4.0
絵本作家のいわいさんはなかなか、とはいえ「時間層II」は感動的でした
絵本作家としてのいわいさんについては、あまり知りませんでした。やはりメディア・アーティストとしての岩井俊雄については、デビュー当時から見てきたこともあって、そこそこ思い入れもあるのですが、そういえば最近あまりメディア・アート作品の新作は見てないなあというところで、この展覧会を拝見しました。
というわけで いわいとしお作の『100かいだてのいえ』シリーズがベストセラー化して、海外で翻訳されているというのは知りませんでした。しかし、このシリーズはなかなか面白くて、自分が子どもだったら絶対購入するだろうなあ、という作品でした。その設計アイデアもユニークで、元々は「娘さんが小学校の算数で数字を数えること、数字のくりあがりにつまずいているのをみて構想された」というあたりがいい感じです。まあ、その辺のアイデアスケッチも含めて原画が並んでいるので、見応えあり。
そして、メディア・アーティストとしての過去の作品、例えば《時間層II》(1885年)は久しぶりに見ました。円盤の上に立っている紙の人形が、円盤の回転とストロボの点滅で動き変わっているように見える、という作品ですが、相変わらず驚かされます。まあ、いろいろと思い出深い作品が拝見できて、お得な感じです。
ちなみに撮影はほぼ不可というか一部可だけど図録はなし。ということで評価はマイナス1で4です。まあこの展覧会で図録を作るのは大変だろうけどね。