没後100年 中村 彝 展
―アトリエから世界へ

茨城県近代美術館

  • 開催期間:2024年11月10日(日)~2025年1月13日(月・祝)
  • クリップ数:17 件
  • 感想・評価:6 件
没後100年 中村 彝 展 ―アトリエから世界へ 茨城県近代美術館-1
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《頭蓋骨を持てる自画像》 1923(大正12)年 油彩、キャンバス 公益財団法人大原芸術財団 大原美術館蔵
《巌》 1909(明治42)年 油彩、キャンバス 皇居三の丸尚蔵館蔵
《自画像》 1909-10(明治42~43)年 油彩、キャンバス 石橋財団 アーティゾン美術館蔵
《婦人像》 1913(大正2)年頃 油彩、キャンバス メナード美術館蔵
《大島風景》 1914-15(大正3~4)年 油彩、キャンバス 東京国立近代美術館蔵
《幼児》 1915(大正4)年 油彩、キャンバス
《鳥籠のある庭の一隅》 1918(大正7)年 油彩、キャンバス
《エロシェンコ氏の像》 1920(大正9)年 油彩、キャンバス 東京国立近代美術館蔵(重要文化財)
※重要文化財の公開日数の制限に従い、12月22日(日)から28日(土)まで、写真パネルによる展示となります。
《朝顔》 1923(大正12)年 油彩、キャンバス 郡山市立美術館蔵
ピエール=オーギュスト・ルノワール《泉による女》 1914年 油彩、キャンバス 公益財団法人大原芸術財団 大原美術館蔵
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この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION

大正13(1924)年12月24日に37年の生涯を閉じた、水戸市出身の洋画家・中村彝(つね)。その没後100年を記念し、茨城県近代美術館では前回展「中村彝の全貌」展(同館・愛媛県美術館・愛知県美術館の共催、2003~04年)から約20年ぶりに、大規模な個展を開催します。

若くして肺結核に冒され、絶えず死と隣り合わせにあった彝は、描くことへの欲求に突き動かされるかのように短い生涯を駆け抜けました。その画業は20年にも満たないものでしたが、「自己の行くべき眞の道」を求めて制作に全精力を傾けた彝の作品は現在に至るまで高く評価され、全国各地の美術館等に所蔵されています。

本展では画家の代表作をほぼ網羅し、重要文化財《エロシェンコ氏の像》(1920年、東京国立近代美術館蔵、期間限定展示)をはじめ、前回展(同館ほか、2003~04年)では出品がかなわなかった《巌》(1909年、皇居三の丸尚蔵館蔵)や、約半世紀ぶりに公開される作品など、約120点が一堂に会します。また、彝が多大な影響を受けたオーギュスト・ルノワールの《泉による女》(1914年、大原美術館蔵)が、彝の作品とあわせて展示される貴重な機会となります。同館のみの単独開催となる本展を、どうぞお見逃しなく。

◆ 中村彝略歴
1887(明治20)年、茨城県水戸市に生まれる。はじめ軍人を目指すが、胸部疾患に冒されて断念。療養の傍ら水彩画を描く中で絵の道を志し、白馬会や太平洋画会の画塾に通い、中原悌二郎ら美術家仲間と切磋琢磨しながら制作に励む。1909年、第3回文展に《巌》が初入選。以降も入選を重ね、新進洋画家として注目される。1911年、相馬愛蔵・黒光夫妻のすすめにより新宿・中村屋裏の画室に移り、夫妻の長女相馬俊子の肖像を描く。1916年、下落合にアトリエを新築、制作に励んだが、次第に肺結核の病が深刻化して床に伏すことが多くなった。1924(大正13)年12月24日、下落合で没。

開催概要EVENT DETAILS

会期 2024年11月10日(日)~2025年1月13日(月・祝)
  • ※本展の巡回はありません
    ※重要文化財《エロシェンコ氏の像》(1920年、東京国立近代美術館蔵)は、重要文化財の公開日数の制限に従い、12月22日(日)から28日(土)まで、写真パネルによる展示となります
会場 茨城県近代美術館 Google Map
住所 茨城県水戸市千波町東久保666-1
時間 9:30~17:00 (最終入場時間 16:30)
休館日 月曜日 
※ただし、12月29日(日)から1月1日(水)は休館、1月13日(月・祝)は開館
観覧料 一般 1,360円(1,240円)
満70歳以上 680円(620円)
高校生 1,130円(980円)
小中生 550円(420円)
  • ※( )内は20名以上の団体料金   
    ※障害者手帳・指定難病特定医療費受給者証等をご持参の方は無料
    ※冬休み期間を除く土曜日は高校生以下無料
    ※11月13日(水)は茨城県民の日によりすべての方が無料
    ※12月24日(火)は満70才以上の方は無料
TEL029-243-5111
URLhttps://www.modernart.museum.ibk.ed.jp/

茨城県近代美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION

茨城県近代美術館 茨城県近代美術館

感想・評価 | 鑑賞レポートREVIEWS

5.0

茨城県の小学生は彝の字をもれなく読めるらしい!

