柳宗悦没後60年記念展
「民藝の100年」

東京国立近代美術館

  • 開催期間:2021年10月26日(火)~2022年2月13日(日)
  • クリップ数:49 件
  • 感想・評価:6 件
柳宗悦没後60年記念展「民藝の100年」 東京国立近代美術館-1
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《スリップウェア鶏文鉢(とりもんはち)》 イギリス 18世紀後半 日本民藝館
《羽広(はびろ)鉄瓶》 山形県 1934年頃  日本民藝館
ホームスパンを着用する柳宗悦 日本民藝館にて 1948年 日本民藝館
《染付秋草文面取壺》(瓢形瓶(ひょうけいへい)部分) 朝鮮半島 18世紀前半 日本民藝館
木喰五行(もくじきごぎょう)《地蔵菩薩像》 1801年 日本民藝館
《ボウバック・アームチェア スプラットタイプ》 イギリス 19世紀 日本民藝館
《大黒形自在掛(じざいかけ)》 北陸地方 江戸時代 19世紀 日本民藝館
雑誌『工藝』第1号-第3号 1931年(型染・装幀 芹沢銈介)写真提供:日本民藝館
《緑黒釉掛分(りょくこくゆうかけわけ)皿》 鳥取県・牛ノ戸 1930年代 日本民藝館
《ににぐりネクタイ》鳥取県 1931年デザイン 鳥取民藝美術館 撮影:白岡晃
《白地網文様毬散し革羽織(しろじあみもんようまりちらしかわばおり)》(部分) 江戸時代 18世紀 日本民藝館
《木綿切伏(きりぶせ)衣裳》 北海道アイヌ 19世紀 日本民藝館 (半期展示)
《藁沓(わらぐつ)》 山形県 1940年頃 日本民藝館
《垢取り(あかとり)》 沖縄県・糸満 20世紀前半 日本民藝館
河井寬次郎デザイン 金田勝造制作《キセル》 1950-60年代 河井寬次郎記念館
柳宗理《黒土瓶》 京都五条坂窯 1958年 柳工業デザイン研究会(金沢美術工芸大学寄託)
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この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION

今、なぜ「民藝」に注目が集まっているのでしょうか。「暮らし」を豊かにデザインすることに人々の関心が向かっているからなのか。それとも、日本にまだ残されている地方色や伝統的な手仕事に対する興味からなのか。いずれにせよ、およそ100年も前に柳宗悦、濱田庄司、河井寬次郎が作り出した新しい美の概念が、今なお人々を触発し続けているのは驚くべきことです。

「民藝」という言葉が生まれたのは1925年12月末のこと。民藝の思想の種がまかれてから、およそ100年(正確にいうと「民藝」誕生から96年)。柳宗悦の没後60年に開催される本展では、時代とともに変化し続けた民藝の試みを俯瞰的な視点からとらえなおします。

「民藝」とは、「民衆的工芸」を略した言葉です。民藝運動が生まれたのは、近代の眼がローカルなものを発見していくという「捻じれ」をはらんだ時代です。柳らは、若くして西洋の情報に触れ、モダンに目覚めた世代でありながら、それまで見過ごされてきた日常の生活道具の中に潜む美を見出し、工芸を通して生活と社会を美的に変革しようと試みました。

本展は、柳らが蒐集(しゅうしゅう)した陶磁器、染織、木工、蓑、籠、ざるなどの暮らしの道具類や大津絵といった民画のコレクションとともに出版物、写真、映像などの同時代資料を展示し、総点数400点を超える作品と資料を通して、民藝とその内外に広がる社会、歴史や経済を浮かび上がらせます。

今回とりわけ注目するのは、「美術館」「出版」「流通」という三本柱を掲げた民藝のモダンな「編集」手法と、それぞれの地方の人・モノ・情報をつないで協働した民藝のローカルなネットワークです。民藝の実践は、美しい「モノ」の蒐集にとどまらず、新作民藝の生産から流通までの仕組み作り、あるいは農村地方の生活改善といった社会の問題提起、衣食住の提案、景観保存にまで広がりました。

「近代」の終焉が語られて久しい今、持続可能な社会や暮らしとはどのようなものか―「既にある地域資源」を発見し、人・モノ・情報の関係を編みなおしてきた民藝運動の可能性を「近代美術館」という場から見つめなおします。

開催概要EVENT DETAILS

会期 2021年10月26日(火)~2022年2月13日(日)
会場 東京国立近代美術館 Google Map
住所 東京都千代田区北の丸公園3-1
時間 10:00~17:00 (最終入場時間 16:30)
  • ※金・土曜日は20:00まで(最終入場時間 19:30)
休館日 月曜日 
年末年始(12月28日~2022年1月1日)
2022年1月11日
※ただし2022年1月10日は開館
観覧料 一般 1,800円
大学生 1,200円
高校生 700円
  • ※中学生以下、障害者手帳を提示の方とその付添者1名は無料。それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等を要提示
    ※キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は割引料金。それぞれ入館の際、学生証・職員証を要提示
    ※本展の観覧料で入館当日に限り、同時開催の所蔵作品展「MOMATコレクション」も観覧できます
TEL050-5541-8600(ハローダイヤル)
URLhttps://mingei100.jp

