5.0
理解が深まった気がします
板橋区立美術館での開催は、第3回目となるレオ・レオーニ展。
私自身は、SOMPO美術館でのレオーニ展、板橋2回目の『誰も知らないレオ・レオニ』からつづき、3度目のレオーニ展鑑賞。
裕福な家庭に生まれ、文化的資本に恵まれた環境で育ったレオ-ニ。
くらしのごく身近なところに芸術作品があるような環境で幼少期を送り、少年~青年期においてより多くの国で言語・文化を吸収する機会を得たことは、その後の彼の暮らしや価値観の根幹となる部分を形成したと知った。
幼少期のエピソードが、のちの作品の主題(黒いテーブルシリーズ)となっているなどの点も面白い。
黒いイーゼル?と思ったらテーブルだった。かたちが素敵。テーブルの上に配置された彼のあゆみを象徴する品々を描いた連作、とても興味深く眺めた。
洗練された広告デザイン、世界中で愛される絵本作品の数々・・・華々しい功績ばかり印象に残っていたけど、彼の残した社会風刺的作品をはじめて知り、戦争を経験したヨーロッパで生を受けたユダヤ人、というアイデンティティを感じた
恵まれた環境ながら、当時のユダヤ人に対する世界的圧力の影響は、少なからず彼にも及んでいた表れだと思い、パブリックイメージとは異なる別の一面を見ることができて理解が深まったように思う。
本展のタイトルにもある「仲間たち」。
Frendsではなくcircle of friends というのがいいな。
レオ-ニの作品だけでなく、親交のあったアーティストたちの作品もあわせて鑑賞することができ、当時の空気感を感じることができとてもよかった。
楽しみにしていた平行植物は、メインスペースでの展示。
油彩と造形の絶妙なレイアウトにより、不思議な世界観に引き込まれた。造形は、見るたびに心惹かれる部分が変わるのです。今回は平べったいのから目が離せなかった。
沢山のラフスケッチを眺めていると、実在する場所の実在の植物群なのではないかと思えてくる不思議。SF世界。
油彩も素敵だった。個人的には、絵本作品よりも油絵のほうが好み。
レオ―二が絵本制作の世界に足を踏みいれた初期の頃の作品・・・手法をかえてさまざまな表現方法にチャレンジしている姿勢が感じられて好きなので、原画を見れてうれしかった。
『はまべには いしが いっぱい』の石たち、いつまでも眺めていられる…。
『せかいいち おおきな おうち』の原画も素敵でした。発… Read More