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歌川国芳展 ―奇才絵師の魔力

歌川国芳展 ―奇才絵師の魔力

大阪中之島美術館|大阪府

開催期間:

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浮世絵の親しみ

 キース・ヘリング展の時も感じたが、商業を意識した芸術とグッズとの相性は抜群である。国芳作品もグッズとして手元に置きたくなってしまった。特に、三枚続の作品を三つ折りのクリアファイル、ノートで再現したグッズはアイディアが素晴らしかった。(余談だが、村上隆展の時、お客さんも多いし、作品も大きいしで、作品全体を写真におさめるのがかなり難しかった。その結果、グッズで作品全体を所有したくなるんだろうな、と思った。石崎光瑤の大きな屏風をクリアファイルとして所有するのもかなりの満足感だった)

 鑑賞中は、近世への教養のなさを痛感した。絵の登場人物やストーリーの知識がなく、江戸時代の人と同じように鑑賞できないのがもどかしかった。また、美人画では、裾や袖からはみ出る襦袢や肌が当時はどれくらいの色っぽさを表していたのか分からなかったので気になった。
 それから、版画に関してもまだ良くわからないため、「龍図」のぼやけた輪郭線は本当に版画なのか(直接筆で描き込まれたものではないのか)、わからなくなって混乱した。

 というような教養の欠如を感じつつも、版画からは当時の文化が窺えて面白かった。多様な動物たちが登場し、狸やイモリやカエルなど、現代ではあまり本物に触れる機会がない生き物が、当時馴染み深かったのだと感じた。また、現代の和装は夏用の浴衣のイメージが強いため、和装で着込んでいる女性たちに当時の生活感を垣間見れて良かった。
 そして、武者絵の迫力、緊張感。漫画のバトルシーンを読む時は、展開が気になることもあるし、またアニメ感覚で読むため、アクションと等速でページをめくっていく。しかし、国芳の絵は、睨み合いの瞬間、敵を抑え込む瞬間を切り取ってあり、そこだけでもしみじみと鑑賞してしまう。
 最後に、気に入ったのが「文覚上人那智の滝荒行」。三枚続が縦に連なっている。当時はどのように鑑賞していたかは分からないが(畳の上に並べて鑑賞していたかもしれない)、壁に展示してあることにより、滝を見上げるような感覚で鑑賞できて、実際に水が落ちてくるような感じを味わえた。

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