だそうです(爆)
地元出身の有名画家として学校で教えるんだそうです。
ええ、私も読めませんでしたよ。どうせ小学生以下ですよ(笑)

この企画展で何を1番感じたかって、「中村さんって愛されてるなぁ!」でした。
短い生涯で、ってあれだけ言われてるのに、こんなに作品あるの?!って驚きました。
聞けば亡くなってすぐにパトロンから友達からで一切合切徹底的に保存している。それが今日まで沢山の人の情熱で続いてきたからこの企画展が見られるわけで、そこんとこ大事だなぁ…って身に沁みました。

もう一つの収穫は「何故重文になるような絵なのか?」ってことが目で理解できたことです。
印刷で見てたルノワールを、彝さんは実物見たら「ああいうことだったのか。自分たら遠回りして時間を無駄にしたなぁ」とか言って、あんなに画風ごろっと変えて描けちゃう。そっくりだよ!つまりその画法というのか、掴んで描く力が尋常じゃないですよね。
ゴッホが好きな時はゴッホっぽく、なんて当たり前に思えますけど、これだけ色んな画風をものにして、その上で最終章の「カルピスの包み紙のある静物」「頭蓋骨を持つ自画像」の時期に自分の全てを投入していく、あの畳み掛ける迫力は、あの作品量を持ってしか観る側には伝えられなかったでしょう。
西洋美術を愛した1人の日本人画家が命懸けでそれを消化して、新たな表現へ辿り着く様子が生々しくよ〜くわかりました。
茨城県近美の、もっと言うと茨城県の芸術を愛する人達の全面勝利と言える素晴らしい企画展でした。
多分10年位はもうこんなにはまとめて観れないね、ということらしい。
いいもの見ました。頑張って言って良かった。

またここの常設展がいいの揃えてるんですよ〜。これまた凄い点数なんだよな(笑)
ギャラリートーク楽しかったです♡
高田先生はTwitterされてるようですよ、なんてゴニョゴニョ…
連れは小川芋銭が好きで定期的に訪れているようで、この日もご満悦でした。
私は小展示の「没後30年堀井英男」に持っていかれました。
やっぱりここ版画強し!
ギャラリートークで高田先生が清宮質文について熱く語ってましたが、その気持わかる〜!

気がつけば1日がかり。
本当にいい美術館なので、足を伸ばして是非訪れていただきたいです!

補足で、新宿区立中村彝アトリエ記念館にも是非是非!
私は以下のように廻りました。
林芙美… Read More

THANKS!をクリックしたユーザー
FUMITさん、uchikoさん、karachanさん、Camdenさん、Sukekiyo-Acckermanさん

4.0

もっと評価されるべき

浅学の私は「彜」が読めずに調べてしまいました(笑)
プロモーションのメインビジュアルに用いられている自画像がとても印象的で、「もっと観たい」という気にさせられ、茨城まで行ってきました。
いくら浅学とはいえ、それなりに美術展には足を運んでいるのに、なぜ今まで「中村彜」を知らなかったのか不思議なほど、素晴らしい作品でした。
病と闘いながら、それでも創作に打ち込んだ作家の人生を観るような展示会です。
作品点数もとても多く、時代を経て試行錯誤で変化する作風もはっきり見てとることができます。
影響を受けたというレンブラントやセザンヌ、確かに明らかに影響を受けていると思えました。それでいて、創作への渇望を常に感じるような作品たち。
そして彼の才能に魅了されて支援する人たちとの関係性。日本美術の目に見えない歴史の1ページを見ているようでした。
中村彜、もっと評価されるべき作家だと思いました。

THANKS!をクリックしたユーザー
さいさん、Camdenさん

5.0

沢山の彝!!!

ゴッホやセザンヌ、ルノワールに影響を受けていた事もあり
画風の変遷を見比べることが出来てとても良い展覧会でした。
実際に影響を受けたルノワールの作品も特別展示として出展されており
この作品を実際に彝も見て影響を受けたのかぁ、、、
と感じることが出来ました。

模写の作品は本家の写真も参照されており
違いを見るのも楽しかったです。

100点超で見応えもあり、2-3時間は必要です。
中村屋サロン美術館でも行われた彝展がバージョンアップしたような形であり
とても見応えのある展覧会です。

巡回がないのが残念です。

THANKS!をクリックしたユーザー
uchikoさん、Camdenさん、黒豆さん

4.0

中村彝のすべて

没後100年の回顧展。中村彝作品を数多く所蔵する当館に全国から彝作品が大集結です。重要文化財《エロシェンコ氏の像》が東京近代美術館から、《巌》が三の丸尚蔵館から、更には彝氏が衝撃を受けて半日凝視したとされるルノワール《泉による女》が大原美術館から。

