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初公開仏教美術が嬉しいです。これからも初公開が増えるかとの期待。
立川にある真如苑さんのミュージアム。実家の八王子では、創価学会か真如苑か、というくらいに信者の方が多くいらして、JR中央線では雪の結晶のようなバッチを付けた方を沢山お見掛けしました。半蔵門ミュージアムさんは、駅近で、まだ新しくとてもきれいで、常設で伝運慶の大日如来や不動明王坐像やガンダーラ仏、両界曼荼羅や仏画などは定期的に入れ替え展示されていて、ちょっと変わった小特別展もあったり、3階では仏教文化に関する映像を楽しめるシアターと講座などを開催するホールを併設していて、全て無料。受付の方もショップ&カフェの方も、みなさんとても親切丁寧で感じよく、流石です。特に宗教勧誘のようなことも個人情報を聞かれることも全くなく、上野の「びわ湖長浜 KANNON HOUSE」が閉館になって、無料でお会いできる良い仏像たちとして、それ以上に色々な資料も揃っていて、仏教美術好きには嬉しい施設です。丁寧なのはキャプションもですね。ありがたいです。今回の初公開《如意輪観音》なかなか良いですね。四臂のうち二臂がやや太め。そのためちょっと頑張って半跏思惟の形をとっている様にも見えてしまいますね。法隆寺はややずんぐり目ではありますが、広隆寺、中宮寺の有名な如意輪半跏思惟像はいかにも華奢ですから‥比べてしまいますよね。制吒迦と矜羯羅《二童子立像》は、いつもの《不動明王坐像》と並んで、再会を喜んでいるのかと。不動明王とは作風が異なっていました。修理による汚れの除去によってうっすら彩色と切金がよりよく見えました。ガラスケース無の展示ならではです。《大日如来坐像》の像内納入品原寸模型が同じく初公開されていました。運慶が考案し、造像に取り入れた上げ底式内刳りという方法で制作され、像の内部に心月輪という仏像の魂が納められていたなど、感動です。いろいろ分かったことが増えて、詳しく説明もされて、これからもとても同館の展示、とてもとても楽しみです。當麻寺を思い出す中将姫の《当麻曼荼羅》もなかなかの見物でした。