5.0
大袈裟だけど、日本に生まれてきてよかった。
チラシがかわいく、また府中市美術館が好きなので観に行った。
作品を観ていて、“ほとけの国の美術”という題が、ぴったりでとても好きになった。
解説を面白く、鑑賞するのがさらに楽しくなるほどだった。
相変わらず、日本画の犬がかわいかった。
まじまじと観るのが恐ろしいほどの作品があったり、またゆっくり観たい美術展でした。
ちょうど桜が見ごろで、それもまたきれいだった。
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「ほとけの国の美術」という言葉から、皆さんなら、どんな美術を思い浮かべますか?天平時代の優美な仏像、平安時代の洗練された仏画、あるいは、鎌倉時代に運慶が作った端正で力強い仏像でしょうか?もちろん、どれもが素晴らしい「仏教美術」です。しかし、この展覧会でご覧いただく「ほとけの国の美術」は、それらとはちょっと違います。
例えば、江戸時代の画家、伊藤若冲が描いたユニークな白象の絵も、円山応挙や長沢蘆雪の無邪気でかわいい子犬も、仏教がなければ生まれなかった美術なのです。
江戸時代の絵画というと、現代ではそれぞれの画家の「個性」に目が向けられがちですが、当時の画家や絵を見る人たちの多くは、仏教と密接な暮らしをしていました。今回の展覧会では、画家たちの制作の根底にあった「仏教」をキーワードに、現代人の心を魅了する様々な作品を見渡します。
展示作品の中心は江戸時代の絵画ですが、昨年修理を終えたばかりの室町時代の仏画の大作、京都市・二尊院の《二十五菩薩来迎図(らいごうず)》全17幅のほか、近世以前の仏教美術の優品も展示します。来迎図から若冲、そして応挙や蘆雪の子犬まで、「ほとけの国」で生まれた、美しく、アイディアに溢れた作品をお楽しみください。
会期 |
2024年3月9日(土)~2024年5月6日(月・振)
|
---|---|
会場 | 府中市美術館 Google Map |
住所 | 東京都府中市浅間町1丁目3番地(都立府中の森公園内) |
時間 |
10:00~17:00
(最終入場時間 16:30)
|
休館日 |
月曜日 ※ただし4月29日、5月6日は開館 |
観覧料 | 一般 700円(560円) 高校生・大学生 350円(280円) 小学生・中学生 150円(120円)
|
TEL | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
URL | https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/ |
◆ 展覧会講座
「ほとけの国の美術 来迎図から子犬の絵まで」
講師 金子信久(府中市美術館学芸員)
日時 4月27日(土)午後2時より(90分程度)
会場 府中市生涯学習センター講堂(府中市美術館より徒歩5分)
5.0
チラシがかわいく、また府中市美術館が好きなので観に行った。
作品を観ていて、“ほとけの国の美術”という題が、ぴったりでとても好きになった。
解説を面白く、鑑賞するのがさらに楽しくなるほどだった。
相変わらず、日本画の犬がかわいかった。
まじまじと観るのが恐ろしいほどの作品があったり、またゆっくり観たい美術展でした。
ちょうど桜が見ごろで、それもまたきれいだった。
4.0
昨年修復された、京都二尊院の《二十五菩薩来迎図》全17幅、美しかったです。
会場の出口では、修復のようすも映像で流していました。
職人さんが、経年でシワシワになった掛け軸から、古くなった裏打ち紙を、ベローンと剥がしたと思ったら、新しい紙を貼り、少し大きめのブラシで何回もトントン叩いてます!
室町時代の掛け軸、裏側とはいえ、そんなに叩いて大丈夫?と見ていたら、いっしょに行った娘が、
「コレ、私もやった!」と言います。
高校時代、書道部だった娘、作品を展示するのに「裏打ち」をしたらしい。
「裏打ち」って、東洋の書画の補強方法として普通に行われているようです。
知りませんでした。
検索したら、今回の修復レポートを見つけました。
府中市美術館学芸員の金子信久さんも取材協力されています。
古書画店 松本松栄堂サイト
https://artsalon.jp/repair0001/
それによると、掛軸は50~100年ごとに修理が必要らしいですが、《二十五菩薩来迎図》は、370年ぶりの本格的な修理です。
それと、「裏打ち」って1枚じゃないことも知りました。
本紙(作品)
↓
肌裏 ハダウラ、 今回は本紙にダメージを与えるため剥がさず
↓
折れ伏せ、 細い美濃紙で折れや亀裂を補強
↓
増裏 マシウラ、美栖紙を使用
↓
総裏 ソウウラ、宇陀紙を使用
映像でベローンと剥がしていたのは、一番裏側の総裏のようです。
また、接着には小麦デンプン糊を5年から10年ほど寝かせて発酵させた古糊を、更に水で薄めて使います。
そして、古糊と裏打ち紙を馴染ませるのにトントン叩くのは必要な工程だそうです。
映像で、かなり音がしていたので心配しましたが大切なんですね。
二尊院本堂を再現した展示も良かった。襖に掛け軸。こんなやり方もあるんですね。
5.0
後期に行きました。見応えたっぷりでとても楽しめました。
