中平卓馬 火―氾濫

東京国立近代美術館

  • 開催期間:2024年2月6日(火)~2024年4月7日(日)
  • クリップ数:46 件
  • 感想・評価:7 件
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中平卓馬《無題 #437》2005 年、発色現像方式印画、90.0×60.0cm 東京国立近代美術館
©Gen Nakahira
中平卓馬《「氾濫」より》1971年、発色現像方式印画、42.0×29.0cm 東京国立近代美術館
©Gen Nakahira
中平卓馬ポートレイト 1968 年頃 撮影:森山大道 東京国立近代美術館
©Daido Moriyama Photo Foundation
中平卓馬ポートレイト 2003年 撮影:ホンマタカシ
©Takashi Homma
中平卓馬《夜》1969年頃、グラヴィア印刷、58.0×84.7cm 東京国立近代美術館
©Gen Nakahira
中平卓馬《夜》1969年頃、グラヴィア印刷、57.7×84.8cm 東京国立近代美術館
©Gen Nakahira
中平卓馬《「サーキュレーション―日付、場所、行為」より》1971年、ゼラチン・シルバー・プリント、32.0×48.0cm 東京国立近代美術館
©Gen Nakahira
中平卓馬《「サーキュレーション―日付、場所、行為」より》1971年、ゼラチン・シルバー・プリント、32.0×48.0cm 東京国立近代美術館
©Gen Nakahira
中平卓馬《「サーキュレーション―日付、場所、行為」より》1971年、ゼラチン・シルバー・プリント、各32.0×48.0cm 東京国立近代美術館
©Gen Nakahira
中平卓馬《氾濫》1974年、発色現像方式印画、169.5×597.5cm(48点組、各42.0×29.0cm) 東京国立近代美術館
©Gen Nakahira
中平卓馬《「氾濫」より》1969年頃、発色現像方式印画、42.0×29.0cm 東京国立近代美術館
©Gen Nakahira
中平卓馬《「街路あるいはテロルの痕跡」よりマルセイユ、フランス》1976年、ゼラチン・シルバー・プリント、16.1×24.2cm 東京国立近代美術館
©Gen Nakahira
中平卓馬《「街路あるいはテロルの痕跡」よりマルセイユ、フランス》1976年、ゼラチン・シルバー・プリント、16.0×24.2cm 東京国立近代美術館
©Gen Nakahira
中平卓馬《無題 #444》2010年、発色現像方式印画、90.0×60.0cm 東京国立近代美術館
©Gen Nakahira
中平卓馬《無題 #445》2010年、発色現像方式印画、90.0×60.0cm 東京国立近代美術館
©Gen Nakahira
中平卓馬《無題 #470》2010年、発色現像方式印画、90.0×60.0cm 東京国立近代美術館
©Gen Nakahira
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この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION

日本の写真を変えた、伝説的写真家 約20年ぶりの大回顧展

日本の戦後写真における転換期となった1960 年代末から70 年代半ばにかけて、実作と理論の両面において大きな足跡を記した写真家である中平卓馬(1938-2015)。その存在は森山大道や篠山紀信ら同時代の写真家を大いに刺激し、またホンマタカシら後続の世代にも多大な影響を与えてきました。1960 年代末『PROVOKE』誌などに発表した「アレ・ブレ・ボケ」の強烈なイメージや、1973 年の評論集『なぜ、植物図鑑か』での自己批判と方向転換の宣言、そして1977 年の昏倒・記憶喪失とそこからの再起など、中平のキャリアは劇的なエピソードによって彩られています。しかしそれらは中平の存在感を際立たせる一方で、中平像を固定し、その仕事の詳細を見えにくくするものでもありました。

本展では、あらためて中平の仕事をていねいにたどり、その展開を再検証するとともに、特に、1975 年頃から試みられ、1977 年に病で中断を余儀なくされることとなった模索の時期の仕事に焦点を当て、再起後の仕事の位置づけについてもあらためて検討します。

2015 年に中平が死去して以降も、その仕事への関心は国内外で高まり続けてきました。本展は、初期から晩年まで約400 点の作品・資料から、今日もなお看過できない問いを投げかける、中平の写真をめぐる思考と実践の軌跡をたどる待望の展覧会です。

開催概要EVENT DETAILS

会期 2024年2月6日(火)~2024年4月7日(日)
会場 東京国立近代美術館 Google Map
住所 東京都千代田区北の丸公園3-1
時間 10:00~17:00 (最終入場時間 16:30)
  • 金曜・土曜は20:00まで(最終入場時間 19:30)
休館日 月曜日、2月13日(火)
※ただし2月12日、3月25日は開館
観覧料 一般 1,500円(1,300円)
大学生 1,000円(800円)
  • ※( )内は20名以上の団体料金
    ※高校生以下および18歳未満、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等を要提示
    ※キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は、学生証・職員証の提示により団体料金で観覧できます
    ※本展の観覧料で入館当日に限り、所蔵作品展「MOMATコレクション」(4-2F)、コレクションによる小企画「新収蔵&特別公開|ジェルメール・リシエ《蟻》」(2F ギャラリー4)も観覧できます
TEL050-5541-8600(ハローダイヤル)
URLhttps://www.momat.go.jp/exhibitions/556

