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誰のための、何のための展示なのか…「壁と同化した作品のキャプション」を巡って
展覧会の内容以前に、「殆んどの作品のキャプションが全く見えない!」という視力弱者を無視した「前代未聞の傲慢な展示」のように感じた。
最も見えなかった3階展示室の状況を説明すると、作品はコンクリート打ちっぱなしの壁面に、ガラス張りの展示ケース内に展示。キャプションは、展示ケースの高い位置に「透明な背景のシール貼り(文字の色は黒)」。
つまり、175cm程の高さに貼られ、壁と同化したキャプションの小さな文字は、読み取ることが極めて困難であった。
展覧会を担当した松濤美術館の学芸員いわく、「キャプションが作品の邪魔になるため、文字を極限まで小さくし、目立たないように配慮した結果」と。
ほぼ全ての作品に対して、名称や作者名を知ることができず、モヤモヤした気持ちで美術館を後にしたが、せめて「入場料分の知識」は得たいものだ。