5.0
貴重な絵巻物が目白押し
会期最終日に訪問。
まだらながら、紅葉が見事でした。
絵巻物はどれも状態が良くて感動。
くずし字が読めない人のために、パネルが出ているのはなにげに親切だと思いました。
蒙古襲来絵詞は、、、原本もあればなぁ!
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「長谷雄草紙(はせおぞうし)」(鎌倉~南北朝時代、13~14世紀)は平安時代の漢学者・紀長谷雄(きのはせお)にまつわる怪異な説話を題材にした絵巻です。江戸時代に徳川将軍家の宝物として秘蔵されていた一巻で、幕末維新期の混乱により長らく所在不明でしたが、昭和に入り、永青文庫の設立者・細川護立(もりたつ 1883~1970)の所蔵となりました。
この絵巻に描かれているのは、長谷雄と朱雀門の鬼との双六争い。見事勝利した長谷雄は美女を得ますが、鬼との約束を破って100日を待たずに美女に触れると、たちまち水となって流れ消えてしまうというストーリーです。双六の賽(さい)を振る音が線で表されるなど、今日のアニメや漫画に通じる表現も見受けられます。物語はわずか5段と短く、内容も明快で、室町時代以降の短編小説「お伽草子(おとぎぞうし)」の源流を示す貴重な作例とされています。
他にも永青文庫には、かつて熊本藩士の大矢野家に伝来した国宝「蒙古襲来絵詞(もうこしゅうらいえことば)」(宮内庁三の丸尚蔵館蔵)の模本など様々な絵巻が伝わっています。本展では、これまであまり公開の機会がなかった絵巻コレクションを通して、横長の画面に繰り広げられる物語の世界をたっぷりと紹介します。
会期 | 2023年10月7日(土)~2023年12月3日(日) |
---|---|
会場 |
永青文庫
![]() |
住所 | 東京都文京区目白台1-1-1 |
時間 |
10:00~16:30
(最終入場時間 16:00)
|
休館日 |
月曜日、10月10日 ※ただし10月9日は開館 |
観覧料 | 一般 1,000円 シニア(70歳以上) 800円 大学・高校生 500円
|
TEL | 03-3941-0850 |
URL | https://www.eiseibunko.com/ |
5.0
会期最終日に訪問。
まだらながら、紅葉が見事でした。
絵巻物はどれも状態が良くて感動。
くずし字が読めない人のために、パネルが出ているのはなにげに親切だと思いました。
蒙古襲来絵詞は、、、原本もあればなぁ!
5.0
絵巻、好きです。とても楽しい企画でした。
「長谷雄草紙」が全巻、詞書も含めてまるっと拝見できる贅沢さ!
双六に負けそうな鬼が赤くなったり、長谷雄が双六の賽を振った音が漫画的に表現されたり、美女が溶けて水が流れたりと、ストーリーも絵もわかりやすく、おもしろい絵巻でした。
「蒙古襲来絵詞」の摸本は、彩色と白描本の両方が並び、精密に模写された様子が伺えました。
後三年合戦絵巻の模本に、信貴山縁起絵巻の摸本などなど、バラエティに富んでます。解説文は見どころがわかりやすく説明されてました。
そして豪華な奈良絵本の数々!
金箔が惜しげなく使われて色鮮やか、状態もよく、こんなきれいな奈良絵本は初めてみたかも。さすが細川家伝来の品です。
胸突坂を頑張って上がった甲斐がありました(笑)
5.0
美術館が年間スケジュールを発表する都度、「絶対に見に行くもの」を決めているんですが、本展もその一つでずっと楽しみにしていました。
学者なのに鬼と付き合ってしまう長谷雄、怪しい女に骨抜きにされる長谷雄、最後は神頼みで何とか逃げ切る長谷雄。スキャンダル続きのどうしようもない話なのに、13世紀からずっと大切に保管されてる(笑)
今回の展示では絵巻の文字の部分が現代の文字で表示されていたので、絵巻を直に読めているような錯覚をして、古典なのにすごく身近に感じられました。
次に展示されていた蒙古襲来絵詞(模本)は白描本とセット展示なのがいいですね。模本の綺麗さもいいんですが、白描本のほうが表情が生き生きしていたり、細かな色の指定が楽しいんですよね。白描本についてもっと知りたいと思って図書館に行ったら、まさかの「しぐさ・表情 蒙古襲来絵詞復原 永青文庫白描本・彩色本から」というドンピシャな本を見つけたので、いま借りて読んでいます。
十二類絵巻では十二支とそれぞれが着ている着物の柄の説明があったり、信貴山縁起絵巻(模本)は東博のやまと絵展との違いが楽しめるし、本当に楽しくて素晴らしい展示でした。もう1回くらい、行っちゃおうかな。
《長谷雄草紙(重要文化財)》は、平安時代初期の文人紀長谷雄を主人公とする珍しい説話を絵巻にしたものだそうです。紀長谷雄は、平安朝きっての実在の漢学者で、この絵巻詞書の書き出しにも「学九流にわたり芸百家に通じて」と見えます。と…readmore
5.0
絵巻マニアの中でも人気の高い長谷雄草子の全場面展示です!ストーリーの奇抜さと絵の面白さは抜群。かつ美術史的にも南北朝期の絵巻のスタンダードを示す重文の作品です。この他にも観る機会のなかった細川家伝来の絵巻作品多数展示、更に2階展示室では奈良絵本の世界を特集し、江戸時代の伊勢物語かるたや料紙に金砂子、金泥、金箔を豪華にあしらった細川家伝来の奈良絵本が10点以上展示されておりました。美術館の渋い雰囲気も良い感じです。
3.0
長谷雄草紙、イイ絵巻ですね。
メイン展示室入って右側の展示ケースに一挙全場面公開されていて壮観です。
結構達者な絵師で物語も示唆的ながらコンパクトで面白いです。
蒙古襲来絵詞の模本も展示されていて守り伝えていくことの大切さも窺えます。
やまと絵展のサブ展示的に楽しんでも良いと思います。
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重要文化財「長谷雄草紙」(部分)、鎌倉~南北朝時代(13~14世紀)、永青文庫蔵
重要文化財「長谷雄草紙」(部分)、鎌倉~南北朝時代(13~14世紀)、永青文庫蔵
「秋夜長物語絵巻」(部分)、室町時代(16世紀)、永青文庫蔵
「申陽洞記絵巻」(部分)、江戸時代(17世紀)、永青文庫蔵
「蒙古襲来絵詞(模本)」(部分)、文政4年(1821)、永青文庫蔵(熊本大学附属図書館寄託)
「蒙古襲来絵詞(白描本)」(部分)、寛政9年(1797)頃、永青文庫蔵(熊本大学附属図書館寄託)
『絵入太平記』、江戸時代(17世紀)、永青文庫蔵(熊本大学附属図書館寄託)