世界探検の旅―美と驚異の遺産―
奈良国立博物館|奈良県
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”みんぱく”ではありません。奈良博で初の民族文化展です。
奈良国立博物館と天理大学附属天理参考館のコラボによる夏休み企画展です。
民族学、世界史、地理の教科書などにある図版の実物を見て体験する展覧会です。
本展のメインヴィジュアルを目にした時は、国立民族学博物館(以下「みんぱく」)の創立50周年記念の関連の特別展示なのかと思いました。初期の”みんぱく”のイメージは仮面と繋がっていました。”みんぱく”の初期資料収集や”みんぱく”のこれまでについては、2018年に「開館40周年記念特別展『太陽の塔からみんぱくへ―70年万博収集資料』」という展覧会がされており、また昨年YouTubeも公開された名誉教授へのインタビュー『時代の証言―名誉教授が語るみんぱく創設とその後の時代』に詳しく、かつ先生方のお話はとても興味深いものですので、是非ご視聴ください。
「天理大学附属天理参考館」は、1930年(昭和5)に創設され、30万点とういう膨大なコレクションを有します。天理大学の前身天理外国語学校は、海外に出る布教師を養成する学校で、布教先の言葉の習得と共に、風習や生活が分かるようにと、資料を持ち帰り天理外国語学校校舎に「海外事情参考品室」を設けて管理保管したのが始まりだそうです。海外視察団が収集したモノや海外にある天理伝道庁に寄贈されたものがコレクションに加わっていきました。今日までコレクションは増強されていきました。そのコレクションには、みんぱくにもない稀少な民族資料も含まれています。
地理的な横の広がりとそれぞれの歴史という縦の流れの中で世界史もただの暗記科目でなく理解していくと面白いと思うのです。
6000年の人類の歴史を「ユ―ラシア大陸の東西文明交流」「世界各地の信仰と世界観」「今は失われた20世紀の生活文化」の3章構成、展示件数は220件です。
実際に目で見て楽しむ展覧会なので、中学生以下は無料、お子さん方はワークシートを手に展示室を回るようになっています。
鑑賞者それぞれ興味のありどころは違っているかと思います。私的には
① 最初に目に入った「シュメール人の像」世界史の図版で見たことある!
② これまでも見たことはあったけれど、とっても鮮明で分かり易い展示の「甲骨文字」
③ モンゴル帝国の駅伝制である「ジャムチ」の生き証人、通行資格を証明する板状の牌「成吉思皇帝聖旨牌(チンギスハンこうていせいしはい)」
④ 読んで胸を躍らせた方もいるでしょう『古代への情熱』、シュリーマンの功罪は種々あるようですが、それでも「ティリンス遺跡調査報告書原画」には彼の直筆が残りわーってなりました。
⑤ 西方で作られた「ガラスの器」は、シルクロードを遥々と運ばれてきました。
⑥ 最後の展示「北京の看板」は、現地にもなく、みんぱくのコレクションにもないそうで、道頓堀の動く大きな看板の起源みたいと思ったりしました。
写真家の石川直樹さんは、生きることと結びついた造形とも。
夏の奈良は鹿さんの落し物が発酵して臭います。外を歩いて騒いでいる9割は外国人観光客ですが、博物館の中は涼しくて比較的空いています。
世界には様々な人の営みやその背景にはそれぞれに長い歴史があり、こんな世の中だからこそ多様性を知り、多様性の中で共生していくこと伝えているようでもありました。
本展で民族学に興味が深くなった方々は、天理大学附属天理参考館を訪れたり、吹田の国立民族学博物館の展示室を見学したり豊富な資料を観たりしてはいかがでしょう。
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- BY morinousagisan