特別展「法然と極楽浄土」@京都国立博物館 楽しみな秋の京都への巡回 見どころをご紹介
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- by morinousagisan
今秋、京都国立博物館へ「法然と極楽浄土」が巡回してきます。それに先立ち見どころを一緒に見て行きましょう。参考となるサイトへリンクも貼っていますのでそちらもご参照ください。
特別展「法然と極楽浄土」は、東博、京博、九博と三館の巡回展ですが、展示は、各会場の地域性を考慮して構成されています。※公式サイト「各会場の特色と見どころ」をご参照ください。
東京国立博物館で開催された本展(4/6-6/9)でもアートアジェンダに掲載された感想・評価は14件もあり、総じて高評価でした。
本展のサブタイトルは、「開宗850年 浄土宗ゆかりの名宝が集結」とは、
美作国(岡山県)で生まれた法然(幼名勢至丸)は、幼くして父を亡くし仏門へ入ります。比叡山延暦寺で修学するなかで、末法の世における救済とは何かを考え続けて、承安5年(1175)、「南無阿弥陀仏」(※参照:公式サイト>見どころ>キーワード>「法然を読み解くキーワード」>「南無阿弥陀仏と専修念仏」)と声に出して称えることのみによって誰もが救われるという教えにたどり着きました。これをもって浄土宗開宗とし、2024年はそれからちょうど850年に当たります。
法然さんが長くお住まいになっていた地でもある京都は、浄土宗総本山知恩院があり、重要な関連寺院(知恩院さんに、金戒光明寺、百万遍知恩寺、清浄華院を「四ヶ本山」、西山各派総本山の禅林寺、誓願寺、光明寺など)も多く、京博さん力が入らないはずがありません。巡回3会場中最多の出品数、京都ならではの構成、展示となっています。
そもそも「法然さんは・・・」や「浄土宗とは」などより始めるべきところですが、
その点につきましては本展公式サイト◆の[見どころ]タブにある
〔年表〕_法然関連年表◆や〔キーワード〕_法然を読み解くキーワード◆を是非事前にご参照ください。きっと展覧会への理解が深まるはずです。
展覧会は、3館共通の4章構成です。
第1章 法然とその時代 法然の肖像や絵伝、在世時の遺品
浄土宗の根本聖典である 重要文化財《選択本願念仏集 (廬山寺本)》(せんちゃくほんがんねんぶつしゅう) は、前期展示です。法然上人の伝記絵巻である 国宝《法然上人絵伝》(京都・知恩院蔵)48巻もある聖典です。本展では展示されない巻第二、巻第十八、巻第三十八がプレ企画として現在名品ギャラリー2F-1で展示中(7/28まで)を観てきました。修復を経ているとはいえとても鮮やかで綺麗な色彩に驚きました。
第2章 阿弥陀仏の世界 阿弥陀如来を表した仏画や絵画(来迎図)
第3章 法然の弟子たちと法脈 鎮西派、西山派の弟子たちに関わる作品
中将姫が蓮糸で一夜にして織りあげたという伝説を持つ 国宝《綴織當麻曼荼羅》(奈良・当麻寺蔵) 奈良県外では本展が初公開となっています。京都会場では11/12(火)~12/1(日)限定公開されます。
第4章 江戸時代の浄土宗 浄土宗に帰依した徳川家ゆかりの作品
幕末に江戸・増上寺へ奉納された100幅の 狩野一信筆《五百羅漢像》うち12幅を展示。
京都会場の注目ポイント!
