阪神・淡路大震災30年 企画展
1995 ⇄ 2025 30年目のわたしたち

兵庫県立美術館

  • 開催期間:2024年12月21日(土)~2025年3月9日(日)
  • クリップ数:14 件
  • 感想・評価:3 件
阪神・淡路大震災30年 企画展 1995 ⇄ 2025 30年目のわたしたち 兵庫県立美術館-1
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参考:梅田哲也「梅田哲也イン別府『O滞』」2020年 役者:森山未來ほか
参考:やなぎみわ《「女神と男神が桃の木の下で別れる」川中島 II》2016年
米田知子《震源地、淡路島》1995年 国立国際美術館蔵 ©Tomoko Yoneda/Courtesy of ShugoArts
参考:束芋《dolefullhouse》2007年 兵庫県立美術館蔵 ©Tabaimo/Courtesy of Gallery Koyanagi
参考:國府理「國府理 水中エンジン redux」(後期展)2017年 アートスペース虹の展示風景 撮影:Tomas Svab
参考:田村友一郎《試論:栄光と終末、もしくはその週末 / Week End》2017年 インスタレーション
参考:梅田哲也「梅田哲也イン別府『O滞』」2020年 役者:森山未來ほか 撮影:天野祐子
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この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION

阪神・淡路大震災から30年を迎えるに際し、6組7名のアーティストによるグループ展を開催します。

1995年1月17日の震災では、兵庫県立美術館の前身である兵庫県立近代美術館(1970-2001)も建物や収蔵品に大きな被害を受けました。同館を引き継ぎ、2002年に震災復興の文化的シンボルとして開館した兵庫県立美術館では、これまでも震災後の節目の年に関連展示を開催してきましたが、今回が初めての特別展会場での自主企画展となります。

1995年から2025年までの30年の間に、アメリカ同時多発テロ(2001年)、東日本大震災(2011年)、ロシア軍によるウクライナ侵攻(2022年)、そしてイスラエルとハマスの軍事衝突(2023年)、能登半島地震(2024年)と、世界は多くの自然災害や紛争に見舞われてきました。明るい未来を想像することはますます困難な状況となっていますが、そのような時代に求められる希望とは――。

簡単には答えの出ないこの問いを、それでも、あるいはだからこそ考え続けるための、ひとつの場となることを目指し、本展を開催します。 アーティストとその作品、何らかの出来事と、それ らと出会うみなさんが展覧会という場につかのま集うこと。 言い換えれば、 今それぞれに生きる 「 わたしたち 」 こそ 「希望」 の出発点にほかならない 、 そのような思いを展覧会名に込めています。

【FEATURE|内覧会レポート】
現代アートにしか表現できない多様な視点に触れる。1995年と2025年の今を往還しながら次の未来へ

開催概要EVENT DETAILS

会期 2024年12月21日(土)~2025年3月9日(日)
会場 兵庫県立美術館 Google Map
住所 兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1 (HAT神戸内)
時間 10:00~18:00 (最終入場時間 17:30)
休館日 月曜日 
2025年1月14日(火)、2月25日(火)、
年末年始 12月29日(日)~1月3日(金)
※ただし2025年1月13日(月・祝)、2月24日(月・振)は開館
観覧料 一般 1,600円(1,400円)
大学生 1,000円(800円)
高校生以下 無料
70歳以上 800円(700円)
障害者手帳等をお持ちの方(一般)400円(350円)
障害者手帳等をお持ちの方(大学生)250円(200円)
  • ※( )内は前売・20名以上の団体料金です
    ※前売券販売期間:12月20日(金)23:59まで
    ※一般以外の料金で利用の場合は、証明書を観覧当日に要提示
    ※障害者手帳等をお持ちの方1名につき、その介助の方1名は無料
    ※団体(20名以上)で鑑賞の場合は1ヶ月前までに美術館に直接連絡してください
    ※コレクション展は別途観覧料が必要です(本展とあわせて観覧の場合は「割引」があります)
TEL078-262-1011
URLhttps://www.artm.pref.hyogo.jp

