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永青文庫の設立者・細川護立（ほそかわもりたつ 1883～1970）は、同時代の日本画家たちにいち早く注目し、彼らの作品を積極的に蒐集しました。永青文庫に伝わる護立の近代日本画コレクションのなかでも、36歳の若さで夭折した菱田春草（1874〜1911）の「黒き猫」（重要文化財）は、不動の人気を誇る作品です。墨のぼかしによって、思わず触ってみたくなるような、猫の柔らかな毛並みを見事に表現しており、明治43年（1910）の第4回文展に発表した当初から高く評価されました。
この度、クラウドファンディングでの支援と、国・東京都・文京区からの補助により、初めて本作の本格的修理が行われました。修理完成を記念した本展では、「黒き猫」や「落葉」（重要文化財）など、永青文庫が所蔵する春草作品全4点を前・後期に分けて公開するほか、横山大観、下村観山、鏑木清方といった近代日本を代表する画家たちの優品を一堂に展覧します。あわせて、護立との交流を示す作品や資料、貴重な画稿も紹介。さらに特別展示として、中国の禅僧・清拙正澄（せいせつしょうちょう）と楚石梵琦（そせきぼんき）による墨蹟2点（いずれも重要文化財）を修理後初公開します。今秋は永青文庫で、近代日本画と中国墨蹟の粋をお楽しみください。
| 会期 |
2025年10月4日(土)～2025年11月30日(日)
|
|---|---|
| 会場 |
永青文庫
 Google Map |
| 住所 | 東京都文京区目白台1-1-1 |
| 時間 | 10:00～16:30 （最終入場時間 16:00） |
| 休館日 |
月曜日、10月14日、11月4日、11月5日、11月6日、11月25日 ※ただし10月13日、11月3日、11月24日は開館 |
| 観覧料 | 一般 1,000円 シニア（70歳以上） 800円 大学・高校生 500円 ※中学生以下、障害者手帳を提示の方及びその介助者（1名）は無料 |
| TEL | 03-3941-0850 |
| URL | https://www.eiseibunko.com/ |
4.0
永青文庫で修復の終わったふわふわの「黒き猫」殿を拝見してきました。全体に数は少ないのですが、菱田春草の「六歌仙」などは流れるような線と雅な雰囲気がとても素晴らしく、見応えがありました。ついつい大きな展覧会風にサッサか見てしまいますが、人も少なく展示も少ないのでじっくり時間をかけてみました。永青文庫は古き良き時代ののんびり感が漂っていて、物販も値段というか、寄付額になっており面白かったです。隣の肥後細川庭園でお抹茶を飲んできましたが、こちらのお庭も素晴らしいですよ。
3.0
永青文庫の近代日本画展、まあまあです。
４階メインフロア奥に修復した黒き猫が一点のみ展示。
展示位置の高さに難はあるものの金の煌めきは確かに分かるかも。
やっぱり菱田春草のマスターピースは落葉（後期展示）だと思うのです。
他には春草の六歌仙図が良いですね。デザインと写実のバランス感が抜群。
３階は小品、２階は書簡など。展示ケース内にキャプションとか・・・勘弁
どうしても物足りなさが残る展示ではありました。
5.0
前期目玉の黒き猫を筆頭に春章中心に展示されているのが嬉しい！観山、大観の優品もさる事ながら、3階展示室の護立との交流を示す作品や資料、貴重な画稿が多数展示されていて、コアな近代日本画好きにはたまらない。特注の大観の小品、中村岳陵の絵巻、個人的に好きな安田靫彦や小林古径の代表作の画稿、スケッチはたまりません。
4.0
菱田春草の作品が素晴らしかったです。
「六歌仙」は等身大かと思うほど大きな作品でした。小野小町の黒くて長い髪がたなびいているように見えビックリしました。
4階から回るようになっていましたが、エレベーターもあります。階段も趣があり素晴らしいです。貴重な本も飾られていました。2階では、1階の売店で販売されている本を読めるようになっていました。
売店について。寄付金額に応じた返礼品みたいな販売方法で初めて見ました。鍔のマスキングテープという面白いものがあり、一目惚れして即買いました。他にはあの猫がデザインされた甲州印伝の小さなカードケース？やポストカードがあったと思います。
建物自体も素晴らしかったです。昔の人は現代人より背が低かった為か、ドアノブの位置が低くて、うわぁとなりました。
その後は隣接の公園にも行きました。永青文庫と公園の間には、わりと急な階段があるので、スニーカーで行った方が良さそうです。よく整備された美しい庭園でした。平日の昼間で人はまばらで、ランチをされている方や結婚式の前撮りをされている方がいて非常に穏やかでした。公園内にベンチも点々とありますが、お茶を飲めるようなお店もありました。永青文庫は駅から少し歩きますが、川や面白い建築物が道中にあり、景色を見ながら楽しく歩けました。
3.0
「春日の朝」朝靄の中に二頭の鹿
夫婦鹿なのかしら？
その表情で観ているこちらまで 穏やかになります
期待の「黒き猫」フォルムが丸っこいので遠目では可愛らしいのですが
よくよく観てみると(何見てんだよ)って言ってるみたい…
掛軸「山色連天」小襖「月に雲図」手拭等の横山大観の作品が良かったです
ライトもあたってなく見逃しがちですが
4階展示室の作品の下には
沢山の長持が納められていました
3.0
有名な作品の実物を見てみると、いかに作品をぼんやりとしか捉えていなかったことに気づく。
『黒き猫』もそう。
「手前に猫、背景に黄色の葉っぱ」くらいの認識だったので、細かいところを見ると、もうびっくり！
毛並みは精密なのに、足は指を線で分けるくらいの力の抜け方。
耳の中が白っぽい毛で覆われていたことも再発見。
猫が乗っている幹も曲がり過ぎていて、枝や葉との繋がりまで気になってくる。
この作品だけでも、十分楽しめました。
『六歌仙』は人物が大きく描かれていて、それぞれの描き分けが楽しめます。
小野小町の髪の表現が自然で、近代の画家はこう描くか！と思いました。
下村観山の『春日の朝』もいいですね。
ふっくらした鹿のペアが眠たそうに目を半開きにしているところが朝っぽい。
現在の奈良公園では見られない光景だろうなぁ。
おだやかな感じの作品が多くて、過ごしやすくなった季節にちょうどいい内容です。
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重要文化財 菱田春草「黒き猫」 明治43年（1910） 永青文庫蔵 ※前期展示
重要文化財 菱田春草「落葉」（左隻）明治42年（1909） 永青文庫蔵（熊本県立美術館寄託）※後期展示
重要文化財 菱田春草「落葉」（右隻）明治42年（1909） 永青文庫蔵（熊本県立美術館寄託）※後期展示
菱田春草 「平重盛」 明治27年（1894）頃 永青文庫蔵 ※前期展示
菱田春草 「六歌仙」（左隻） 明治32年（1899） 永青文庫蔵（熊本県立美術館寄託） ※前期展示
菱田春草 「六歌仙」（右隻） 明治32年（1899） 永青文庫蔵（熊本県立美術館寄託） ※前期展示
横山大観「柿紅葉」（左隻） 大正9年（1920） 永青文庫蔵（熊本県立美術館寄託）※前期展示
横山大観「柿紅葉」（右隻） 大正9年（1920） 永青文庫蔵（熊本県立美術館寄託）※前期展示
下村観山 「春日の朝」 明治42年（1909）頃 永青文庫蔵 ※前期展示