東京国立近代美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION

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感想・評価 | 鑑賞レポートREVIEWS

2.0

日本の重要な美術運動。ただ、専門家以外にはちょっと難解な展覧会かも

 正月開館ということもあり結構混雑していた。読む部分も多く、展示点数が多かったのでちょっとしんどい。でもやはり日本の重要な美術運動だったこともあり必見と思い足を運んだ。
 木工・漆芸の黒田辰秋が民藝運動に加わった作家と初めて知った。唯一撮影可だった柳の書斎の再現にも、黒田の特徴のある彫りの机があった。
 山本鼎の農民美術運動の方が先行しておりそれとの軋轢があったことや、戦中の体制側との距離の近さが気になったが、全体としてポイントを絞って解説がなされていればもっとメリハリのついた展覧会になっていたのではないか。専門家には情報が多くてよいのだろうが、専門外の者には総花的な情報でわかりにくい。
 柳の作品収集の重要な出発点が写真4/16の《染付秋草文面取壺》で、それが上半分が欠落したものだという説を出川直樹という方の著作で読んだ記憶があるが、説明書きでは触れられていなかったがどうなんだろう。
 写真撮影不可は納得するが、他の方の感想にもあったがこれだけのボリュームの展示なので再入場可能は必須ではないか。また、コロナ対策なのだろうが、ペーパーのハンドアウトがないのもやっぱり不便でした。

4.0

民藝展良し、東近美ダメ

民藝展、面白かったです。

暮らしの中に美を見い出す、用の美ということですね。
各人それぞれ自分が良いと思うモノを愛でれば良いだけなのですが
国宝重文とか著名人推しとかバイアスがかかると良いモノなんだと思わなければならないとかになって
自分が良ければそれで良いって結構難しいことなんですよね。

ステキなモノ、欲しい物が結構あってとっても楽しめました。
マイベストは肥前の小さな土鍋、あんなの食卓にあったら気持ちも豊かになりそうです。
お好きな方、十分に時間を確保してから伺うと良いと思います。

それにしても東近美の運営、相変わらず融通がきかなくてダメです。
再入場不可、は本当に不便です。
フラフラ好きな箇所を巡りたいのに来た道をまた戻るとか。
鑑賞者の利便性をもっと考えてもらいたいです。

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Tarさん、シンディさん

4.0

郷愁を誘う

代休で平日に行きました。主に高齢者層の方々が、非常に多く訪れておりました。平日なのにこんなに皆興味があるのか、と驚きました。いわゆる民藝というくくりで、ざっくり印象を述べると普段使いのモノに美を見いだすみたいな感じに思えました。殆どの展示物は日本民芸館のもので、見たことある展示物も多かったです。ただ、とにかく数が多く、じっくり見ると2時間以上かかります。各種什器は、使ったことがないけどなんだか懐かしい感じがしました。今後さらに混みそうですが、平日の午後は多少見やすいでしょう。

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Tarさん、シンディさん

4.0

平日に行きました

 のに、結構入ってました。
 駒場の日本民藝館が好きで今回の国立近代美術館の催しを楽しみにしていました。作品に説明が添えてあり、白い空間に浮き出るような配置で、駒場の溶け込むような鑑賞とまた違ったおもしろさでした。
 今まで興味がなかった人も民芸品めぐりの旅をしてみようとなったかと思います。

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Toshinoさん

3.0

素朴な美しさ

民藝運動の始まりから今までを辿る展覧会。失われつつある地方色豊かな地域に根ざした工芸品の数々を発掘・発表していく柳宗悦。彼自身は素晴らしい理論家でありキュレーターであり、またバイヤーとしての性格を持っていた。こんな素晴らしい展示品を見れば、ショップで何か買おうとする人は多く、私も風呂敷と茶筒を購入しました。
ただし、他の人も書かれているが、とにかく音声ガイドの番号がどこに書いてあるかわかりにくく、かつ短くて内容に乏しい。井浦新とかどうでもいいので600円を出しからには会場の説明文以上の説明が欲しかった。
また、座って休む場所がたったの1箇所しかなく、非常に疲れました。高齢者には厳しいと想います。

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Tarさん

4.0

西洋に学び、日本を知る知の集団

明治時代からの西洋崇拝、それと逆行する動きを示し、美の基準をグイッと変えた柳宗悦の審美眼は本物!
収集し、見せ、出版で知らせ、販売する。その手腕がもう心憎い。民藝の冊子の装丁や保存函が凝っている。
仲間で各地を旅行する際はお揃いのファッションで人目を引く。
廃れそうならアドバイスをして盛り返さす。天晴れ!
戦時下、植民地の日本化に抗い、それぞれの民族の文化を大切にする運動が続けられた奇跡の歴史。
何気ない品、一つ一つに美と作った人々の思いが有ると気付かせてくれます。
展示は読み者が多く説明文が奥の方に平置きしてあったりして読みにくい所有り。
音声ガイドのナンバー表示が分かりにくい。大人の目線の高さで見易い反面、子供や車椅子利用者はかなり見にくい。
日本民藝館同様バリアフリーでは無い。
常設展も民藝がらみなので見て欲しい。
全館見たのでじっくり三時間かかった。

THANKS!をクリックしたユーザー
アルパカさん、morinousagisanさん、シンディさん、Toshinoさん、Tarさん

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《スリップウェア鶏文鉢(とりもんはち)》 イギリス 18世紀後半 日本民藝館

《羽広(はびろ)鉄瓶》 山形県 1934年頃  日本民藝館

ホームスパンを着用する柳宗悦 日本民藝館にて 1948年 日本民藝館

《染付秋草文面取壺》(瓢形瓶(ひょうけいへい)部分) 朝鮮半島 18世紀前半 日本民藝館

木喰五行(もくじきごぎょう)《地蔵菩薩像》 1801年 日本民藝館

《ボウバック・アームチェア スプラットタイプ》 イギリス 19世紀 日本民藝館

《大黒形自在掛(じざいかけ)》 北陸地方 江戸時代 19世紀 日本民藝館

雑誌『工藝』第1号-第3号 1931年(型染・装幀 芹沢銈介)写真提供:日本民藝館

《緑黒釉掛分(りょくこくゆうかけわけ)皿》 鳥取県・牛ノ戸 1930年代 日本民藝館

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