5.0
素敵な建物に紛れる作品
直島で出会いそれ以降好きな作家です。
以前千葉の美術館で開催された個展も良かったですが、本展覧会は美術館の建物も相まって更に宝探しのような展示方法でした。
作品数は多くはなかったですが満足度の高い展覧会でした。
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普段、道端で見かけるような草花や雑草。実は本物と見紛うほどに精巧に彫られた木彫作品です。須田悦弘(1969~)は独学で木彫の技術を磨き、 朴 ほお の木で様々な植物の彫刻を制作してきました。須田によって生み出される植物は全て実物大で、それらを思いがけない場所にさりげなく設置することで空間と作品が一体となり、独自の世界をつくりあげています。
本展は、東京都内の美術館では25年ぶりとなる須田悦弘の個展です。今回、須田の初期作品やドローイング、近年取り組んでいる古美術品の欠損部分を木彫で補う補作の作品等をご覧いただくとともに、本展のための新作も公開します。
渋谷区立松濤美術館の建築は、「哲学の建築家」とも評される白井晟一(しらいせいいち 1905~1983)によるものです。閑静な住宅街に位置する石造りのユニークな外観、入口の先には楕円形の吹き抜けがあり、そこに架かるブリッジからは池と噴水を見下ろすことができます。地下2階から2階まで螺旋階段で繋がり、高い天井と湾曲した壁面をもつ展示室や、ベルベットの壁布が張られ、絨毯敷きにゆったりとしたソファが置かれた展示室など、他にはない空間が来館者を迎えます。
ここに須田の植物を配することでどのような作品となるのか。白井建築を舞台にした須田悦弘のインスタレーション作品としてもご期待ください。
【FEATURE|内覧会レポート】
時間、空間、心、その“すき間”に芽吹く須田悦弘の世界
会期 | 2024年11月30日(土)~2025年2月2日(日) |
---|---|
会場 |
渋谷区立松濤美術館
![]() |
住所 | 東京都渋谷区松濤2-14-14 |
時間 |
10:00~18:00
|
休館日 |
月曜日、12月29日(日)~1月3日(金)、1月14日(火) ※ただし、1月13日は開館 |
観覧料 | 一般 1,000円(800円) 大学生 800円(640円) 高校生・60歳以上 500円(400円) 小中学生 100円(80円)
|
TEL | 03-3465-9421 |
URL | https://shoto-museum.jp |
5.0
直島で出会いそれ以降好きな作家です。
以前千葉の美術館で開催された個展も良かったですが、本展覧会は美術館の建物も相まって更に宝探しのような展示方法でした。
作品数は多くはなかったですが満足度の高い展覧会でした。
5.0
朴の木の木彫とはとても思えない植物が、ひっそりと、あるいはひょっこりと会場の床や壁から生えている展示の仕方は素晴らしかった。こんなに自由に見せてもらってもいいのかしらというくらい近づいてじっくり見ることができます。うちの部屋の中にもこんな植物がひょっこり生えてこないかしら。でも、グラフィックデザイン科なのに、木彫の課題でスルメに夢中になって木彫アーティストになるって面白い!きっと須田さんの体の中に、木彫が刻まれていたんだなーと思いました。
5.0
超絶技巧の木彫と、レトロな松濤美術館は合う?と思いましたが、ものすごくマッチ。
重厚な木製扉や柱の陰にひっそり咲く花や雑草、あ、こんなところにも、と探索するのがとても楽しい。
かすかな空調や、歩く振動で揺れる草花は、信じられないくらい薄い木彫。色も超リアル。
まずは案内図なしで展示室内をめぐり、そのあと案内図を見て見落としがないか確認。
靴を脱いだり、作品保護のため鞄を預けるようなところもあるので、なるべく荷物は少ないほうがよいです。写真撮影は、一部を除いてほぼ可でした。
そうそう、2階のエントランスの須田悦弘氏の略歴パネルの下も、注目してください。館外にも作品があるので、お忘れなく。
遊び心が満載の企画でした。
4.0
