生誕120年
安井仲治 僕の大切な写真

東京ステーションギャラリー

  • 開催期間:2024年2月23日(金・祝)~2024年4月14日(日)
  • クリップ数:44 件
  • 感想・評価:6 件
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《(馬と少女)》1940年、個人蔵(兵庫県立美術館寄託)
《(凝視)》1931年(モダンプリント制作:2023年)
《蛾(二)》1934年、個人蔵(兵庫県立美術館寄託)
《流氓ユダヤ 窓》1941年、個人蔵(兵庫県立美術館寄託)
《(構成 牛骨)》1938年頃、個人蔵(兵庫県立美術館寄託)
《(虫)》1938年頃、個人蔵(兵庫県立美術館寄託)
《(サーカスの女)》1940年、個人蔵(兵庫県立美術館寄託)
《作品》1939年(モダンプリント制作:2023年)
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この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION

近代写真の金字塔。「安井仲治」を知らずに日本の写真は語れない!
日本写真史において傑出した存在として知られる安井仲治(やすいなかじ/1903-1942)の20年ぶりとなる回顧展を開催します。大正・昭和戦前期の日本の写真は、アマチュア写真家たちの旺盛な探求によって豊かな芸術表現として成熟していきました。この時期を牽引した写真家の代表格が安井仲治です。安井は38歳で病没するまでの約20年という短い写歴のあいだに、驚くほど多彩な仕事を発表しました。その作品は同時代の写真家をはじめ、土門拳や森山大道など後世に活躍した写真家たちからも掛け値なしの称賛を得ています。

写真はこんなにも自由なんだ!
多彩なバリエーションとインサイトが光る、安井の代表作が集結

安井はさまざまな被写体にカメラを向け、多岐にわたる技術や表現様式に果敢に取り組みました。しかし、それらの写真は世界に対する透徹した態度と感受性に貫かれています。なんでもない景色のなかに“世界の秘密”を発見した驚きと興奮。小さく、醜く、一顧だにされないものにさえ注がれる慈しみのまなざし。安井が「見たもの」に思いを馳せ「見せたもの」に浸るとき、私たちの内にはさまざまな思考と感情が去来することでしょう。安井の写真には100年の時を超えてなお私たちを惹きつける魅力があるのです。本展は200点以上の出展作品を通じて安井仲治の全貌を回顧するものです。戦災を免れたヴィンテージプリント約140点、ネガやコンタクトプリントの調査に基づいて制作されたモダンプリント約60点のほか、さまざまな資料を展示。安井の活動を実証的に跡付け、写真の可能性を切りひらいた偉大な作家の仕事を現代によみがえらせます。

開催概要EVENT DETAILS

会期 2024年2月23日(金・祝)~2024年4月14日(日)
会場 東京ステーションギャラリー Google Map
住所 東京都千代田区丸の内1-9-1
時間 10:00~18:00 (最終入場時間 17:30)
  • ※金曜日は、20:00まで(最終入場時間 19:30)
休館日 月曜日 
※ただし4月8日は開館
観覧料 一般 1,300円(1,100円)
高校・大学生 1,100円(900円)
中学生以下 無料
  • ※( )内は前売料金[1/15~2/22オンラインチケットで販売]
    ※障がい者手帳等持参の方は100円引き(介添者1名は無料)
TEL03-3212-2485
URLhttp://www.ejrcf.or.jp/gallery
割引券http://www.ejrcf.or.jp/gallery/campaign.html

東京ステーションギャラリーの情報はこちらMUSEUM INFORMATION

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巡回展TRAVELING EXHIBITION

生誕120年 安井仲治 僕の大切な写真 巡回情報
※巡回先は、全情報が載っていない場合もございます。最新の巡回先一覧は、展覧会公式サイトなどでご確認いただけますよう、お願いいたします。
また、会期が変更など開催情報に変更が生じる場合がありますので、お出かけの際には、公式サイトにて最新情報をご確認ください。

