5.0
細かく見てみて
20240725
淡い水彩画が素敵と思って行ったが、細かく見るとこれまた心惹かれるものばかり。
帽子の男がこちらを見ている絵は、サングラスかとおもったら目が口になっていた。
青も微妙にみな違う色で、ふぅんと思う。
静かな絵だけど、ささやきが聞こえる。
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ジャン=ミッシェル・フォロン(Jean-Michel Folon, 1934-2005)は、20世紀後半のベルギーを代表するアーティストのひとりです。若き日に偶然出会ったマグリットの壁画に感銘を受け、絵画世界に惹きつけられたフォロンは、1955年に移住したパリ近郊でひたすらドローイングを描く日々を送ります。
フランスではなかなか芽が出ませんでしたが、作品を投稿したアメリカの『エスクァイア』『ザ・ニューヨーカー』『タイム』などの有力誌で注目され、1960年代初頭にはそれらの表紙を飾るようになります。その後、オリベッティ社(イタリア)のグラフィック・デザインを任されたり、ミラノ・トリエンナーレ(1968年)のフランス館で壁画を依頼されたりと活動の幅を広げていきました。続くヴェネツィア・ビエンナーレ(1970年)やサンパウロ・ビエンナーレ(1973年)へのベルギー代表としての参加や、各国の美術館での個展の開催など目覚ましい活躍をみせます。世界中で高い評価を得たその活動は、版画や水彩画、ポスター、文学作品の挿絵や舞台美術など多岐にわたります。
色彩豊かで幻想的な詩情あふれるその作品は、一見すると美しく爽やかにさえ感じられますが、そこには環境破壊や人権問題など厳しい現実への告発が潜んでいます。後年手がけた彫刻作品にも、孤独や不安といったそれまでのグラフィック作品に通底するフォロンのメッセージを読み取ることができるでしょう。
本展はフォロンの初期のドローイングから水彩画、版画、ポスター、そして晩年の立体作品までを含めた約230点を紹介する、日本では30年ぶりの大回顧展です。デジタル化やパンデミック、戦争など、社会的に大きな曲がり角にある現代、環境や自由への高い意識をもち、抑圧や暴力、差別などに静かな抗議を続けてきたフォロンの芸術を、いま、あらためて見直します。
会期 | 2024年7月13日(土)~2024年9月23日(月・振) |
---|---|
会場 | 東京ステーションギャラリー Google Map |
住所 | 東京都千代田区丸の内1-9-1 |
時間 |
10:00~18:00
(最終入場時間 17:30)
|
休館日 |
月曜日、7月16日(火) ※ただし7月15日、8月12日、9月16日、9月23日は開館 |
観覧料 | 一般 1,500円(1,300円) 高校・大学生 1,300円(1,100円) 中学生以下 無料
|
TEL | 03-3212-2485 |
URL | http://www.ejrcf.or.jp/gallery |
割引券 | http://www.ejrcf.or.jp/gallery/campaign.html |
5.0
20240725
淡い水彩画が素敵と思って行ったが、細かく見るとこれまた心惹かれるものばかり。
帽子の男がこちらを見ている絵は、サングラスかとおもったら目が口になっていた。
青も微妙にみな違う色で、ふぅんと思う。
静かな絵だけど、ささやきが聞こえる。
3.0
見たことがあるような気もするけどおそらく初見の作家です。
フォロンはインクのドローイングがとても良いですね。
後半に展示されていた水彩も柔らかで優しげな雰囲気で良いです。
あと数は少ないけど写真作品にも惹かれました。
環境や戦争、社会問題にも目を向けた作品群にはピンとこず。
出品数もかなり多くて充実の大回顧展と呼んで差し支えないと思います。
膨大な仕事量があったからこそ空想でどこまでも飛び立てたのかも。
結構観客が入っていて人気の作家なんですね。
4.0
ファンタジーチックな色調や優しい線だけど、ちょっと寂しくシニカル。
ポスター等で70年代80年代は活躍していたので当時よく目にしていたが、本当に久しぶりに晩年までの作品群に会えた。
色彩のマジックは古くならず、独特の線の走りもうならせられる。アイディアも仰々しくないけど鋭い。
不思議な頭部を持つ彫刻や船のコラージュ作品を観られたのはとても嬉しかった。
優しいテーマもあるけど、けっこう皮肉や風刺の作品が多かった気もする。それは確かにフォロンの魅力だけど、ちょっと作風ごとに並べすぎて、偏りが生まれてしまう気がしたのは残念。
もっと商業的なポスターを観たくもあった。
7月18日(木)11時入館。ちょっと混雑(特に入口付近)。撮影不可。
4.0
ファンタジックなものを予想してたら
乾燥した、無機的で虚無に満ちた
惑い(迷い)が画面いっぱいに広がっていた
これは面白いな。矢印や都市なんかはわかりやすいけど
自分が何者でもなくどこに向かうでもなく何を、どこに行けばいいのかすらわからない
そういったここにいるけどいないもやもやとしたものを強く感じる
それだけに環境や反戦といった「方向づけられてしまった」作品は
正直個人的にあまり刺さらない。わかりやすくなったがゆえに魅力が薄れ
紋切り型の平凡に終始してまったかのような残念さすら感じてしまう
どちらが好みかは人によるとは思うけど
どこに向かえばいいかわからない四方八方に矢印が向いているような作品のほうが好みだった
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