1.国宝6件、重要文化財66件を含む総数156件で、うち京都会場だけの作品は42件で、3会場中、最多の出品数となっています。
必見!京都だけ展示される
☆国宝《阿弥陀三尊像》普悦筆(京都・清浄華院蔵)[後期展示] 中国・南宋の画家が描き、足利将軍家の秘伝書にも記載されている名品です。
☆重要文化財《阿弥陀如来立像》は、重要文化財《像内納入品》と共に展示(京都・大念寺蔵)[通期展示]
☆小さなお地蔵さんがびっしりと彫られている 重要文化財《厨子入千躰地蔵菩薩像》(京都・報恩寺蔵)[通期展示]
☆10/8(火)~11/8(日)限定展示の京都・永観堂禅林寺蔵の 重要文化財《当麻曼荼羅図》は、 原本とほぼ同サイズの古い当麻曼荼羅です。
2.作品リストでは、第2章と第3章に渡りますが、浄土美術の名宝が一部屋に展示されます。※展示期間をお間違えなく!
前期(10/8-11/4)切望された極楽浄土(Pure Land)!地獄極楽名品ルーム
・重要文化財《地獄極楽図屏風》京都・金戒光明寺蔵[前期展示]
・重要文化財《十界図屏風》奈良・當麻寺奥院蔵[前期展示]
・重要文化財《十界図》京都・永観堂禅林寺蔵[前期展示]
後期(11/6-12/1)極楽浄土(Pure Land)の教主・阿弥陀如来が顕現する国宝名画ルーム
◎修理後初公開 国宝《阿弥陀二十五菩薩来迎図(早来迎)》京都・知恩院蔵[後期展示]
・国宝《山越阿弥陀図》京都・永観堂禅林寺蔵[後期展示]
・国宝《山越阿弥陀図》京都国立博物館蔵[後期展示]
・国宝《阿弥陀三尊像》普悦筆 京都・清浄華院蔵[後期展示]
3.展示室内にフォトスポットが登場します。
香川・法然寺の「仏涅槃群像」等身大の立体群像の一部を再現展示し、写真撮影可となります。東博会場で人気を集めたのが、他とは別の方向を向いている猫ちゃんだそうです。
本展のもう一つの注目は、修理後初公開となる 国宝《阿弥陀二十五菩薩来迎図(早来迎》知恩院蔵 [後期展示]です。平成31年(2019)3月から令和4年(2022)に紡ぎプロジェクトの助成事業として、株式会社光影堂さん施工で京都国立博物館文化財保存修理所において修理が行われました。この『早来迎』の絵画作品としてや修理内容、修理過程での調査で得られた知見などについては、東博で開催された記念講演会がYouTubeにアップされております。とても興味深い内容ですので、是非是非視聴なさってください。
特別展「法然と極楽浄土」記念講演会① 知恩院蔵「早来迎」修理でわかった名画の秘密
日時:5月10日(金) 会場:東京国立博物館 平成館 大講堂 講師:大原嘉豊(京都国立博物館 学芸部 教育室長)
秋の京都で浄土宗寺院巡りも一緒にいかがでしょう。
今後、とらリンの「虎ブログ」やSNSで本展について情報を発信されるので、こちらも是非チェックしてください。
【開催概要】特別展 法然と極楽浄土
- 会期: 2024年10月8日(火)~2024年12月1日(日) ※会期中、一部の作品は下記以外にも展示替あり
前期展示:10月8日(火)~11月4日(月・休)
後期展示:11月6日(水)~12月1日(日)
- 会場 京都国立博物館 平成知新館
- 開館時間 9:00~17:30 ※毎週金曜日は20:00まで(入館は閉館の30分前まで)
- 休館日 月曜日 ※ただし、10月14日(月・祝)、11月4日(月・休)は開館し、10月15日(火)、11月5日(火)休館
- 観覧料 一般 1,800円(1,600円)/大学生 1,200円(1,000円)/高校生 700円(500円)※( )内は前売・団体料金 ※団体料金は20名以上 ※大学生・高校生の方は学生証を要提示 ※中学生以下は無料 詳しくは⇒◆
- 公式サイト:https://tsumugu.yomiuri.co.jp/honen2024-25/index.html
- 展覧会公式SNS:X(旧Twitter):@honen2024_25 / Instagram:@honen2024_25