感想・評価 | 鑑賞レポートREVIEWS

4.0

100年前の巨匠アマ写真家の軌跡、圧巻

見応えあり。
100年前のアマチュア写真家(これは職業写真家が写真屋さんだった時代、アマの世界で写真芸術が育っていったということ)が38歳の若さで没するまでの約20年間の足跡が、時系列に5つの章で展示されている。
まずは20歳前後の第一章の作品群。これは絵画だ。ブロムオイル印画によるピクトリアリズムの芸術写真という括りなのだろうが、私は良く知らない。故に、実に新鮮だ。ソフトフォーカス、映像に動きはなく静謐の世界。大阪駅のシーンではエドワード・ホッパー、停留船舶のシーンはターナーを連想する。近くに寄って目を凝らすと、印画紙の表面は格子状のテキスチャーがあり立派なものだ。
その後、20歳台後半からはシュールレアリズムに傾倒してゆくのだが、その初期、謂わば試行期には、被写体オブジェクトに何かモノ(花、ネギ、等々)を置いてみたり。撮る対象の中に完成度高い造形美や含意を作り出す手法なのか、作品自体も堂々とした構図で立派だ。但し、好きかというと微妙ではある。
一方で、少年、横たわる裸婦後姿、労働者、云々の肌・身体の美しさを暗めに粒子粗くストレートに捉えた作品群は圧倒的だ。
メイデーの作品群は、エネルギー、躍動感に溢れる。作品の傍らに、スナップのごく小さな一角からトリミング、反転、超拡大、のプロセスが展示されており、工程がよく理解出来る。また、ネガのダイレクトプリントからわかるのは、この頃の作品制作に当たって、同じシーンを撮るカット数の少ないこと。
更には、多重露光、モンタージュの追及や静物写真とスタイルは変遷する。30歳台後半の晩年に至ると、人、周囲の情景をストレートに、丁寧に、切り取る作風となるが、これらは豊かで力強く、実に素晴らしい。そして、、、そこで終わるのであった。年代順の展示も従って、ここであっけなく出口に至る。残念なのだ。
作品に映り込む情景は100年前のものだが、写真家の目線に古さや時代感は全く感じない。実に新鮮だ。そして、およそ20年間の短い実働の間、未だ写真の表現手法が蓄積していない時代に、一人の写真家のキャリアの中でスタイル変遷を遂げたことに感嘆した。
途中に展示されていたライカfIII、ローライF3.5ズミクロンのかっこよさとともに、記憶にとどめたい。

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にゃんちゅうさん、karachanさん

5.0

見方の勉強

写真を通じて見方を教えてくれているように感じた
自分の感じた心象を伝えようとする写真というより、このように切り取るとこういう視え方がある、ということを勉強したように感じた
作品点数が多く見応えがあるだけでなく、資料が興味深いため読んでいると、1時間ではとても足りなかった
特に初期の写真は脂汗のようなものを感じる力作で圧倒された

THANKS!をクリックしたユーザー
アバウトさん

4.0

今でも古さを感じさせない斬新さ

安井仲治の回顧展を観るのは初めて。本格的な回顧展は、20年ぶりの開催とのことなので、貴重な機会でした。
観ての感想としては、今でも古さを感じさせない斬新な作品が多く、日本写真史のパイオニア的な存在だったことが分かりました。
題材、構成、技術ともに写真を芸術に高めるべく新しいものにチャレンジしたことが伝わってきました。
写真というよりは絵画のようであり、写実というよりも象徴主義的で内面にある本質をあぶり出そうとしているような作品です。

