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意外に穴場!インバウンドで賑わう嵐山で涼しきひと時をまったり過ごす

大橋万峰《猛虎図屏風》 通期 紙本着色 屏風 20世紀 福田美術館

日曜美術館の「釈迦十六羅漢図」のデジタル再現プロジェクト「若冲 よみがえる幻の傑作〜12万の升目に込めた祈り〜」を視聴しました。若冲作《樹花鳥獣屏風》で囲って釈迦三尊像の空間となるのではないかと岡田美術館館長の小林先生の言葉に「あっ!」確かにと言葉が漏れた。若冲の画を見るたびに思い浮かぶ「草木国土悉皆成仏」。

先日伺った「福田どうぶつえん」@福田美術館と「嵯峨嵐山かちょうえん」@嵯峨嵐山文華館は、この世界観だったのではないだろうかと思いました。

動物や花鳥を描いた作品がたくさん並び、お子さんも楽しめる夏休み向け企画展で、担当学芸員さんの苦心といいますか、「どうしたらお子さんに、ご家族一緒に楽しんでもらえるか」の思いがヒシヒシと伝わってくる展覧会です。難しい理屈は抜きで楽しんでほしい。今回もほとんどの作品が撮影OK、スマホで聴ける無料音声ガイドも利用できます。

8月中は小学生以下無料、毎週火曜日は「喋っていいDAY!」お子さんとワイワイお話しながらもOKです。静かに鑑賞したい方は、火曜日は避けてお出かけ下さい。詳しくは⇒


大橋万峰《猛虎図屏風》右隻部分 通期 紙本着色 屏風 20世紀 福田美術館

まったり過ごそうなどと言いながら、展示室入って最初に目に飛び込んでくるのは咆哮するリアルなトラ!鮮やかな色彩も相まって、天鵞絨の織物なのでは?と近くによってまじまじと見ました。数年前に岐阜県美で開催された展覧会が評判になった虎描きの名人大橋翠石の兄・大橋万峰の作品です。兄弟そろって虎の絵の名手です。


大橋翠石《獣王図》部分 通期 絹本着色 軸装 1925年 福田美術館

気になっていた大橋翠石のトラも見る事が出来ました。

※大橋翠石については『明治の金メダリスト 大橋翠石 〜虎を極めた孤高の画家〜』をご参照ください⇒

大橋翠石の描いた《猛虎之図》の瞳の部分を拡大して視てください。図鑑なども参考に描いたのでしょうか、瞳の中も正確に描いています。同じ展示室に蕪村の描いた《猛虎飛瀑図》(前期展示)があり、応挙や若冲のトラもそうですが、瞳が猫の目です。実際に近くでトラを見る事がなかった当時の絵師たちは、毛皮や猫、先達の作品を参考にしてトラを描きました。


大橋翠石《雪中野猪之図》 前期 絹本着色 軸装 1934年

確かに確かに噂にたがわず、トラだけでなく、他の動物を描いても上手い!


山口華楊《待春》 のキャプションとウサギの写真解説です。

作品、制作者についてだけでなく、描かれている動物についての写真付き解説もあり作品と見比べてみてみると、如何に画家たちはよく観察しているかが分かるのではないでしょうか。


原田西湖《夏の夕》(左隻部分) 前期 絹本着色 屏風 20世紀 福田美術館

1階展示室は、猛獣、働く動物、日本の野山に棲む動物たちを描いた作品が展示されています。

描かれる動物たちは、故事に由来するもの、神様のお使い、めでたい吉祥を願うなどの意味も込められているものもあります。

2階展示室には、身近な小動物の作品が展示されています。私たちが日ごろ動物たちに対して持っている”ぬるぬる”や”ふぉあふぉあ”などの質感を画家たちはどのように表現しているでしょうか。


小林古径《蟹魚 》 前期 紙本着色 軸装 19-20世紀 福田美術館

夏場の床の間にこんなお軸を掛けて涼を呼びたい。瀟洒な作品です。


円山応挙《竹に狗子図》 前期 絹本着色 軸装 1779年 福田美術館

展示室2の後半から展示室3には、犬猫作品が展示されています。

 

応挙のもふもふワンコも!竹に犬を描き「竹」冠に「犬」と書いて「笑」とはならないが、一般的に「一笑図」と呼ばれています。


伊藤若冲《 仔犬図》部分  前期 紙本墨画 軸装 18世紀 福田美術館

応挙の可愛いコロコロした犬と比べても、目が可愛くない若冲の狗です。

前後期で展示替えがあり、後期展示の渡辺崋山筆《公高門図》は重要文化財です。




大橋翠石《仔猫之図》部分 通期 絹本着色 軸装 20世紀 福田美術館

第3展示室には、展覧会最初に見た大橋翠石が描いたカワイイ猫の絵がありました。こんなに可愛くも描けるのですね。猫は中国語の音が70歳に通じ、長寿を象徴する縁起の良い画題だそうです。翠石はネコを描いた作品が知人の目に留まり、トラを描いてはどうかと勧められたのがトラ描きの名手となるきっかけでした。

加山又造《猫ト牡丹》シャムとペルシアをかけあわせたヒマラヤンという種類の猫だそうです。暗いバックに浮かび上がる牡丹と猫、神秘的な作品です。

 

それでは、「嵯峨嵐山かちょうえん」へも出かけてみましょう。

福田美術館を出て、いつも大勢の外国人観光客が列を作っているアラビカコーヒーの角を曲がって、大堰川を左手に、右手には嵐山吉兆の前を過ぎて、突き当り、旧神戸川崎造船の創業者 川崎正蔵の嵐山別邸だった豪奢な料亭(かき氷1杯が3800円?!)を右に回ればすぐです。


【開催概要】福田どうぶつえん

会期:2024年7月13日(土)~2024年10月1日(火)

前期:7月13日(土)~8月26日(月)/後期:8月28日(水)~10月1日(火)

会場:福田美術館 京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3-16

開館時間:10:00~17:00 (最終入場時間 16:30)

休館日:8月27日(火)展示替え 9月10日(火)設備点検 ※月曜日も開館しています!

観覧料:詳しくは

8月1日~31日は小学生の入場料が無料(注:保護者は必ず同伴)

URL:https://fukuda-art-museum.jp/exhibition/202403153420



プロフィール

morinousagisan
阪神間在住。京都奈良辺りまで平日に出かけています。美術はまるで素人ですが、美術館へ出かけるのが大好きです。出かけた展覧会を出来るだけレポートしたいと思っております。
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