5.0
油絵とは思えない色彩と透明感
色使いが美しく気持ちが柔らかくなるような作品です。明るい色は光を帯びているように軽く、濃い色も、その時々で淡さや光沢を感じさせる表現で重さのない優しい色合いです。精密な描写と抽象的な表現のバランスが良く、観ていて心地よかったです。
絵本作品は他者に対する愛情が感じられるお話で、絵巻物を連想させる流れのある構図が面白かったです。
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牡丹靖佳(ぼたんやすよし)は、ニューヨークで絵画を学び、帰国後は国内のさまざまな展覧会に出展しながら海外での活動も継続的に行い、国内外からの評価を得てきました。
絵画、立体、装画と、創作の幅が多岐にわたる牡丹ですが、核として取り組んでいるのは絵画です。そして、時とともに画風と主題に変化はありながらも、一貫して「現実」と「虚構」が重層し、光によって現れては消え、うつろいゆく世界を画面に留めてきました。その透明感のある色で揺らぎながら現れた木々や花、生きもの、人、風景には、まるで物語の一場面を切り取ったかのような情緒が漂います。
さらに2006年からは、絵画と並行して絵本づくりにも取り組んでいます。これまで絵と言葉の両方を手がけた絵本と児童書を計5冊刊行し、豊かな色がきらめきながらも不穏な気配や静寂さが潜む物語世界をつくり上げてきました。その幻想的な世界観は高く評価され、なかでも『おうさまのおひっこし』(2012年)は第24回ブラチスラバ世界絵本原画展賞にノミネートされました。
美術館では初の個展となる本展では、新作と旧作の絵画および絵本原画を交差させながら約100点の作品を展示いたします。なかでも、幅約6メートル、高さ約2.5メートルの新作《兎月夜》は、月夜に踊る兎を主役に、天と地、生と死、虚と実と、相反するものが交錯する深淵な森を描いた大作です。
牡丹が描き捉えた世界の「ゆるやかなうつろい」を、ぜひご覧ください。
会期 | 2024年1月12日(金)~2024年2月25日(日) |
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会場 | 市立伊丹ミュージアム Google Map |
住所 | 兵庫県伊丹市宮ノ前2-5-20 |
時間 |
10:00~18:00
(最終入場時間 17:30)
|
休館日 |
月曜日、 2月13日 ※ただし 2月12日は開館 |
観覧料 | 一般 500円 大高 300円 中小 200円 |
TEL | 072-772-5959 |
URL | https://itami-im.jp/ |
5.0
色使いが美しく気持ちが柔らかくなるような作品です。明るい色は光を帯びているように軽く、濃い色も、その時々で淡さや光沢を感じさせる表現で重さのない優しい色合いです。精密な描写と抽象的な表現のバランスが良く、観ていて心地よかったです。
絵本作品は他者に対する愛情が感じられるお話で、絵巻物を連想させる流れのある構図が面白かったです。
4.0
牡丹靖佳さんを初めて知り、絵本の世界にどっぷり浸る鑑賞時間を過ごしました。たまのりひめ、おうさまのひっこし、たびする木馬、めいわくなボール、どれも楽しい、くすっとするユーモアが心を温かくしてくれます。特に、最初のたまのりひめが一番よかったです。顔と玉のフォルムが一緒、キャラクターとして他の作品にも出てくるあたり、これが原点であると感じました。
5.0
絵本作家でもあり、画家でもある方の個展
初期の日本画的なタッチの「たまのりひめ」や「おうさまのおひっこし」個性的で面白かった。
「たびする木馬」は雰囲気が好みで、「めいわくなボール」はインテリアが素敵だった。
5.0
現代美術家であり絵本作家である。
イメージが異なる肩書を併せて紹介される画家さんは、どんな作品を描かれているんだろうという興味から足を運んでみました。
絵本の絵の方は、柔らかい色彩とデザイン的な構図が印象的でした。とくに最新作の「たびする木馬」は木馬を絵の中心におき、その木馬がお話の中心にもなる展開。絵とともにお話に引き込まれました。
絵画の方はリネンに油彩という手法に驚くとともに、油彩のイメージとは遠い柔らかい表現に油彩はキャンバスという自分の固定観念を良い意味で崩されました。
これから楽しみな作家さんに出会えたこと嬉しく思います。
また同じ伊丹市立美術館で開催されていた「河東碧梧桐と石川九楊」展。
碧梧桐の俳句を書家の石川九楊が書で表したものですが、その斬新な書に驚き、感動しました。
初めて石川九楊という書家を知りましたが、これも嬉しい出会い。
牡丹展と同じく2月25日まで開催中。同じ場所でも違う展覧会で入館料は別にかかりますが、同じ美術館に行くなら両方みることをおすすめします。
5.0
夢か現実か?華やかな色彩にあふれているのに、神秘的で、なぜか不安になる。そんな絵画に出会いました。キャンバスを何枚も並べて一つの作品にしたり、絵本原画があったり、面白い展示だと思います。JR伊丹駅から、伊丹の街を10分ほど散策したところに、美術館があり、私のお気に入りの場所です。
2.0
アートアジェンダさんからチケプレでチケットを頂いて伺ってきました。
この伊丹の美術館、メジャーではありませんが結構好きなんです。
絵本の原画展示を良く開催されており、本展の作家さんも絵本作家としても活躍されている繋がりから美術館では初の個展となったのかもしれません。
絵画制作は、油彩だけでなく、鉛筆や他色々なものを使って描き、なん層にも重なり、森の奥の方へ導かれるような。独自の手法で描かれています。どこの国でもないけれど、日本でもない。
同時開催の「河東碧梧桐と石川九楊―筆蝕の冒険」はちょっとびっくりでした。 俳人河東碧梧桐自体がこんな書を書いていたなんて!全く知らない書家でしたが、九楊作品「河東碧梧桐一〇九句選」((+_+))
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