まさに中村彝のすべて、後にも先にもこれ以上はないのでは。そして巡回なし、期間はたったの二か月。と、ややハードル高めなのですが、夏に中村屋サロンでの小規模回顧展を見て、中村彝に惹かれ、本展に行きたかった。
念願が叶い、期待通りの充実ぶりで大満足です。

短い画歴で作風は大きく変わります。その変遷を通じて、レンブラントや印象派、特にセザンヌやルノワールへの傾倒・情熱がよくわかります。静物画・風景画も良いですが、彝氏の真骨頂は人物画だと思います。そして、人物画でのレンブラント調・ルノワール調は完全に消化され、彝氏自身のスタイルに転化していると感じます。

全六章だての展示ですが、第三章「中村屋と彝」が好き、中でも相馬俊子の絵が大好きです。俊子への想いの表現が瑞々しすぎて。
彝氏の二十代半ばにして文展入選も果たした新進洋画家として、オーナーである相馬夫妻に誘われ中村屋の画室に移居。そこで、あろうことか、当時十代半ばの長女俊子と恋仲になり、裸婦画を描いて公募展に出品しては女学校から撤回要請される。相馬夫妻に結婚を申し入れるも追い出される。まあ、そりゃそうでしょうね。こんな二人の関係が、絵にそのまま投影されていて、観る側も胸がキュンとなります。
俊子像は下絵も含めて全部で10作存在するそうですが、そのうち8作がずらっと壁に並んでました。もう、うっとり、圧巻です。

東京駅からJR常磐線特急&タクシーで1時間半。時間的にはそれほど遠くないです。

THANKS!をクリックしたユーザー
さいさん、morinousagisanさん、黒豆さん、komagatayaさん

4.0

思いのほか多面的

新宿の中村屋で見るタイプの、レンブラント風の重厚な作品しか知らなかったので、今回、マネ、モネ、セザンヌ、ルノワールと次々と影響をうけつつ自分のものにしていった、バリエーション豊かな作品に感銘を受けました。思いのほか多面的な作品を楽しめました。

THANKS!をクリックしたユーザー
morinousagisanさん

4.0

レンブラントからルノワール、そして独自の境地へ

中村彝というとまず彝「つね」が読めなかった。そして旧ブリジストン美術館(現アーティゾン美術館)でレンブラントの影響が明らかな《自画像》を見たり、東京国立近代美術館で重文指定の印象派風《エロシェンコ氏の像》を見たりして、あまりよく分からないまま、なんでこうも画風が違うのかと漠然と疑問に思っていた。というか、最初はこの2つの作品の作者が同一人物とは思ってなかった。あるときどちらも「彝」であることに気がついて、少々驚いたのだけど、そのままにしてました。

というわけで、20年近く、ほったらかしにしていた疑問が、この展示会で解決しました。中村彝は、最初にレンブラントの影響を受け、次にセザンヌ、そしてルノアールの影響を受けて、そのテクニックを吸収して、独自の世界を構築した、といったところです。ただし、中村彝は肺結核を患っていたため、海外には行けず、レンブラントについては実物をおそらくは見ていない。明治末から大正のころですから、画集はモノクロだろうし、実物を見ないまま、想像力を駆使して挑戦していたんでしょう。

まあ、レンブラントは無理だったけど、ルノワールは実作品を目にすることができたそうです。今回は中村彝が目にした、大原美術館に収蔵されているルノワールの《泉による女》も展示されています。面白いのは、ルノワールを見た後で描いた作品《幼児》がルノワール作品と並べて展示していること。確かにルノアールの影響が見て取れます。

中村彝の作品はいろんな美術館に収蔵されていて、集めるのも大変そうです。出展リストで見ると118点の中村彝作品を集めて展示していて、それだけでも苦労が偲ばれる。えーと、撮影は不可。図録はなかなか詳しく、資料性が高いです。展覧会自体は巡回しないそうなので、お見逃しないように。

THANKS!をクリックしたユーザー
さいさん、Camdenさん、黒豆さん、morinousagisanさん、他1人

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出展作品・関連画像IMAGES

《頭蓋骨を持てる自画像》 1923(大正12)年 油彩、キャンバス 公益財団法人大原芸術財団 大原美術館蔵

《巌》 1909(明治42)年 油彩、キャンバス 皇居三の丸尚蔵館蔵

《自画像》 1909-10(明治42~43)年 油彩、キャンバス 石橋財団 アーティゾン美術館蔵

《婦人像》 1913(大正2)年頃 油彩、キャンバス メナード美術館蔵

《大島風景》 1914-15(大正3~4)年 油彩、キャンバス 東京国立近代美術館蔵

《幼児》 1915(大正4)年 油彩、キャンバス

《鳥籠のある庭の一隅》 1918(大正7)年 油彩、キャンバス

《エロシェンコ氏の像》 1920(大正9)年 油彩、キャンバス 東京国立近代美術館蔵(重要文化財)
※重要文化財の公開日数の制限に従い、12月22日(日)から28日(土)まで、写真パネルによる展示となります。

《朝顔》 1923(大正12)年 油彩、キャンバス 郡山市立美術館蔵

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