妙心寺の寺宝が揃う 特別展「妙心寺 禅の継承」来年早春2月7日から大阪市立美術館で開催!
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- by morinousagisan

興祖微妙大師六百五十年遠諱記念特別展「妙心寺 禅の継承」@大阪市立美術館の情報が公開されました。会期は、2026年2月7日(土)~4月5日(日)です。
※掲載画像は、暑さの残る初秋9月末に妙心寺で私が撮影したものです。
正法山妙心寺は、塔頭の多さでは日本一、日本全国に約3400の末寺ある臨済宗妙心寺派の大本山です。
※妙心寺山内図⇒◆
平安京の西北部、北門を出れば龍安寺や等持院にも近く、花園上皇の花園御所(離宮萩原殿)があった地に、花園上皇の勅願により建武2年(1335)禅寺として創建されました。宗峰妙超(しゅうほうみょうちょう)の高弟 関山慧玄(かんざんえげん)禅師が開山、妙心寺HPによれば、花園上皇が参禅した宗峰妙超の亡くなった建武4年(1337)を開創の年としていると記されています。
※妙心寺HP⇒◆

本展は、開祖の関山慧玄の唯一の弟子、妙心寺第二世 授翁宗弼(じゅおうそうひつ 微妙大師 1296~1380)の650年遠諱(おんき)を記念して開催する特別展です。サブタイトルは、「禅の継承」。微妙大師は開祖関山慧玄の唯一の継承者で、初期の妙心寺を整備し、基礎を作った高僧です。
※妙心寺HP 興祖微妙大師六百五十年遠諱大法会サイト ⇒◆
※微妙大師について ⇒◆

- 妙心寺の展覧会としては、東京、京都、九州の国立博物館他で開催されましたが、大阪では初めてとなる展覧会です。
「何故大阪市立美術館での開催なのか?」昭和11年に開館した大阪市立美術館ですが、開館当初に妙心寺からたくさんの宝物の寄託を受けて以来のご縁がありました。本展では妙心寺から寄託された品々が展示され、その多くが初公開となります。
鎌倉後期から南北朝初期の開山忌の宝物をすべて集めて紹介します。
- ユニークな禅画で知られる白隠さん、白隠慧鶴(はくいんえかく、1685年~1768年)は、江戸中期の臨済宗中興の祖です。
「禅の継承」において厳しい法を繋いできた高僧として、白隠さんの作品も展示されます。

本展の見どころ
1. 妙心寺開山・関山慧玄の忌日の法要である「開山忌」の大方丈での設えを再現展示します。
江戸時代の開山忌では、大方丈が特別な設えで荘厳されていたことが近年判明しました。そこで狩野山楽筆や海北友松筆の大型の屏風、所謂「妙心寺屏風」による金碧の豪華絢爛の設えが再現され、開山忌の風景が眼前に広がることとなります。

2. 狩野山楽・山雪による天球院襖絵が大公開されます。
天球院は、岡山藩主池田光政(みつまさ)兄弟が、大伯母天久院(姫路城主、池田輝政公の妹)のために寛永8年(1631)から同12年(1635)にかけて建立した塔頭です。
2025年初夏の「そうだ京都へ、行こう。(JR東海)」で妙心寺山内「天球院」が紹介され、お出かけになった方もいらっしゃるかもしれません。
※「そうだ京都へ、行こう。(JR東海)」妙心寺・天球院 ⇒◆
普段は非公開、実物は京都国立博物館へ寄託されており、なかなか目にする事が出来ない襖絵を塔頭内と同じ形で再現展示の予定です。桃山絵画を引き継いだ、江戸初期絵画 京狩野に存分に浸りたい。
3. 大阪の妙心寺派の寺院に伝わる普段非公開の寺宝を展示し、大阪の文化財について紹介する機会となります。
大阪府内には現在約50カ寺の妙心寺派寺院があり、本展の開催にあたり、そのうちの11カ寺で文化財調査が行われました。創建時よりも古い像を安置している寺院や白隠さんなど江戸時代の妙心寺派の高僧の書画など妙心寺の禅の教えの広まった様子を伝えています。

この夏に修理完了記念 特集展示 清凉寺(嵯峨釈迦堂)所蔵「釈迦堂縁起」を観ようと京都国立博物館へ出かけましたところ、「近世絵画」展示で妙心寺屏風が展示されており、もう本当に吃驚しました。京博での2013年『特別展覧会 狩野山楽・山雪』京狩野は本当に濃かった!ですし、2017年『海北友松』龍の名手海北友松が晩年に描いた豪華絢爛な妙心寺屏風が思い出されて胸熱くなるほどでした。それらの作品と再会出来る!
それだけでなく、広大な敷地に40以上もの塔頭がある妙心寺、山内に伝わる数々の寺宝が展示される機会となり、もう今からワクワクドキドキ期待が膨らみます。

【開催概要】
- 会期:2026年2月7日(土)~4月5日(日)
- 会場:大阪市立美術館
- 開館時間;午前9時30分~午後5時(入館は閉館の30分前まで)
- 休館日:月曜日(ただし、2月23日は開館)、2月24日(火)
- 展覧会公式サイト:https://art.nikkei.com/myoshin-ji/