5.0
日本人は虫が好き
とてもおもしろかった。
日本人は本当に虫を身近に感じて共に生きてきたんだな、と感じた。
鳥獣戯画の虫バージョンのような絵巻物語はとても興味深い。虫の生き抜く力を敬い、武将達が兜などのモチーフに使っていたのも面白い。虫の声を聞き分ける遊び、虫にかこつけた風刺、病気の原因とされた虫の医学書?などとにかく昔からの日本人の虫への愛を感じた。
虫同士の戦の絵にすでに仮面ライダーがいたのにはびっくり。
小さな子供たちもきっと楽しめるだろう展覧会だった。
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古来より日本の人びとにとって小さく儚い「虫」は身近な存在でした。なぜなら、「虫」は日本列島のもつ豊かな自然環境の写し鏡であると同時に、生活のなかに深く息づくものとして、人びとの感性と文化を形成してきたからです。一方で「虫」たちは人びとの暮らしに利活用され、さらには神仏のように崇められ、化け物として畏れられてきました。それは豊穣の恩恵と無慈悲な天災という自然のもつ二面性ゆえであり、伝説、風習、信仰という形で日本の人びとの心に刻まれているのです。
本展では、この日本の文化と歴史のなかにさまざまな形で登場する「虫」について、江戸時代を中心とする美術・工芸・俳諧・歴史の多彩な分野の作品資料約140点を通して紹介します。「虫」が主役の物語絵巻や、「虫」をとことん観察して作られた図譜、「虫」を描いたユニークな作品、人のお腹のなかで悪さをする「虫」、そして妖怪として畏れられた「虫」など、実にさまざまな「虫」たちが集結します。
日本の人びとが「虫」についてどのように認識し、研究し、愛でてきたのかを多角的に知るとともに、多種多様な「虫」の奥深い面白さを知る機会となるでしょう。
会期 | 2024年8月9日(金)~2024年9月29日(日) |
---|---|
会場 | 市立伊丹ミュージアム Google Map |
展示室 | 展示室1・2・3・5 |
住所 | 兵庫県伊丹市宮ノ前2-5-20 |
時間 |
10:00~18:00
(最終入場時間 17:30)
|
休館日 |
月曜日、8月13日、9月17日、9月24日 ※ただし8月12日、9月16日、9月23日は開館 |
観覧料 | 一般 1,000円(900円) 大高生 700円(600円) 中小生 400円(300円)
|
TEL | 072-772-5959 |
URL | https://itami-im.jp/ |
5.0
とてもおもしろかった。
日本人は本当に虫を身近に感じて共に生きてきたんだな、と感じた。
鳥獣戯画の虫バージョンのような絵巻物語はとても興味深い。虫の生き抜く力を敬い、武将達が兜などのモチーフに使っていたのも面白い。虫の声を聞き分ける遊び、虫にかこつけた風刺、病気の原因とされた虫の医学書?などとにかく昔からの日本人の虫への愛を感じた。
虫同士の戦の絵にすでに仮面ライダーがいたのにはびっくり。
小さな子供たちもきっと楽しめるだろう展覧会だった。
5.0
昆虫関係の展示かと思ったら、虫を擬人化した絵巻とか実在しない体内の虫とか予想外のものが多くて面白かった
展示数も多く、じっくり見てとても楽しめた
4.0
日本文化の中に息づく虫を、武具や工芸作品のほか、絵巻や書籍、版画など多様な資料を通じて紹介する本展。現代の目から見て正確かどうかはともかくとして、農耕や医学のように生活に根ざした虫の文化史や科学的・博物学的に虫を観察した研究史的な側面もカバーしつつ、芸術作品の中に落とし込まれた虫の表現から日本人の感性のありようを浮かび上がらせている。
