 髙島野十郎展」これは以前千葉県立で見たものの巡回展らしいです。あれから一年が過ぎ、今は松濤に来ているというので‥、あの時は千葉のあと福岡県立美術館・豊田市美術館・大阪中之島美術館・宇都宮美術館と巡回する、とのことでしたが、どうやら大阪と宇都宮の間に渋谷が入ったみたいです。松濤さんは区立のちょっとこじんまりした美術館ながら、いつもなかなか結構私好みの企画展をやってくれていて、白井晟一氏設計の建築も含め、大好きな美術館です。都内ですし、ぐるっとパスもあったので、もう一度見てみたいと、行ってみることにしました。県立ではギャラリー感覚の古い展示室で、あまり鑑賞環境はよくないものの、とにかく広~いスペースでゆったり、見ることは出来ました。膨大な数(作品リストでは171点、千葉会場では展示されない7点を除いても164点というボリューム)に驚かされました。あれが、こじんまりとした松濤さんではどのようになるのだろうと思いつつも、大きな作品はほとんどない野十郎氏、2階展示室の落ち着いた雰囲気は、野十郎氏の作品には合っているかも…、などと思いながら出かけました。夏休みも終わり、会期終了も近い平日の午後、最… Read More
5.0
写実絵画人気のトレンドにものり、今、大人気の高島野十朗は各地で回顧展、開催されてますが、本展は入館料一般 1000円、アクセスも含め各地で開催された回顧展の中でもコスパ抜群です。代表作はすべて網羅、初公開作品も含め150点の展示は素晴らしかった!超写実の素晴らしさは勿論、高い精神性を備え、四季の移ろいが感じられる情趣溢れる日本画的洋画は魅力的でした。… Read More
4.0
久しぶりに人垣の隙間から絵を観る展覧会でした。 最初のロウソクの小さな絵を見たときに、フッと顔の表面が温かくなるような感覚を覚え・・リアルに炎が揺れて火が灯っているのだと脳がバグったのかもしれません。 それをきっかけに、月の絵は静寂な夜の匂い、田舎の廃屋、道のある景色から、まるでそこにいるかのような匂いを一瞬感じるようになりました。 これまで感動的な素敵な絵には幾度も出会ってきましたが、匂いを感じる経験は初めてでした。 今更ですが、遠いけれど、会場の広い大阪か千葉の時に行けばよかったなぁと思いました。… Read More
3.0
全体を通じて「整然と上手」という印象でした。静物、人物、風景、いずれも教科書のお手本のような構図で筆遣いも含めて「正統派」という感じです。 小品の「蝋燭」シリーズはお世話になった方へのお礼として制作した作品とのことで、その点数の多さからも義理堅い、いわゆる「ちゃんとした人」なんだろうなぁと思いました(芸術家には破綻した人が多いので)。 一方で「蝋燭」や「月」のように心象的な作品も印象的で、作家の多面性を感じます。 「月」シリーズに関しては、「闇を描くために月を描いた」とのことで、作品の見方が変わりました。 展示作品数が多くて見ごたえがある絵画展ですが、松濤美術館では少し狭かったようにも思います。上下に並べて展示したり、次の作品との間隔が狭かったりと、ちょっと窮屈な印象も受けました。… Read More
4.0
孤高と言われていますが、裕福な実家に物心両方を支えてもらった恵まれた人だったと思う。本人もそれにこたえて家族の世話をしていたとか。 後期も終わりに近づいて、やっと観ることができて良かったです。 作品数に対して会場が手狭だったかなぁと言う印象。 からすうりとサクランボの赤が鮮やかを見た後の、豪徳寺の桜や雪に埋もれた農村、1本道の先に景色が広がる淡い風景画など、作風の違いは、他の画家から影響を受けているのを感じます。有名な蝋燭、月は勿論ですが、個人的には「積る」という深々と雪が積もる冬景色が1番心に残っています。… Read More
4.0
7月も終わりに,妻と身重の娘と松濤美術館を訪れた.この年は8月のお盆頃が寒くなったがちょうど暑い最中のことであった.全く名前も知らなかった画家,高島野十郎であったが,たまたまポスターを見て面白いと思い,身重の娘と妻と工事中のBunkamuraを横に見つつ坂を上がり入り口で入場券購入の上,入場. 2時間ほどゆっくり時間をかけたが,とても面白かった. 全部が全部自分は好きだったかというと,実はそうでもない.ゴッホの影響を受けたという作品とか,近景に花を配した作品とかは,ちょっと色彩,特に赤,のどぎつさとか作為を感じてしまい,ちょっと正直なところ私は引き気味であった.でも,そういったどぎつさがない風景画はとても好ましい. 『蝋燭』はちょっと数が多く,いささか食傷気味に感じてしまったが,月シリーズは,特に遠景があるものがよかったように思う.深緑がかった空の彩りはとても味わいがある.睡蓮を描いた作品,自画像,遠景のない静物画が殊更に素晴らしい.私は輪郭線がある絵が好きであるが,静物画の多くはそういったところが影響しているのかも知れない. 画家本人が愛蔵していたという『春の海』が特によかった.いかにも穏やかで… Read More
4.0
自画像とロウソクが話題として先行していたので、風景や植物をあんなに描いていたのは意外でした。 木立の作品を見ていると、上手いとか好きとかの感想を持つ前に、気持ちが鎮まってくる感じ。 前期だけでいいかと思っていたんですが、鎮静効果を味わいたくて、後期も行ってきました。 見ていて楽しかったのは、ときどき「なんで?」という部分が出てくるところ。 『さくらんぼ』はテーブルに直置きせずに、皿に全部載せましょうよ。 『割れた皿』は描かれたパーツでは、皿を再構築するのに足りないような…。 全体的にクレパス画のような柔らかいタッチがいいですね。 ただ、太陽だけはちょっと…。中心に芯を描き込んだせいで、パイン飴のように見える(笑) 公式Xで混雑時の注意を発信していましたが、前期は平日の昼すぎ、後期は土曜の夕方に行って、入館待ちもなく入れました。… Read More
