生誕130年 没後60年を越えて
須田国太郎の芸術――三つのまなざし

世田谷美術館

  • 開催期間:2024年7月13日(土)~2024年9月8日(日)
  • クリップ数:21 件
  • 感想・評価:3 件
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須田国太郎 《鵜》1952年 京都国立近代美術館蔵
須田国太郎 《アーヴィラ》1920年 京都国立近代美術館蔵
須田国太郎 《発掘》1930年 京都大学人文科学研究所蔵
須田国太郎 《野宮》1945年頃 個人蔵
須田国太郎 《犬》1950年 東京国立近代美術館蔵
須田国太郎 《窪八幡》1955年 東京国立近代美術館蔵
須田国太郎 《マドリ市中にて(スペイン・マドリード)》1919-23年頃 三之瀬御本陣芸術文化館蔵
須田国太郎 《コインブラ大聖堂(ポルトガル・コインブラ)》1920年 三之瀬御本陣芸術文化館蔵
須田国太郎 《ドス・アグアス伯爵邸(スペイン・バレンシア)》1922年 三之瀬御本陣芸術文化館蔵
須田国太郎 《サン・ファン・デ・ロス・レイエス教会(スペイン・トレド)》1922年 三之瀬御本陣芸術文化館蔵
須田国太郎 「野宮」デッサン 1945年頃 大阪大学大学院人文学研究科・大阪大学附属総合図書館蔵
須田国太郎 「新作能・忠霊」デッサン 1941年 大阪大学大学院人文学研究科・大阪大学附属総合図書館蔵
須田国太郎 「小原御幸(大原御幸)」デッサン 1942年 三之瀬御本陣芸術文化館蔵
須田国太郎 グリコのおもちゃコレクション「のりもの(飛行機・電車・車・船)」 1950年代 三之瀬御本陣芸術文化館蔵
須田国太郎ポートレート アトリエにて 1954年1月 撮影:田中真知郎(須田家提供)
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この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION

画家・須田国太郎(1891-1961)は、「東西の絵画の綜合」という壮大なテーマを掲げ、日本の精神文化に根差した油彩画の在り方を追求しました。京都に生まれた須田は、京都帝国大学(現・京都大学)および同大学院で美学・美術史を専攻する一方、関西美術院で油彩の基礎を学びます。

1919年に28歳で渡欧。スペインのマドリードを拠点にヨーロッパの各地を訪れ、ヴェネツィア派の色彩理論やバロック絵画の明暗法など、西洋絵画の底流にあるリアリズムの表現に触れます。この滞欧は須田の制作に大きな影響を与え、須田は自らが会得した理論を背景とした、骨太で生命感あふれる独自の油彩表現を切り拓いていきます。
1932年に41歳で初個展を開催。これが契機となり、里見勝蔵や川口軌外の誘いで独立美術協会の会員となると、同会を中心に意欲的な作品を次々に発表しました。また、向井潤吉をはじめとする世田谷ゆかりの作家たちとも交流しました。

本展では、初期から晩年までの油彩の代表作に加え、戦前の滞欧期に撮影した貴重な写真、また、能・狂言への造詣の深さを示すデッサン、そして、長年にわたって蒐集した「グリコのおもちゃ」のコレクションといった、意外な人物像を伝える資料も交え、須田国太郎の新たな魅力を紹介します。

◆ 須田国太郎(すだくにたろう)
京都に生まれる。京都帝国大学(現・京都大学)および同大学院で美学・美術史を学ぶ。1919年から23年にかけて、スペインのマドリードを拠点に滞欧。西洋絵画の真髄を理解すべく、プラド美術館での模写を通じてヴェネツィア派の色彩理論やバロック絵画の明暗法を学ぶ。1932年、東京銀座の資生堂ギャラリーで初個展を開催。1934年、独立美術協会会員となる。晩年まで、独立展などに出品し制作に励む一方、現・京都市立芸術大学などで後進の育成にも尽くした。美学・美術史家として研究を深め、絵画理論と実践の融合、そして日本独自の油彩画を求め、生涯にわたって制作を重ねた。