作品はどれも、初期の《スルメ》から草花の造形に至るまで、超リアルでかつ味わい深い。見事です。
第一展示室にの入口に掲げられた注意書きが面白い。
「鹿面には繊細な草花が生えてます。お見逃しの無いようお足元には十分注意してお楽しみ下さい」と。本当に、ちょこちょこと雑草が生えてます。
展示マップを手に作品探しする楽しさも一興です。暗くなってから訪れたのですが、1階のガラス窓外の《雑草(金)》は自力では探せませんでした。
主催者による本展企画の説明にあるとおり、趣ある当館建築と須田作品が一体化していて、館全体がひとつのインスタレーションのように感じました。
楽しめました。
3.0
須田悦弘、結構良かったです。
作品リストには展示位置が記載されているのですが一度こちらを見ないで鑑賞すると面白いかもしれません。
マップがないとなかなか気づけない作品もあるのですが探索の楽しさがありますね。
露出展示もあるので今回監視員さんかなり気を張っているように見受けられました。
会期中に作品が増えたり場所が変わったりしたら面白いけどちょっと大変かな。
次回以降の企画展で須田作品を探してみてしまったり、道端の雑草が気になってしまったり、
そういった本展を通したことで視点が変わることも魅力の一つかもしれません。
ほとんど写真撮影可能。会期後半は混み合いそう。お早めにどうぞ。
5.0
須田さんさんの作品は名建築とよく合う。
以前見たのは旧原美術館と東京庭園美術館。
どこだ?と探しながら館の中を鑑賞する楽しさはこの作家以外にいない。
ガイドを見ながら一つ一つチェック。
壁のすき間、床、天井近く、ガラスケースの陰、館の外にも3つ。
その精巧さは正に超絶技巧。
学生時代に作った「スルメ」には誰もが騙されるだろう。
杉本博司とのコラボは杉本氏の春日大社コレクションで拝見しているが、杉本氏が無理を言って制作してもらったと仰っていたが須田氏も駄目だしが来て何回も作り直したと有り力作。
壁からスッとツルを延ばし可憐な花が美しい「朝顔」、壁と衝立ね陰にひっそり咲く「ドクダミ」の白い花がとても好き。
図録は予約販売。撮影は一箇所を除いて可。
楽しかったので再訪予定。
5.0
松濤美術館は、この一風変わって、でも落ち着く独特な建築が特徴だと思います。それを本当にいかした魅力的な展示でした。
初期作品や、インスタレーション、そして補作まで、いろんなタイプを見れて、貴重だった。
ゆったりとみたい展覧会。
もっと作品があったらとも思ったけど、これ以上は、空間に詰め込みすぎになるだろうし、無い物ねだりの気分になってしまいました。
3.0
須田作品のイメージは、いまは亡きヴァンジ彫刻庭園美術館での展示。
白くて明るい、広い空間の壁に花が咲く…。
その幻想が大きすぎたせいか、松濤美術館の暗い空間の中で雑草を探すのは、視力が怪しくなった身には無理ゲーでした(泣)
1周目は作品を見つけるのがメインテーマになってしまったので、2周目であらためて鑑賞。木彫なのに見た目の質感が植物、触って確かめたくなる欲望が沸き上がります。失敗作でもいいから「お触りOK」の作品を置いてくれるといいのになぁ、なんて思いながら見てました。
1つ気になったのは、屋外に置いた「雑草(金)」のこと。閉館時には回収するのか、そのまま置いておくのか。昨今の盗難事情を考えると、竹垣を乗り越えるなんて造作もないこと。面倒でも、毎日回収してほしいなぁ(まぁ、していると思いますけど)。
4.0
須田悦弘のインスタレーションは、その作品を探し回ることに楽しみがある。2024年2月に始まった東京庭園美術館での展示「旧朝香宮邸を読み解く A to Z」では6点、旧朝香宮邸に須田作品が植えられたのだけど、点数だけが明らかになっていて、どこにあるかは明示されていなかった。今回の展示のように丁寧なマップ付きの展示リストが提供されるのは、ありがたいのだが、ちょっとつまらない。
でも、相変わらず、木彫とは思えない植物たちは、妙に瑞々しく、意外なところに生えていて、意表をつかれた感じで楽しい。というか、できれば、この植物たちが木彫であることは秘密であってほしかった気もする。まあ、とりあえず意表を突かれることを楽しむために、マップ付きの出展リストは見ないで、1回拝見。そして答え合わせのつもりでマップを見ながらもう1回、見て回る。