3.0
千葉でやっているときに、蝋燭とか自画像が紹介されていて、なんだか「あーありがちな…」と思っていたんだけど、松濤に来たので500円(60才以上値段)で観られるならいいか〜と行ってみた。 かなり面白かった。蝋燭や自画像よりも、静物画や風景のリアリズムが面白い方向に傾いていて良い着地点だった。 特に後期の静物画は精緻なんだけど、日本の油絵特有の泥臭さがなく、しかもファンシーにならない良い感じだった。 まぁ海外とか街とか肖像画はいただけなかったけどねw。 ただ苦言を呈するなら、とにかく第1会場は詰め込みすぎ。 区の文化祭みたいなパーティションだらけの見難さ。岸田劉生とか同時代の同郷の作品とかいらなかったな。 余談:強烈な暑さの平日だったのですいているかと思っていたのだけど、午前中からお年寄りでいっぱい、しまった午後にすれば良かった…。(最近HPで注意喚起されていた) 7月14日(火)10時半入館。けっこう混雑。第2会場ひとコーナーのみ撮影可。… Read More
4.0
髙島野十郎は、とても器用な画家だと思います。 スーパーリアリズムのような静物画、超細密の点描で作りあげた風景画、時折登場するシュルレアリスム的情景表現、「蝋燭」に代表される速筆の小品、そぎ落とした日本画のような画面の「月」、等々。これらがいずれも野十郎流に落とし込まれていて、観る側にとっては、心の居場所を見つけるような穏やかな気持ちになります。一方で、一人の作家として、表現に対する込み上げる葛藤やエネルギーの表出といった要素は感じません。絵画への探究心や技量に鑑みると、少し残念に思う部分もあります。 没後50年の大掛かりな全国巡回の終盤です。 1年前に千葉県美で見て、今回はその復習でした。他館で見て松涛美術館で再見する人の多くは、千葉県美や大阪中之島などと較べて圧倒的に展示場面積が小さい松涛で、どのように展示されるのか、大いに興味を持つことでしょう。私もそのひとり。 危惧していたのは、他館ではなかった大幅な前後期入替ですが、これは、入替はあるものの総数約170点の1割程度にとどまってました。 では次に、白井晟一建築の個性的な、ホワイトキューブとは程遠い当館で、150もの作品をどうやって並べるの。こ… Read More
3.0
夏休み前の土日祝 区民無料の金曜日を外した平日にもかかわらず 11時少し前に到着したら 何度か訪れた松涛美術館で 初めて入館待ちの列が出来ていました (15名位でしたが) この巡回展は一年前 千葉県美から始まって メディアにも取り上げられ 口コミも良かったらしく(私も★5付けました) 大勢の方が関心を持ったのでしょうね それはとても良い事だとは思います 混雑の中で あの作品この作品 懐かしく鑑賞しました ちょっと遠かったけれども 展示スペースは広かったし 空いていたし シニアは無料だったし 千葉県美に行っておいて良かったなと思いました… Read More
3.0
千葉県美で高島野十郎展を見たときに松濤美術館での開催を危惧していたので 展示内容というより松濤ではどんな感じだったのかをレポート。 開催初日の土曜日に訪問。 お、グッズ売り場に行列が出来ている、ロッカーも空きがない。 地下から展示は始まる。 作品間隔はギュッと詰めて、上下に配置して、キャプションも作品下に配置して ギッシリミッチリ展示している! 何かの絵画コンクールとかギャラリーの即売会みたいだ! 仕切りが三角コーナーみたいなところもあって見にくい箇所あり。 そして開催初日かもしれないけど多くの観客で賑わっています。 えー野十郎ってこんなに人気があったのだなぁ。 2階サロンは個人邸宅のプライベートコレクションを覗かせてもらっている感じ。 奥の小部屋がすべて写真撮影可能でした。 蝋燭とか3×3で9点展示している箇所もあり。こちらもギッシリ。 まぁ松濤美術館ではなかなか無いような混み具合でした。 終盤にかけては益々の混雑になるような予感がします。 平日とか遅めの時間とか、お早めの訪問が良さそうです。… Read More
あなたも感想・評価を投稿してみませんか?
感想・評価を投稿する
より詳しい鑑賞レポート 《600文字以上》のご投稿は、
こちらから。ページ枠でご紹介となります。
鑑賞レポート《600文字以上》を投稿する
周辺で開催中の展覧会も探してみて下さい。
東京都渋谷区で開催中の展覧会
髙島野十郎《からすうり》昭和10(1935)年 油彩・画布 福岡県立美術館蔵
髙島野十郎《絡子をかけたる自画像》大正9(1920)年 油彩・画布 福岡県立美術館蔵
髙島野十郎《蝋燭》大正時代(1912-26) 油彩・板 福岡県立美術館蔵
髙島野十郎《ノートルダムとモンターニュ通Ⅱ》昭和7(1932)年頃 油彩・画布 福岡県立美術館蔵
髙島野十郎《牡丹》昭和23(1948)年以降 油彩・画布 福岡県立美術館蔵
髙島野十郎《割れた皿》昭和23(1948)年以降 油彩・板 福岡県立美術館蔵
髙島野十郎《夏雲》昭和23-34(1948-59)年 油彩・画布 個人蔵
髙島野十郎《すいれんの池》昭和24(1949)年 油彩・画布 福岡県立美術館蔵
髙島野十郎《桃とすもも》昭和36(1961)年 油彩・画布 個人蔵