開催概要EVENT DETAILS

会期 2024年7月13日(土)~2024年9月8日(日)
会場 世田谷美術館 Google Map
住所 東京都世田谷区砧公園1-2
時間 10:00~18:00 (最終入場時間 17:30)
休館日 月曜日、7月16日(火)、8月13日(火)は休館
※ただし7月15日(月・祝)、8月12日(月・振休)は開館
観覧料 一般 1,400円(1,200円)
65歳以上 1,200円(1,000円)
大高生 800円(600円)
中小生 500円(300円)
  • ※( )内は20名以上の団体料金。事前に電話でお問い合わせください
    ※障害者の方は500(300)円。ただし、小中高大学生の障害者は無料。介助者(当該障害者1名につき1名)は無料(予約不要)
    ※未就学児は無料(予約不要)
    ※高校生、大学生、専門学校生、65歳以上の方、各種手帳をお持ちの方は、証明できるものを要提示
TELハローダイヤル:050-5541-8600
URLhttps://www.setagayaartmuseum.or.jp/

世田谷美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION

世田谷美術館 世田谷美術館

感想・評価 | 鑑賞レポートREVIEWS

4.0

黒の絵画

須田国太郎は結構好きな作家で楽しみにしていた回顧展でした。
正直暗い作風だし何が書かれているか分からない作品も少なくないのになぜか惹かれます。
油彩のアレブレボケと言っても過言ではない須田調の絵肌に魅力を感じます。
あと写真作品がかなり良いですね。
写真だけをもっとまとめて見たいくらい良かったです。

一部映像を除きほとんど写真撮影可能でした。
音が鳴るなら紙テープを貸し出すからスマホに貼ってねという取り組みが面白い。

2階は大貫卓也の大型ポスターの一挙展示、川田喜久治の特集も良かったです。2階は撮影NG。
企画展、コレクションともに充実で楽しめました。
どちらもすごく空いていてかなり快適に鑑賞。

THANKS!をクリックしたユーザー
karachanさん、Camdenさん、komagatayaさん、morinousagisanさん

4.0

写真とグリコのおまけから見えてくる須田国太郎

今世紀に入ってから、3回目の須田国太郎の回顧展。だいたい10年に1回はあるなあ、という感じです。好きな画家なので見に行こうかとは思っていたのですが、暑いなかそこそこ歩くのも面倒な気がして、迷ってました。それに内容は前に見た2回の回顧展とそんなに変わらないだろうと、予想していたので……。少し調べると、ちょっと違ってました。

これまでの回顧展でも、油彩画と能・狂言について取り上げてきたのですが、写真を3本目の柱に据えたこと、そして“長年にわたって収集した「グリコのおもちゃ」のコレクション”という聞いたことのない展示もあるというので、行く気になりました。

絵画はほぼ見たことのある作品で、須田作品の復習という感じでしたが、唯一《老松》という水墨画が印象深い。黒を基調にした作品が多いけど、洋画の人だから水墨画はないだろうな、と勝手に思っていたので、そこそこ意外でした。

写真については、作品と言うよりは資料的なものやスナップ的なものでした。大正時代に渡欧したときのもので、時代を考えると、それだけでも大変だろうという感じ。カメラは2台、ドイツ製の乾板を使うタイプと米イーストマン・コダック製のロールフィルムを使うタイプで、コダックでスナップ、ドイツ製ので資料作成という感じ。ちなみに写真作品とそれをもとに描いた油彩画を並べて展示して、これも興味深い。

あと、グリコのおまけですが、なかなか不思議なもので、小さなおまけが分野別に分類されて、標本箱に収納されていました。分野とは乗り物とか家電品とか、世界各国の風俗を表すものなどです。

