2026年は京都市京セラ美術館から
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- by morinousagisan

2026年始動しました。早々に大きな地震のニュースに心が痛みます。神戸の震災から31年目の日ももうすぐです。

毎年恒例の京博へ午歳詣でもありでしたが、京都市京セラ美術館のフレンドシップに入会しておりますので1回は観覧無料なので、1/17まで開催の日展とあわせて京セラ美と京国美へ出かけていくことにしました。

[2025冬期]コレクションルーム 特集「お雛さまと⼈形の世界〜絵画と共に四季をめぐる」⇒◆
颯爽と風を纏ったような菊池契月《紫騮》から始まります。「紫騮馬」は、唐の詩人李白の詩から発想を得たようです。かつての人たちは、中国や日本の古典と結びつけることができたのですね。
特集は、開催概要にもある通り、京都で江戸時代・明和年間に創業した人形司「丸平大木人形店」の人形と共に京都の折々の景色を描いた作品が展示されています。「丸平大木人形店」では、宮中や武家の伝統的なしきたりを踏まえ五節句や季節の行事にあわせて様々な人形が作られてきました。京都を彩る伝統行事が人形による立体造形で再現されて見事です。雛祭りの頃にはお雛様の展示も少なくありませんが、多様なお雛様とこまごまとした雛飾り、貝合わせの貝一つ一つや聞香のお道具一つ一つも丁寧に作られておりました。そして何よりも二頭身の御所人形がとてつもなく可愛らしくて、もうもうキュンキュンしましたぁ~。京都市美ならではの展示と感謝感謝です。
福田平八郎、塩川文麟、竹内栖鳳、宇田荻邨、松園さんと展示されている絵画も錚々たるラインナップです。中でも望月玉泉は本当にうまいといつも見惚れてしまいます。メインヴィジュアルになっている北沢映月、昨年関東のほうで展覧会を開催していましたが、京セラ美でも展覧会してほしい画家です。いつも目にとまってしまう梥本一洋、大阪中之島美の展覧会で知って以来気になっている日本画家で、彼をフューチャーした展覧会が開かれるのを待っております。
丹波篠山在住の現役人形作家の﨑山智水の小さな人形の展示もありました。今月末から西宮の酒ミュージアムで「節句の人形 特別展示:丸平文庫所蔵 現代の名工 﨑山智水の小さき世界」があるらしく、機会があればこちらにも伺いたいと思いました。

「第118回⽇展京都展」です。⇒◆
ギャラリートークもあるということでその時間に合わせて回ってきました。以前神戸にも日展が巡回したのですが、会場が狭くてとても見難かったので、やはりきっちりとスペースのある展示が良いと思いました。「日本画」、「洋画」一見ではどれが日本画でどれが洋画なのか区別がつきがたい。「彫刻」、「工芸美術」と「書」全国巡回作品と京都・滋賀の地元関係作品など約500点!展示件数が多い。平面作品はまさに会場芸術というのでしょうか、規格があるのでしょう、大きい。彫刻は人物像が多く、平面は女性を描いた作品が多いように多いように思いました。「書」は、ただただへぇ~としか。その点「工芸美術」は、表現手法も多く多彩です。

そんな中で印象に残った彫刻作品です。
今回の本来の目的はお向かいの京都国立近代美術館の特別展でした。

『セカイノコトワリ―私たちの時代の美術 #WhereDoWeStand? : Art in Our Time』@京都国立近代美術館 ⇒◆
「1990年代から現在までの美術表現」所謂「失われた30年」の日本の作家たちは、どのように美術表現として我々に提示してきたのか?「特別展 プラカードのために」@国立国際美術館 とも何かつながるところがあるのではないかとも思ったりしました。
問題を投げかけてくる、問題提起する、無理くりにも回答に道筋を見つけなければならないのかと圧もちょっと感じてしまう現代アートが苦手な私です。どこかに手掛かりはないかと、そこで鑑賞のヒントとなるのが皆さんのレビューです。
本展は、展覧会タイトルも良くて、ほぼ“ジャケ買い“の気分もありました。
「本展のタイトル『セカイノコトワリ』には、外来語や新しい概念をカタカナで表記するように、未知のものに対して安易な解釈や意味づけを保留しつつ自らの思考を更新していく態度という意味が込められています。」と説明されています。キーワードを手がかりに読み解き進んでいくキュレーションは、本展ご担当の牧口研究員のキュレーションでよく出会うような気がしました。
※本展は、映像以外はほぼ撮影可でした。

美術館へ入ってカフェ前でロッカーに荷物を預けるべくゴソゴソしていると背後から何やら音が鳴りだし、振り返ると舞台の上が蠢いて音を発していました。愉快なお出迎えです!そういえば、国際美の「プラカードのために」も会場前で賑やかなお出迎えを受けたのでした。
展示場内の解説も読みながら進みましたが、本ブログを書くにあたって出品リストを参照すると、そこにも出品作家さんについて詳しい解説がありとても参考になりました。出品しスト⇒◆
階段を上がりきって最初の作品が、竹村京のオーガンジーで壊れたものを包みこんだ作品です。レビューで読んだ作品です。作品を目にしてこそレビューで語られていたことがジワジワと届いてきました。帰宅後再読しました。
関西ではお馴染みの藤本由紀夫、デジタルカウンターの宮島達男、確かにここ30年で繰り返し出会ってきました。
石原友明《世界。》は、豪華なシャンデリアに目が奪われがちですが、足元のピカピカに磨かれた真鍮板には点字で短文が刻まれていて、靴を脱いで自らその作品の中に入ることができます。
壁面にある小谷元彦の少女の写真、赤く染まった少女の手は磔刑のキリストの手が思い浮びました。
全国区ではありますが、基盤は関西の現代作家であるやなぎみわと森村泰昌、30年、様々に発信しながら今に至る。
田中功起《一時的なスタディ:ワークショップ#1 「1946年~52年占領期と 1970年人間と物質」》「PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭2015」のために制作された4名のファシリテーターと8名の高校生によるワークショップを撮影・記録したものなのですが、そこで語られることが現在の私たちに現実として突き付けられています。
うーん、「セカイノコトワリを見つける機会」となったかは、甚だ疑問ですが、作品と共に30年を振り返ることにはなったように思います。
2025年度 第4回コレクション展⇒◆
今回のコレクション展展示では「新時代を迎えて―明治の工芸—」にあった、輸出用の明治期の刺繡作品にみる超絶技巧がやっぱりすごい!大きな作品ではありませんが、十二代西村總左衛門《読書図刺繍額》推しです。
キュレトリアル・スタディズ17:日常の二重性―テキスタイルの表現からみる―
京都の伝統工芸に注目してきた京国美、テキスタイルもたびたび展覧会が開かれてきました。本展示には丁寧な解説ハンドアウトが用意されています。
