4.0
絵画と書が通底する「黒の世界」
ルーブル美術館で生前に大回顧展を開催したのはピカソとシャガールだけで、3人目となるのが、スーラ―ジュ、そんなすごい人だとは知りませんでした。書のようにも見える抽象画、突き詰めた精神性を感じます。だからこそ、森田子龍との出会い、交流も偶然ではなく、心でつながった必然であったと感じました。そのスーラ―ジュの作品は写真OKで、森田子龍の作品は写真不可でしたので、写真がダメなら気に入った書の絵ハガキがあればと期待しましたが、「坐俎上」だけで残念でした。
なんて書いてあるかまったくわからない「蒼」「底」「凍」…ですが、形そのもののもつ力を感じ、なんて漢字が書かれているか知った後にもう一度書を読むと、この部分はここかもとなんとなくわかる。また、「龍」のような形で像としての龍を表わしているものや「忍」の刃だけ表現しているもの、いい「香」を嗅いだとき心が躍るように字が舞っているのがいいなと思っていたら、「舞」の書もあり、う~ん、「香」の方が「舞」っぽいですね。「香」が一番かっこいいと思いました。