日曜に行ったこともあり、会場内は結構混雑していました。根強い人気を感じました。

THANKS!をクリックしたユーザー
morinousagisanさん、Sukekiyo-Acckermanさん

4.0

時代の息吹を感じる、しかし静謐な写真

写真家・安井仲治の仕事が年代順に展示されている。安井は、写真の可能性を探り、様々な技法にも取り組んだというが、写真を独自の表現方法として、イメージを追究したことがよくわかる。
安井は戦前に38歳で亡くなっており、すべて昭和初期という時代の写真である。今は失われてしまった(?)人の表情や街角の風景。ブロムオイル、半静物、シュルレアリスムなど様々な技法。時代の息吹と安井の創作意欲が強く感じられる。
しかし一方で、≪猿廻しの図≫の猿回しを見る子供たちや大人、≪流氓ユダヤ≫のユダヤ人の目、そしてそれらを見つめる安井の目。いずれも静謐である。
展示を見終わったあと、しばらく言葉が出ない。

THANKS!をクリックしたユーザー
eiroh613さん、morinousagisanさん、アバウトさん

4.0

地味だけどいろいろ小さな発見がある

この一枚!という作品があると言うよりは、全体としてなんとなく楽しめた。

100年前の生活や風俗が興味深い。当時の人の表情や骨格、今の日本人とは違うように見える。犬の顔さえ違う。犬はインスタ映えではなく、侘しい存在として映される。

「農夫喫煙」、縁側に座る農夫が口を床に近づけて煙草を吸う、かたつむりのような体勢、筋肉隆々!

「村径の図」、奥に進むと何があるのだろうと思わせる構図が素敵。

「斧と鎌」、シンプルだが、夏の影と一緒になって、BKというアルファベットにも見える面白い造形。

タコの水かき?とか、ネギの花とか、初めて見た!

牛丼・肉うどんのお店、メニューはおいしそうだけど、おばちゃんが愛想悪そう…

出征する夫を見送る女性の「惜別」、表情をぼかさずにちゃんと写してほしかった…でもこうして移ろいゆくものとして、かき消されてしまうような存在、とも読み取れる。

サーカスの人って、お客を楽しませる存在なのに(だからこそ)、舞台裏では悲しそうな表情。「馬と少女」は、馬も少女も虚ろ。でもちょっと神秘的でもある。アンジェイ・ワイダの映画に、唐突に出てくる白馬みたい。

神戸に流れ着いたユダヤ人の「窓」、片隅にちょこんと写る男性は、やっと落ち着いて安心しつつ、この社会でこれからどうすればいいのかという不安も滲み出ているようにも見え、ウクライナ情勢などを思い出さざるを得ない。

THANKS!をクリックしたユーザー
karachanさん

4.0

僕の好きな安井仲治

安井仲治、とても良かったです!
楽しみにしていた展示ですが期待通りの充実した内容でした。
大辻清司、奈良原一高、森山大道、須田一政など好きな写真家を彷彿とさせる瞬間が結構あって
やはり安井が様々な表現や可能性に挑み追求し続けたからなんだろうなと実感しました。
貴重なヴィンテージプリントが多いのも嬉しいです。
安井は駄作が少なくずーっとピークを保っているような印象で個人的には静物、半静物が好み。
《斧と鎌》はいつ見てもカッコイイし、諦観したかのような熊谷守一もイイなぁ。
やっぱり面白がってやっている人には敵わないんだなと改めて。
今秋月曜社から安井仲治ネガプリント作品集が発行されるようで楽しみ。

THANKS!をクリックしたユーザー
karachanさん、morinousagisanさん、uchikoさん

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出展作品・関連画像IMAGES

《(馬と少女)》1940年、個人蔵(兵庫県立美術館寄託)

《(凝視)》1931年(モダンプリント制作:2023年)

《蛾(二)》1934年、個人蔵(兵庫県立美術館寄託)

《流氓ユダヤ 窓》1941年、個人蔵(兵庫県立美術館寄託)

《(構成 牛骨)》1938年頃、個人蔵(兵庫県立美術館寄託)

《(虫)》1938年頃、個人蔵(兵庫県立美術館寄託)

《(サーカスの女)》1940年、個人蔵(兵庫県立美術館寄託)

《作品》1939年(モダンプリント制作:2023年)

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