とうわけで、そこそこ発見があった。特にカメラへのこだわりとか、グリコのおまけの収集はなかなかのもの。かなりマニアックなところが興味深い。そして写真については後年、あまり撮影していないように見えるのが不思議なところ。

会場での写真撮影はOK。展示替えはなし。図録あり。ちなみに写真撮影の注意書きで「シャッター音の軽減にご強力をお願いします」とあるのが珍しい。注意書きにはさらに「消音機能を用いるか、シャッター音を発する部分に紙製テープを貼り、音の軽減を行ってください」とあって、その横にテープカッターがあって紙製テープが入っていた。ここまであるのは珍しく、さらに会場の出口には紙製テープ用のゴミ箱が設置してあった。

THANKS!をクリックしたユーザー
karachanさん、アバウトさん、黒豆さん、morinousagisanさん、Camdenさん

4.0

魂から出づる陰影美

没後60年での回顧展。油彩画約60点、規模としては「大」回顧展というには及ばないが代表作も多数揃い、須田国太郎氏の画歴を知るには十分な展覧会です。猛暑の土曜日午後に訪問しましたが会場は閑散、おかげでじっくりと鑑賞できました。

国太郎氏は東西の絵画の融合というテーマを追求した美術研究者であり表現者。画歴の本格スタートが40歳頃と遅いが、例えば社寺の画では40歳代の《法観寺塔婆》《唐招提寺礼堂》から50歳代の《校倉》、60歳代半の《窪八幡》への流れで、そのテーマ追求の息吹・熱量が陰影による遠近表現やマチエールの激しさから見て取れます。
芸術的な真理を追究する中で辿り着いた暗い「黒の絵画」の作品群は、生前はなかなか売れなかったそうだが、骨太の魂の表現です。暗く沈む情景の中に醸される一縷の光に魅せられ、一作一作にクギ付けになりました。

京都の商家に育ち親しんだ能・狂言をモチーフとしたクロッキーや絵画が本展の第三章にまとめられています。これは国太郎氏の画歴において別の流れの柱。うち油彩画は2点展示あり。《大原御幸》の構図、静なる緊迫感の表現が印象的でした。

京都帝大時代の卒論の冒頭頁の展示あり。写実主義と題し、ドイツ語の文献に当たり研究を深めておられます。大正初期の話。脱帽です。出口ではご子息須田寛氏(JR東海初代社長)のインタビュー動画の放映。国太郎氏のお人柄を知るエピソードが色々あり、これも必見かと。

世田谷美術館が巡回の最後ですが、このハコでこの回顧展、力の入った実に素晴らしい企画展だと思います。会期後半に向けてきっと来訪者は増えることと期待します。撮影可なのですが個人的にはあまりやりません。その代わりカードを買うのを習慣としているのですが、チラシ掲載作品《鵜》のカードしかなかったことは少し残念ポイントでした。

THANKS!をクリックしたユーザー
karachanさん、黒豆さん、komagatayaさん、Audreyさん、Sukekiyo-Acckermanさん

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出展作品・関連画像IMAGES

須田国太郎 《鵜》1952年 京都国立近代美術館蔵

須田国太郎 《アーヴィラ》1920年 京都国立近代美術館蔵

須田国太郎 《発掘》1930年 京都大学人文科学研究所蔵

須田国太郎 《野宮》1945年頃 個人蔵

須田国太郎 《犬》1950年 東京国立近代美術館蔵

須田国太郎 《窪八幡》1955年 東京国立近代美術館蔵

須田国太郎 《マドリ市中にて(スペイン・マドリード)》1919-23年頃 三之瀬御本陣芸術文化館蔵

須田国太郎 《コインブラ大聖堂(ポルトガル・コインブラ)》1920年 三之瀬御本陣芸術文化館蔵

須田国太郎 《ドス・アグアス伯爵邸(スペイン・バレンシア)》1922年 三之瀬御本陣芸術文化館蔵

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