5.0
描きたいもの
画壇とは距離を置き、媚びることもない。
作品を高く評価した者が本物を手にしてきた。
日本ではセンスも生き方も並外れていて、高評価の西洋とは違い、最近まで忘れられていたというのが悲しいというか、情けないくらい。
海外に散った作品もまだまだ観てみたいと思わせる圧巻の内容でした。
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明治から大正にかけて活躍した渡辺省亭(わたなべせいてい)の全貌を明らかにするはじめての展覧会です。
省亭は明治11(1878)年の万博を機にパリに渡り、ドガをはじめ印象派の画家たちと交流した経験を持ちます。繊細で洒脱な花鳥画は、その後、万博への出品やロンドンでの個展などにより海外で高い評価を得ます。
一方、国内では、迎賓館赤坂離宮の七宝額原画を描くなどその実力は認められながらも、明治30年代以降は次第に中央画壇から離れて市井の画家を貫いたため、展覧会で紹介される機会が少なくなりました。
この展覧会では、海外からの里帰り作品を含め、これまで知られていなかった個人コレクションを中心に、省亭の全画業を紹介します。
会期 | 2021年3月27日(土)~2021年5月23日(日) |
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会場 | 東京藝術大学大学美術館 Google Map |
展示室 | 東京藝術大学大学美術館 本館 展示室1、2、3 |
住所 | 東京都台東区上野公園12-8 |
時間 |
10:00~17:00
(最終入場時間 16:30)
|
休館日 |
月曜日 ※ただし、5月3日(月・祝)は開館 |
観覧料 | 本展は事前予約制ではありませんが、今後の状況により変更及び入場制限を実施する可能性がございます。 最新の情報は公式サイトで確認してください。 一般 1,700円(1,500円) 高校・大学生 1,200円(1,000円)
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TEL | 03-5777-8600(ハローダイヤル) |
URL | https://museum.geidai.ac.jp/ |
5.0
画壇とは距離を置き、媚びることもない。
作品を高く評価した者が本物を手にしてきた。
日本ではセンスも生き方も並外れていて、高評価の西洋とは違い、最近まで忘れられていたというのが悲しいというか、情けないくらい。
海外に散った作品もまだまだ観てみたいと思わせる圧巻の内容でした。
5.0
知らない画家だと思ったら、既に出会っていたのです。
迎賓館赤坂離宮 花鳥の間で。
花鳥の間の七宝額の美しさにとても感動したのですが、無線七宝と言う技法と濤川惣助の方に関心が向いてしまい、渡辺省亭の名前は忘れていたのです。
でもこれでもう忘れないでしょう。
肝心の展覧会ですが、絶妙な色使いと圧倒的な画力に引き込まれます。
鳥や兎や虎までも羽根や毛がほわっほわ〜だし、本レビューのアイコンにもなっている百舌鳥にロックオンされた蜘蛛の絵は、両者の緊張感まで伝わって来ます。
伊藤若冲をオマージュした作品や美人画、書や七宝作品も。
とにかく繊細で優美な画風に癒されます。
ただ、これだけ徹底した写実描写なのに?な所も有って、解明出来ずに現在に至ります。
再開したら後期も行きたいです!