東京国立近代美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION

東京国立近代美術館 東京国立近代美術館

感想・評価 | 鑑賞レポートREVIEWS

4.0

変遷ののち原点回帰の安堵感・充実感

昭和の時代の写真を回想するに、アレ・ブレ・ボケが席巻し写真表現のひとつの大きな表現スタイルとなっていたと記憶する。斬新さ、粗々しさ、が月間カメラ誌のどこにでも登場するに至る。手法としての一定の立ち位置が築かれる傍らで、既視感、更には食傷感、時に嫌悪感を覚えることもあったのは正直なところだ。中平のキャリア、表現指向の変遷は、このような個人的な心象形成と一致する。本展示は5つの章で構成されており、中平の変遷の最終章として括られた作品群のタイトルは「Chapter5 写真原点」とある。カラーフィルム、縦構図の統一、中望遠での切り取り、視点の定まった具象。この全紙大の切り取り映像群に囲まれた最終章空間まで歩き、佇むとき、見る側も、ざわざわした緊張感から安堵や豊かさ、充実感へと導かれるのだった。

展示に関しての感想。
出版物を数多く展開し丹念に時系列を追う構成は素晴らしい。数人が囲み記事をを読み始めると人の流れが停滞するのは難であるが。
一方で、プリントの数は物足りない。中平自身がネガを処分した経緯による制約は理解するものの、実プリントの発するチカラにもっと圧倒されたかった。

5.0

世界の切り取り方

写真にはあまり興味がなく、友達に誘われたので行ったけど、思いがけず楽しめた。スマホにカメラがついて、記録代わりに写真を撮る日々だが、フィルム時代に撮られた数々の写真を見ていると、当時はフィルム代がもったいなくて、気をつけて撮っていたなぁと思い出した。海外からのお客さんや、カメラを抱えた高齢者も多く、それぞれの楽しみ方があるようだ。国立近代美術館はレストランミクニが入っており、予約制のランチも非日常で良かった。桜は全く咲いていなかったけど、今日あたりから開花するので、展覧会後はお花見にお濠端を歩くのもいいかも。

4.0

見応え満点 やはりとても考えさせられてしまう展覧会でした。

日本の戦後写真における転換期となった1960 年代末から70 年代半ばにかけて、実作と理論の両面において大きな足跡を記した写真家である中平卓馬氏の、大規模な展覧会が20年ぶりに東京近代美術館さんで開かれています。来年は没後10年になりますから、初の大規模回顧展でなのすね。同世代の森山大道や篠山紀信の写真展は数えきれないほど開かれている一方で、戦後の日本写真史において最も重要な写真家ともいえる中平卓馬氏は、2003年の横浜美術館『原点復帰―横浜』展のみだそうです。展覧会が開催されなかった理由は幾つかあるそうなのですが、最も大きな要因に、氏自身で初期作品を否定しそれまで撮影したフィルムやプリントを焼却してしまったことがあげられています。写真のことは、いえ”ことも”ですが、あまりよく分からない私なのですが、確かに作風は「アレ・ブレ・ボケ」「なぜ、植物図鑑か」「沖縄-写真原点I」そして最晩年と、3・4回くらい大きく変わった感じがしています。でも、否定してフィルムやプリントを自ら焼却してしまうほど、変わったとは思えません。表現法は変わっても、ちゃんと一貫した目が、在ったと思います。氏はもともと雑誌の編集者でしたから、写真家以前に文筆家や評論家的面があり、沢山の言葉が残されているので、私のようなものはつい、言葉から写真を観てしまいます。今展は、かつての主要な展覧会で重要だった作品を漏らさず一挙に、なおかつ未公開作品をも展示してくれていて、多くの資料とともに、初期から晩年まで、氏の仕事を、写真を通してしたかったことを、ていねいにたどろうとする展覧会でした。比重がやや初期にあった感じで、できれば晩年の作品をもっともっと観たい、などと贅沢な思いも持ってしまいました。それでも膨大な点数の写真並びに出版物が集められたこの展覧会は、とても見応え満点でした。本当は一日がかりのつもりでゆっくりじっくり考えながら味わいたい展覧会でしたが、残念ながらこの日の私はちょっと時間が足りませんでした。

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morinousagisanさん

4.0

回顧展と呼ぶにふさわしい丁寧な展示

60年代から70年代のアグレッシブなモノクロ写真は、雑誌という当時の「武器」で衝撃と感銘を受ける。ただでさえ「アレ・ブレ・ボケ」の作品は、雑誌になるとよりコントラストが上がり、それもまた魅力だった。
自己否定をしあるものを「写す」の作品からは、思想・思考ではない、思念・哲学みたいものを感じた。
とにかく丁寧に中平の歴史を追っていて掴みやすい。雑誌の展示が多いが中平の仕事をリアルに感じ取ることができた。展示方法も工夫があって良し。
作品の時代をほぼ知っているので、ノスタルジーを感じて観たけれど、若い人にはどう届くんだろう?