二尊院の「二十五菩薩来迎図」、修理後とのことでとても美しく、ずらりと並んだ菩薩たちを前に静かに感動してしまいました。衣や装飾品の緻密さにうっとりしつつ、ユーモラスな表情にも惹かれました。
照円寺の「地獄極楽図」は圧巻でした。極楽の極彩色も素敵でしたが、やはり見入ってしまうのは地獄。
凶々しく残酷なありようが、緻密な描き込みと迫力のある黒赤のコントラストで際立っており、グロテスクなんだけれども目が離せない。むしろ怖いもの見たさですみずみまで目を走らせてしまいました。それぞれの絵の構図も大変面白かったです。
後半の涅槃図・動物絵画もよかったです。
描かれている動物たちのなんともいえないユーモラスな様子。そしてやはり伊藤若冲は構図が洗練されていて目を惹きますね。
こちらの美術館は駅からも少し距離があってアクセスがよいとはいえないのですが、毎度非常に満足度が高く「ここは間違いないな、足をのばす価値があるな」と感じます。
併せて見たいコレクション展。
今回のコレクション展の切り口も面白くて、以前観たことのある作品にも新鮮な気持ちで向き合うことができました。
3.0
仏教への興味の度合いで、評価が少し分かれる展示かなと思いました。
前半、京都二尊院の「二十五菩薩来迎図」や金沢市照円寺の「地獄極楽図」が壁一面に展開され圧巻、なのですが、とても(仏教的意味で)説教臭いです。美術館で観るのではなく、お寺さんで住職の説法を聞きながら見るのが正解なのだろうなと感じました。
しかし、「死んだらこういうところに行くのだろうか・・・」と思いながらこういうものを見ていたのだろうなと思うと、面白かったです。
後半の動物絵画は単純に絵画として楽しめますが、伊藤若冲のデザイナー的感覚は凄いといつものごとく思いました。江戸時代にどうしてこういった感覚を持ちえたのでしょうか。
「それらが発見された場所や時代とはまったくそぐわないはずの出土品・加工品」をオーパーツと言いますが、”品”ではないですが、若冲のデザイン的才能はオーパーツレベルだなと(偉そうにも)感心します。
ところで、常設コーナーで今回展示されている、収蔵作品を色ごとに分けて配置する試みはとても面白かったです。
4.0
後期に行きました。恐ろしいはずの地獄絵図なのに色使いがあまりに綺麗で、思わず見とれていました。
そうかと思うと仙厓のマヌケ面の虎や十六羅漢にクスッとニヤけたり、大好きな芦雪の可愛い犬達に癒やされました。
色々な方向から見る仏教としても、とても楽しめました。
5.0
今回は巡回展でも所蔵品でもないのに、過去に見た作品を再び見る機会に遭遇しました。
まずは「二十五菩薩來迎図」。昨秋、二尊院の本堂で拝見しました。修理明け、江戸時代以来の全幅展示、もちろんガラスなし!こんな機会は二度とないだろうと思い、美しいお迎えを妄想しつつ、長時間座り込んで眺めていました。なのに、まさか5か月後に再会するとは(笑)
展示はL字にはなったものの、本堂での展示を模した形になっていて、雰囲気が出ていたと思います。美術館で見ると、宗教性より芸術性の方に目が向きますね。各幅の楽器を見比べたり、音を想像したり、本堂とは別の見方ができました。それにしても、よく貸してくれましたね。
そして、もう1点は「二十六夜待図」。こちらは、昨年末にサントリー美術館で開催した「激動の時代 幕末明治の絵師たち」にも出ていました。展覧会のテーマが「幕末」と「ほとけの国」でまったく切り口が違うのに、どちらにも違和感がない。
「二十六夜待」という題材だと賑やかな町衆を描く作品が多い中、こちらは視点を高く俯瞰するように描いているので、ほぼ海。三尊が放つ光にきっと町衆は気づいていなさそう、と感じられる面白い作品です。
惜しまれるのは、重文「阿弥陀二十五菩薩來迎図」の傷みが激しかったこと。絵の構図が「お迎え一行様&旅立つ人のお屋敷」という珍しいものなのに、退色と剥落が多い…。ぜひぜひ修復をお願いしたいところです。
担当学芸員の金子さんの新刊「日本の動物絵画史」を読みながら府中に向かったんですが、本展に出品されている作品が多数出てくるので、予習・復習にちょうどよかったです。
4.0
前期展に行って参りました。今回は江戸絵画ファンは勿論、仏教美術好きも必見です。京都の名刹ニ尊院の二十五菩薩来迎図がズラリ、展示も良い!他にも仏画の優品、白隠に仙涯、円空仏が5躰も。勿論新出を含む人気の応挙、芦雪、若沖、一蝶作品も展示されています。この美術館の2回目以降は入館料が半額になる半券システムは素晴らしい!後期も行きます。
4.0
ほとけの国の美術、良かったです!
毎年恒例の江戸絵画展ですが毎回趣向を凝らして楽しい展示です。
二尊院の来迎図は美術館初展示、背後の襖絵まで併設していてこんな展示はあまり見なくてスゴイですね。
中世の仏画もイイものが来ていて多彩な江戸絵画も充実しています。
岩佐又兵衛、鈴木其一、菊池容斎、逸見一信、伊藤若冲、葛飾北斎などの作品に惹かれ
応挙芦雪を中心とした京都画壇、コロコロ子犬、脱力子犬も楽しめます。
鈴木芙蓉、柴田義董といった初作家の作品に出会えたのも嬉しい。
後期は大半が入れ替え、地獄極楽図、曽我蕭白、河鍋暁斎、若冲、宗達も出るのでまた伺います。
リピーター割で後期半額です。
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