※4/21時点で入館時の事前予約は不要、1Fミュージアムショップはチケットが無くても利用可能でした。
3.0
構図、背景・枝葉の大胆な筆致は、日本画のそれなのだが、主体物は西洋画的超細密描写。
欧米で人気を博したのが理解できる宮川香山のようなTOO MUCH、技巧的作品群。
花鳥画はどれも華やかで綺麗で、目を奪われる。
ただ、日本画として観ると、巧いんだけど、装飾絵画要素・イラスト感が強すぎる気がする。七宝の原画も手がけ、工芸品として仕上がると馴染むのは、どこかデザイン的技量が勝っているからではないかと思う。
比べてはいけないのだけど、若冲のような魂を感じることは無い。日本画として観に行かなければ、いいのかもしれない……とにかく美しいことに間違いは無いのだから。作者も後年美術展覧会・美術団体と距離を置いたというから、職人さんだったのかもしれない。
会期残り少ないのに休館。残念。
コロナ対策でロッカーが使用できなかった。手荷物等注意です。
5.0
海外、個人蔵を含め主だった所蔵先からの出品です。これまであまり観る機会の少なかった省亭の美人画、歴史画の優品が多数展示。圧巻は花鳥画の展示で、省亭の代表作を含め、主だった作品が集結。展示に工夫を凝らしてあり、展示ケース越しにズラズラ並んでということ無し。空いているスペースにまわりながら、濃密でいて瀟洒な花鳥画をじっくり堪能出来ます。
5.0
時々作品を見かけて、気になっていた画家でした、
花鳥風月画だけでなく、人物も素敵です。
どの絵も品が良く、自然ってこんなに美しい、きれいなんだなぁとしみじみ。
レイアウトが絶妙です。表装の渋めで抑えた感じが、さらに絵を引き立ててました。
琳派、浮世絵、大和絵、水墨画が全部凝縮されているように思いました。
展示数は少なめですが、3階は作品をかなり近くで拝見できます。
予約不要で平日に行きました。そこそこの人出。でも、鳥獣戯画展の混雑に驚いた後でしたので、これなら全然密ではない!と、安心して鑑賞できました。
コインロッカーが使えなかったのが残念。
常設のミュージアムショップは2階で、渡辺省亭のミュージアムショップは1階です。
期待をいい意味で裏切られ、ほんと、行って良かったです。
木島桜谷、竹内栖鳳の好き方、おすすめです。
5.0
早かった染井吉野が終わりかけたころ、平日の午後早い時間に訪問しました。
入場予約はありません、会期後半になると週末などは待ちがあるかもしれません。
鳥の描写が素晴らしい画家で、空気間が豊かな、その場にいて、高く飛ぶ鳥の羽音や鳴き声も聞こえるような、滝の水音も、竹の風も感じられるような作品がならびます。
一度まとめて拝見したかった画家でしたので、念願かなってうれしい、展示替えのあともう一度行きたいと思います。
5.0
取や小動物など、愛らしく繊細でした。半田とは思えないような細かさに驚きました。
展示方法もギャラリーっぽく、自由に歩いてみて回れるような府に気になっていたのが楽しかったです。
5.0
ドガの目の前で枝の先に留まる鳥を即興で描いたエピソード。書も嗜み卓越した技で瀟洒な作品は日本のみならず西洋でも通じたのですね。写実的なのに鳥や獣の優しい眼差しが魅力的。
同時開催の斎田記念館でも素晴らしい作品が見られます。加島美術も見に行きたいし後編も期待大です。
4.0
渡辺省亭、良いですね。
ここ数年で見る機会が増えましたが本当に上手い作家です。
花鳥画が当然抜群ですが美人画もいけますね。
特に海外から里帰り花鳥画がどれも素晴らしくて全部欲しい!
斎田記念館作品も久々の再会が嬉しい。
省亭は小~中型の作品が魅力的で市井の人々に好まれたのも分かります。
中央から離れたのも自身の立ち位置を理解していたのかも。山本周五郎みたい。
過剰な書き込みはせず良い加減のところで止められる粋なところが江戸らしさ。
ロッカー使用不可は大変不便です。他館はしっかり対応しています。
省亭紹介映像部屋と2階は独立ケース多数で思ったほど出品数は多くありません。
16時過ぎれば快適に観られると思います。
某日本美術史家が激推ししていてなんかハイプな印象も先行していましたが
やはり素敵な作品が揃っています。
3.0
展示数は少ないながらも素晴らしい花鳥画が並んでいます。ただし、ロッカーが一切使えなかった為、重い荷物を持っての鑑賞となりました。娘と一緒に行ったこともあり、作品の良さよりも疲れた記憶が残りました。
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