兵庫県立美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION

兵庫県立美術館 兵庫県立美術館

感想・評価 | 鑑賞レポートREVIEWS

3.0

神話化する不条理

阪神淡路大震災から30年。美術が災害をどのように語ることができるのか。わたしたちが、それをどのように受け止めることができるのか。難解さを孕んだ現代美術特有の表現が、単なる災害の記録や回顧としてではなく、ナラティブの問題として提示されているようだった。
束芋ややなぎみわによる作品はとくに、それぞれ「不思議の国のアリス」や「古事記」を連想させるモチーフが印象的だった。ここでは不条理な世界観を物語として構築すること、つまり「語る」ということが、どうしようもない現実と向き合うひとつの方法として提示されているように感じた。私が想起したこれらの文学は荒唐無稽ながら物語として成立し、豊かなイメージの源泉となっている。不条理な、あるいは不可解な出来事や現象は抽象化され、寓意化され、奇妙な単純さと壮大さを兼ね備えて神話化されるが、それゆえいくつもの記憶や現実が投影されうるのではないだろうか(展示で紹介されているように、束芋による震災のエピソードには作家の家族のそれとズレが生じている)。
災害の体験はさまざまな記録と記憶によって構築されている。本展はある意味では、そうしたものを単純化して見せる。田村友一郎によるインスタレーション作品で、コンクリートに描かれた平面的な「イラストの盆栽」が砕け散っているのはまさに、だ。しかしそこから駆動するナラティブは単純化されてはならない。これは語る側の問題であるだけでなく、それを受け取る側の問題でもある。災害のみならず、混迷を極めている世界情勢の中で、こうした問題はますます切実となっている。
展示を鑑賞している間はほとんど何も考えられなかったが、時を置いて思い返すと、向き合うべき問いが徐々に湧出しはじめる、そんな展覧会だった。

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4.0

時の流れに身を置く

今日1月17日で阪神・淡路大震災から30年。なので今日を選んでこの展覧会を訪れた。
展覧会紹介やレビューを拝見して、現代アートだとわかっていたが、震災をどのように表現されるのか・・と考えながら会場に足を踏み入れた。6人の作家が出品している。
 そこで私が感じたのは、「時間」だった。
最初の部屋では震災の年1995年のさまざまなものが展示される。神戸を本拠地とするオリックスのイチローのサインボールやウインドウズ95のコンピュータ。時間が30年前に巻き戻される。
次の部屋ではまず震災10年後の写真が展示され、その後震災の年の写真、そして30年後の現在の写真は6室ある最後の部屋にて展示される。その最後の部屋の横のふきぬけのところから何か音や声が聞こえてくる。そこに置かれているのはいくつかの古いラジオ。その中の一つから「2024年12月21日 1日目・・・(中略)2025年1月17日 28日目・・」とまさに展覧会の開かれている現在この時を日づけと一言日記で流している。きっとこれは明日以降も〇日目と更新しながら展開していくのだろう。
 1995 ⇄ 2025 そして2025→と進んでいく「時間」を感じた展覧会だった。

 そして、同じ美術館でコレクション展「あれから30年ー県美コレクションの半世紀」も開かれている。その中の震災の翌年(1996年)に様々な高名な作家が描いた「復興支援全国ポスター」の原画はこの機会でないとまとまっては見られないので必見だ。自分的には高松次郎の「形・希望」が一番心に残った。

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karachanさん、Camdenさん、morinousagisanさん

4.0

現代アートの「難しさ」と視点というカギで開く「楽しさ」

改めて現代アートの難しさを感じています。展覧会前情報として阪神淡路大震災30年の節目となる展覧会ということだけで、これは行かなければと考えて年末に伺いました。
Meet your artでファンになった森山未来さんの作品を楽しみに、チャンネル15「艀」を体験しました。作品の意図がイマイチ分からず、講演会があったら直接ご本人から話を伺いたいと思いました。その他の作品もフラットに心から通り抜け、引っかかるものはありませんでした。
この展覧会を振り返り、感想を書こうとして、ホームページのステイトメントを読み返すと、本展覧会の主題が「明るい未来を想像することが困難な時代に求められる希望とは何か」であることを知りました。
その視点で再度作品の写真を見てみると、國府理の「水中エンジン」が技術的なチャレンジだけではないことに気づきました。東日本大震災後の原発事故が出発点となっていること、作家が不慮の事故で早逝していること、本展の作品が作家本人ではなく再制作されたものであること、作家の意図を後世が読み取る作業により再生された作品であること、様々なことを知ることで、「水中エンジン」の見え方が変わり、プロセスも含めて、「巳年」にふさわしい「再生」と「希望」を感じました。

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出展作品・関連画像IMAGES

参考:梅田哲也「梅田哲也イン別府『O滞』」2020年 役者:森山未來ほか

参考:やなぎみわ《「女神と男神が桃の木の下で別れる」川中島 II》2016年

米田知子《震源地、淡路島》1995年 国立国際美術館蔵 ©Tomoko Yoneda/Courtesy of ShugoArts

参考:束芋《dolefullhouse》2007年 兵庫県立美術館蔵 ©Tabaimo/Courtesy of Gallery Koyanagi

参考:國府理「國府理 水中エンジン redux」(後期展)2017年 アートスペース虹の展示風景 撮影:Tomas Svab

参考:田村友一郎《試論:栄光と終末、もしくはその週末 / Week End》2017年 インスタレーション

参考:梅田哲也「梅田哲也イン別府『O滞』」2020年 役者:森山未來ほか 撮影:天野祐子

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