3月21日(木)10半入館。混雑無し。一部を除いて撮影可。
*常設展で4/7まで「美術館の春まつり」が開催されていて、こっちの方が混んでいた。

THANKS!をクリックしたユーザー
morinousagisanさん

4.0

独特な写真

週末の午前中に観覧。そこそこ人は入っており、やはり最初の方は自分のペースでは回れませんでした。初期の写真はぶれていたり荒かったりと、作者の思いが色濃く出ています。ちょっととがった感じの作品が多く、こちらもなんとなく緊張します。倒れてからの後半は穏やかなカラー写真が多くなってメッセージ性が薄くなってきたように感じました。やはり前半に見どころが多く時間もかかりました。同じチケットで常設展も観られますが、こちらは外国の方も多く、やや混雑気味です。

4.0

第2章あたりまでがオモシロかった

2章くらいまでが一番迫力があった。中平さんが体調を崩す少し前あたりまで。時代は高度成長期、玉石混交の一種のカオス。中平さんの腕は勿論だけど被写体に事欠かなかったのも事実だと思う。それとこの人は撮って書く人。元々が書く人だから活字への露出が写真とのシナジーを生んでる。雑誌関連の展示も多かった。雑誌って基本はワンショットだから雑誌そのものがアートだったりする。それは中平さん関連の雑誌に止まらないけど。森山さん、高梨さん、アラーキー、篠山さん、寺山修司などなど、あの時代は1人語っても必ず言葉足らずになる位、いろんな人が絡んで仕事をしてた。今とは違う、人間臭い付き合いが残っていた時代。中平さんの写真にもそんなのが滲んでる。

4.0

中平卓馬もコレクションも充実

中平卓馬、良かったです!

たくさんの資料を元に年代順に丁寧にしかもソリッドに中平卓馬その人を深掘りして捉え直す力の入った企画です。
更にチラシ、チケット、展示がカッコイイのが嬉しい。やっぱり格好良さというのは大事。
中平自身によって焼失した初期プリントが乏しいのが惜しまれます。切迫感。
来るべき言葉のために、のスライドもカシャカシャ音が無くて淡々としていて良かったなぁ。
写真美術館ではなく近代美術館で開催する価値のある素晴らしい展覧会だと思います。
ほとんど写真撮影可能でした。
土曜夜間で快適に鑑賞。

コレクション展も大充実。
岸田劉生の娘麗子特集に、芹沢銈介なんてほぼ企画展と呼んでも差し支えない規模です。
写真だと高梨豊、宮本隆司が多め、川合玉堂、木島櫻谷、李禹煥、山村耕花、名取春仙なども良かったです。
中平展だけでも体力消耗しますがコレクションも是非。

THANKS!をクリックしたユーザー
Boodlesさん、karachanさん、micco3216さん、morinousagisanさん

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出展作品・関連画像IMAGES

中平卓馬《無題 #437》2005 年、発色現像方式印画、90.0×60.0cm 東京国立近代美術館
©Gen Nakahira

中平卓馬《「氾濫」より》1971年、発色現像方式印画、42.0×29.0cm 東京国立近代美術館
©Gen Nakahira

中平卓馬ポートレイト 1968 年頃 撮影:森山大道 東京国立近代美術館
©Daido Moriyama Photo Foundation

中平卓馬ポートレイト 2003年 撮影:ホンマタカシ
©Takashi Homma

中平卓馬《夜》1969年頃、グラヴィア印刷、58.0×84.7cm 東京国立近代美術館
©Gen Nakahira

中平卓馬《夜》1969年頃、グラヴィア印刷、57.7×84.8cm 東京国立近代美術館
©Gen Nakahira

中平卓馬《「サーキュレーション―日付、場所、行為」より》1971年、ゼラチン・シルバー・プリント、32.0×48.0cm 東京国立近代美術館
©Gen Nakahira

中平卓馬《「サーキュレーション―日付、場所、行為」より》1971年、ゼラチン・シルバー・プリント、32.0×48.0cm 東京国立近代美術館
©Gen Nakahira

中平卓馬《「サーキュレーション―日付、場所、行為」より》1971年、ゼラチン・シルバー・プリント、各32.0×48.0cm 東京国立近代美術館
©Gen Nakahira

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