画壇から距離をおいて活動して、優れた作品を残した「幻の」洋画家2人。
目黒区美術館で前回見た「中世の華・黄金テンペラ画-石原靖夫の復元模写」展がとても良かったので、今回も「遥かなるイタリア」展、見に行って来ました。イタリアに留学した経験のある画家、川村清雄と寺崎武男を取り上げた2人展でした。
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目黒区美術館では、戦前に欧米に留学した画家の作品を収集し、展覧会等を通じて紹介してきました。この度は、イタリアに留学した二人の画家、川村清雄(かわむらきよお 1852-1934)と寺崎武男(てらさきたけお 1883-1967)を取り上げます。
川村は、交流のあった勝海舟の斡旋で、明治維新直後に徳川家留学生としてまずは米国留学します。同地の下宿先では、新紙幣で話題の津田梅子とも出会っています。その後、フランス経由でイタリアに渡り、ヴェネツィアの美術学校に学びます。同校ではコンクールで人賞するなど、優秀な成績を修めました。帰国後は、作品の設置される当時の日本の建築空間や環境を考慮し、屏風や漆器、板、帯などに油彩で描く作品を残し、日本における油彩画の在り方を模索しました。
もう一方の寺崎は、東京美術学校に学んだ後、川村より遅れてヴェネツィアに渡り、同地の美術学校で学びます。テンペラやフレスコ、銅版画など、当時の日本ではあまり知られていなかった技法の習得に勤しみ、帰国後はその普及に努めます。また、ヴァチカンで見た天正遣欧使節団の壁画に感銘を受け、壁画の研究をとおし、目黒区のカトリック碑文谷教会(通称 サレジオ教会)の壁画、聖徳記念絵画館での制作などに、その成果が現れました。
中央画壇と距離を置いて活動したことや、作品があまり現存していないなどの事情から、現在では川村と寺崎の名はあまり知られていないかもしれません。しかし二人は共に、文化の異なる遥かなるイタリアに学び、帰国後にその成果を日本の絵画にどのように反映させるか苦悩しながらも、東西の文化を深く研究し、新しい時代にふさわしい日本の洋画の創造に挑みました。本展では、二人の制作を展覧し紹介します。
| 会期 | 2025年4月19日(土)~2025年6月8日(日) |
|---|---|
| 会場 |
目黒区美術館
|
| 住所 | 東京都目黒区目黒2-4-36 |
| 時間 | 10:00~18:00 (最終入場時間 17:30) |
| 休館日 |
月曜日、5月7日(水) ※ただし、5月5日(月・祝)は開館、 |
| 観覧料 | 一般 900円(700円) 大高生・65歳以上 700円(550円) 中学生以下 無料
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| TEL | 03-3714-1201 |
| URL | https://mmat.jp/ |
目黒区美術館で前回見た「中世の華・黄金テンペラ画-石原靖夫の復元模写」展がとても良かったので、今回も「遥かなるイタリア」展、見に行って来ました。イタリアに留学した経験のある画家、川村清雄と寺崎武男を取り上げた2人展でした。
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4.0
川村清雄、好きな画家さんですが、勝海舟や徳川将軍家の肖像画以外を目にすることがなく、どんな作品があるのかな?と期待してました。
初期のころのデッサン、本の装丁と多彩な展示にワクワク。
色紙、帯、屏風、板と土台がなんであれ油絵で、テーマも和風(平家物語や、和歌などなど)で描いていてびっくり。江戸琳派風や漆絵風にも見えるけれども油絵、という独自のスタイルが斬新。ますます好きになりました。
寺崎武男は存じ上げなかったのですが、留学時代の風景画が素敵でした。母宛てのたくさんの絵葉書が展示され、筆まめさに脱帽。修理後のヴェロネーゼ「レヴィ家の饗宴」模写と、その修理の様子のパネルや汚れを吸着させた脱脂綿が並んで展示され、修理作業の大変さを感じました。
説明文を見ると両氏とご縁のある方から目黒区に寄贈された作品が多く、貴重な機会でした。
全点、写真撮影可でした。
3.0
川村清雄、良いですよね、結構好きな作家です。
高橋由一らとはまた違う日本独自の油彩画を目指した結果
油彩で日本画を描いてなんだかヘンで奇妙な感じになってしまったところが面白い。
無国籍感が山本芳翠ぽかったり、洋画家から転身した川端龍子ぽさもある。
外国人に諭されて日本の魅力に気づくあたりもマティス・硲伊之助に似ている。
目黒区美が所蔵している川村清雄作品のほとんどが出品されているそう。
寺崎武男も含めて全面写真撮影可能でした。
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寺崎武男《天正遣欧使節 ヴァチカンへの行列》1917年頃、紙本着彩(テンペラ)、六曲一双屏風、千葉市美術館寄託(星野画廊)
川村清雄《ベネチア風景》1920-34年頃、油彩、水性絵具・板、目黒区美術館
寺崎武男《ヴェロネーゼ「レヴィ家の饗宴」模写》制作年不詳、油彩・キャンバス、目黒区美術館
川村清雄《村上彦四郎(村上義光 錦御旗奪還図)》1920-34年頃、油彩、金箔・絹、二曲一隻屏風、目黒区美術館
川村清雄《幼児石膏習作》1873-81年頃、コンテ・紙、目黒区美術館
寺崎武男《赤い家 イタリア》制作年不詳、着彩(テンペラ)・紙、目黒区美術館
寺崎武男《黄帆船図》1920年代、着彩(パステル)・絹本、目黒区美術館