3.0
見逃しがちな見方の提案
ひねくれ者なら「描かれているのは多くが成人で、当時の寿命を考えれば、皆おじさんではないか」と言い出しそう(笑)
単純に「広重=風景画」と思って見ると、「〇〇はこんな場所なんだね、富士山はこんな風に見えるんだね」で終わってしまい、人物のポーズや表情といったニュアンスを見逃すんですよね。
そこに「おじさん」と投げかけることで、視点が移って構造的に見られるようになる。
浮世絵専門館らしい、上手いアプローチだと思います。
面白かったのは広重『東海道五十三対 二川』と北斎『新版浮絵 浦島龍宮入之図』。
二川は「洗濯物を幽霊に見間違えて大慌て」という内容だけど、こじつけた感じが一切ない。襦袢のシワは恨めしそうな女の顔に見えるし、袋状のものは蝶と扇の模様が怖い顔に見える。
龍宮の方は浦島を迎える魚類の皆さんが擬人化されているのではなく、魚や亀の冠を付けただけ。お遊戯会かっ!
初めて見る作品も多く、思いのほか楽しめました。