私にとっての見所は、1990年代に制作された、卒業記念制作の《朴の木》や都内の駐車場を借りて実施した《東京インスタレイション》が久しぶりに拝見できたこと。東京インスタレイションの制作時資料もあって興味深い。あと、こないだ青森で飲んだアサヒビールの「ニッカ弘前生シードル」のリンゴの絵は須田さんの作品だったことが分かったのは、一番の驚きかも。このほか、最新の試みとしていくつかの補作もあるけど、既にギャラリーで見たことがあったので、もうちょっと追加情報が欲しかった。
撮影は1点を除いてOK。展示替えはなし。図録は制作中でした。
5.0
「超絶技巧」という単語はこの作品達のためにあるのだろう。
花びらなんか今にもハラハラと落ちそうな気がするし、
葉は空調に揺らぎそうな気がしてしまう。
どれもが知ってる植物だったりするのに、
何だかじっと見つめていると不思議な時間が流れていく。
雑草なんか普段でこんなに時間を割いて見る事はありえない。
目をこらして作品を探していると、
この美術館の構造まで「こんな形だったんだ……」と気づかされた。
小さな作品が置かれた空間も作品だと思うと、もう部屋全体が巨大な作品だ。
インスタレーション作品や、時代物の補作の展示もある。
須田作品をこれだけ見られるのは貴重な機会だったし
画像では絶対に理解できない展覧会だった。
木彫が基本だけど、金・プラチナ作品もありました!
それにしても「雑草」なんて、
「実は1個は本物です」と嘘つかれてもわからないw
12月5日(木)11時半入館。混雑無し。一部を除き撮影可。
3.0
須田悦弘展
混雑状況 日曜日 夕方 空いています。
撮影 一部を除き可能
メモ 靴を脱いで近くまで覗けるエリアあり。
こんなに真剣にスルメを見た事がなかった。。。と言うほどじっくり見ました。
スルメが置いてあるのか木彫りが置いてあるのか、分かりません!
他の作品も、素晴らしく、展示方法も楽しくて、イマーシブ感バッチリ。
空間芸術を楽しむのにも良いです。
空いていたのでラッキー。
とは言え夢中になり、あれ?あれ?だと言ったところに作品があるので、館内の地図を持ちながら鑑賞する事をお勧めします。
空いているうちに行ってみて欲しい、ちょっとフフフと笑顔になるセンスの良さが感じられる作品展示です。
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須田悦弘《スズメウリ》2024年 木に彩色 作家蔵
©Suda Yoshihiro / Courtesy of Gallery Koyanagi
渋谷区立松濤美術館 外観 撮影:上野則宏
須田悦弘《スルメ》1988年 木に彩色 作家蔵
©Suda Yoshihiro / Courtesy of Gallery Koyanagi
須田悦弘《チューリップ》1989年頃 木に彩色 作家蔵
©Suda Yoshihiro / Courtesy of Gallery Koyanagi
須田悦弘《朴の木》1992年 ミクストメディア 作家蔵
©Suda Yoshihiro / Courtesy of Gallery Koyanagi
須田悦弘《東京インスタレイシヨン》(部分)1994年 ミクストメディア
山梨県立美術館寄託
©Suda Yoshihiro / Courtesy of Gallery Koyanagi
「東京インスタレイシヨン」1994年発表当時の様子
須田悦弘《雑草》1998年 木に彩色 練馬区立美術館蔵 賛美小舎 上田國昭氏・上田克子氏寄贈
©Suda Yoshihiro / Courtesy of Gallery Koyanagi
須田悦弘《ガーベラ》1997年 木に彩色 東京都現代美術館蔵 賛美小舎 上田國昭氏・上田克子氏寄贈 撮影:田中修司
©Suda Yoshihiro / Courtesy of Gallery Koyanag