印象的だったのは、医学書や図譜においても存在しない虫を描写していた点だ。『針聞書』のユーモラスで可愛らしい虫たちはその代表格だろう。何かを意味づけ、解釈するための虫。脚がたくさんあったり、触覚があったり、羽が生えていたり、毒を持っていたり、そしてなにより自然の中に潜めるような小さなからだをしていたり…。現代の人間にとってもよくよく見れば奇妙奇天烈な虫の姿には何らかの想像力が働く。イメージの喚起力ともいえるだろうか。たとえば蝶のように美しいからというだけでなく、(勘違いも含め)その姿態や動作すらも掬い取って表現とした昔の日本人の感性には、なかなか新鮮なものを感じられた。(百足がこれほどかっこよく見えるとは…。)
展覧会自体は当館だけでの開催のようだが、立派な図録も制作されているのが嬉しい。展示にあった絵巻や書籍などの詳しいヴィジュアル解説のパネルや豆知識的キャプションが掲載されていないのは残念だったが、文字解説の量が多い展覧会なので、見返すのに図録があると便利。デザインもおしゃれなのでぜひ記念に。
4.0
虫には興味がないので、今回は行く気はなかったのだが、こちらでのレビューを拝見して行ってみることにした。
結論からいうと当たり! 自分がイメージしていた博物誌的な「虫」だけでなく、着物からでている顔のところが「むし」の絵巻、(あのユーモラスな表現に虫の漢字は似合わない)真面目な装束の男女の頭に帽子のように乗っているムシ。(そのギャップはクスッと笑えて これも虫の漢字は似合わない)そしてうごめく大百足、これは蟲という字が似合う。
「虫」をいろいろな切り取り方で見せる。例えば「腹の虫」「虫のいどころが悪い」など人間の感情も虫が関与しているとの昔の人の考え方を、今も私たちが表現として使っていることにも気づかされた。
鑑賞だけに終わらない変化に富んだ展覧会だった。
4.0
虫に対しての学術的な興味や知識は不要です。
虫たちが主人公になった平安絵巻のような物語は、貴公子が蝉だったり、姫が玉虫だったり、細かいところをくすぐってくれる楽しさ。
絵画だけでなく工芸品の展示もありましたが、蝶々のデザインが施された羽を使った羽織の美しさが記憶に残っています。
武家社会において蝶や百足のデザインが好まれた理由も教えて貰えます。
鍼灸を中心とした「針間書」には、鍼灸図とともに病気を起こすと考えられた体内の虫たちが紹介されている。(癇の虫なんて、この時代の考え方の名残ですね)
この虫たちが、なんともユーモラスで楽しい。
針間書に関する虫グッズが豊富でした。一匹連れて帰りたくなります。
5.0
「虫」の定義もよくわかっていなかったのですが、この「虫展」では
「虫へんのつくもの」を虫としているそうです。
なのでクモ(蜘蛛)ムカデ(蜈蚣)だけでなくミミズ(蚯蚓)かたつむり(蝸牛)へび(蛇)。。これらも本展では「虫」として蝶や蝉に混じって語られています。
数々の虫たちは、絵巻のキャラクターとして描かれたり、標本のように写実的かつ芸術的に表現されたりしています。
そんな中、一番インパクトがあったのが『針間書』(人の体内にいる病気の原因になる虫が書かれた医学書)です。本展のチラシにも掲載されている「真っ赤な両手両足(?)を広げた丸っこい虫」。正体は意外なものでした。
古い医学的な説明文は現代にはそぐわないですが好奇心がくすぐられます。
意外にもグッズ販売あり。上記の『針間書』の虫たちもグッズになって売られています。
館内はすべて撮影禁止。静かに鑑賞できました。
4.0
虫をテーマにした展覧会は、他にもみたことがあったけど、この展覧会では、物語や、武者、博物、伝説、病気、妖怪、様々な面から、いろいろ紹介されてて、きっと企画者さんが本当に好きなんだろうなぁと思えるぐらいの多彩さ。文字も多いけど、題材の物語をわかりやすくチャートで示されてたり、一言面白そうな視点をわかりやすいキャプションで示していたり、細かな気配りもある展覧会でした。地味だけど、ものすごく力の入った面白い展覧会でした。
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