4.0
ゴッホとその時代
ゴッホが影響を受けたとされるハーグ派と印象派の作品と関連づけて、またゴッホからの書簡の引用が展示室に散乱する形での展覧会、ゴッホの人となりやその時考えていたであろうことを念頭に入れながら鑑賞しました。
特に独学からの脱皮、フランスへの移住とゴッホの人生を追う形での展示方は印象的でした。
ハーグ派はそれまで作品を意識して鑑賞したことはありませんでしたが、明るい画面からゴッホがたしかに影響を受けたことは明らかでしたし、イスラエルスやウェイセンブルフという日本では馴染みのない作家を知れたことは、この展覧会での大きな収穫でした。
ハーグ時代のゴッホの画面は暗い印象でしたがハーグ派自体はそうでもないのかな?と思わせる明るい色彩に驚きました。
「モネが風景を描くように人を描かなければ」との言葉が展示室に掲げられ、モネ、シニャックなど影響を与えたであろう作家の作品が並び、ゴッホ作品との対比を楽しめました。
タンギー爺さん、ガシェ博士、自画像からは人の心情までも浮かび上がらせるような作品に冒頭の引用が強く感じられました。
特に絵の具を大量に塗布した作品は印象派から受けた影響が多いのかもしれません。立体感を求めて3D化したのでしょうか。そんな疑問も浮かんできました。
糸杉は目玉作品だったのでしょうが人が多すぎてほとんど見えず。。
展示方法は楽しめたのですが、展示会場内の狭さに加えて人の多さで具合が悪くなりそうでした。
せめて時間帯を区切ってチケットを発券するなど対処策はあったと思います。
グッズも大行列、ネット販売にすればよかったのでは?
Twitterで糸杉ルームと紹介されていた部屋も絵をゆっくり見るような状態ではありませんでした。
会場の狭さと人出の見込みは開催前からわかっているはずですし、上野の森美術館の運営はいつも不手際が多いと思います。改善を強く望みます。