開創1150年記念 特別展「旧嵯峨御所 大覚寺 -百花繚乱 御所ゆかりの絵画-」
東京国立博物館|東京都
開催期間: ~
- VIEW445
- THANKS5
全体、展示空間構成が素晴らしい 大満足の展覧会
「旧嵯峨御所 大覚寺門跡」、真言宗大覚寺派の大本山ですが、このお寺、来年1150歳なのだそうですね。離宮時代も入れれば更に半世紀の歴史があるってこと‥。大きな歴史の場面に多く登場してくる大覚寺ですが、確かに幾度となく戦禍や火災で焼失し、再建のためあちこちから移築されている建物があり、言ってしまえば寄せ集めリサイクルで門跡の格式ある寺様をなんとか保っている‥?でも大きな戦乱にさらされた京都にはそんなお寺がけっこう多いですよね。大覚寺さん、私は、これまで何度となく訪れたことはあります。大抵は何か特別拝観やイベントのある時を狙って行かせて頂きましたが(今年も6月に正寝殿特別拝観がありますね)。でも今展では、普段非公開の建物の建具や、仏像・宝物が、ほんの間近で照明まで当てられた状態で鑑賞できる、めちゃめちゃ有難いチャンスです。前後期で一部展示替えもあります。
会期が始まって十日余の平日朝一に行きました。トーハク特別展としては珍しく、とても空いていました。たぶんキティちゃんの方が混んでいたのでは?でした。開館前から並んでいた列の人で私の前を平成館へ向かう人はパラパラと十人ほどしかいませんでした。今回私は事前のリサーチが甘く、五大明王像に会えるのは、いつものパターンで第二展示室の最後のエリア、と勝手に思い込んでいました。順路は第一⇒第二と廻るのが普通ですが、キマリではないので、いつものように空いているうちにと、エスカを上がったらすぐに右手第二展示室の出口を入りました。でもそこは今回障壁画のエリアとなっていました。まあ、こちらも今回私が最も期待の展示でもあって、それはそれでよかったのですが。宸殿牡丹の間の東・北・西面を飾る襖絵《牡丹図(重文/狩野山楽)》は、広い展示室にいっぱいに一目で全て見渡せるよう展示配置され、まさに圧巻でした。近寄ってじっくり観ても単眼鏡で細かく観ても離れて観ても、表情豊かで美しいだけでなく、リズム感や奥行き感を出す構図の妙にも感嘆。それから宸殿紅梅の間南面の《紅白梅図(重文/狩野山楽)》も堂々と8面(かつては左右更にあったらしい)の画面全体に展開する大樹の迫力も素晴らしいです。第二展示室の第4章の展示では、《牡丹図》《紅白梅図》の他も全て重文の100面(後期一部展示替えも含め123面だとか)の障壁画がずらり展示されていて、まさに障壁画に包まれた夢体験です。更に絵だけでなく引手やらまでちゃんと、そして正寝殿『御冠の間』再現展示等をも見せて頂き感動です。私と係員の人以外誰もいない、完全に独り占め状態で、撮影も出来(4章のみは撮影可)、存分に楽しませて頂きました。先ほど入った出口に戻り、第一展示室入り口を入りましたが、それでも幸いこちらもまだまだ全然混雑はしておらず、ゆったり観ることが出来ました。像高2mを超える、存在感が凄い五大明王がずらり。院信(室町期)作の不動明王・軍荼利明王・大威徳明王は重文と、江戸期の降三世明王と金剛夜叉明王を合わせた《五大明王像》として大迫力の空間でした。そして大覚寺の始まりとなった最初の本尊、明円(平安期)作の《五大明王像/ (全重文)》。明王の迫力を持ちながら、整った顔立ちに柔らかな体つき、どことなく気品も‥。優美さと力強さが見事に調和している、さすがに公家好みらしい明王たちです。5体揃って東京で公開されるのは今回が初とのことでした。こちらのガラスケースの前にも数人しかいない状態でしたので、やはりゆっくり観ることが出来ました。その後唯一とても人だかりがしていたのは、歴史にも名高い兄弟太刀《薄緑〈膝丸〉)(重文)》と《安綱(鬼切丸〈髭切〉)(重文)》、展示でした。 東京でこの二振りが同時展示されるのは史上初なのだとか。第一展示室から再び先ほどの第二展示室へとめぐり、少しづつ観覧者も増えてきた中、また楽しませていただきました。
国宝・重文も多く展示された今展。歴史はあっても、お庭は奇麗でも、特段の寺宝や建造物があるわけではない‥などと、大覚寺にはあまり関心がなかった方でも、きっと色々楽しめる展覧会ではないかと思いました。やがて春休みや桜だよりも迫る中、会期終盤は混雑するかもしれません。ぜひ早めに、できれば平日午前か夜間公開でお出かけになることをお勧めします。
余談ですが会場内ブースで、本展記念の「膝丸屏風朱印(\2000)」を頂くことが出来ますよ。
- THANKS!をクリックしたユーザー
- kamakura23さん、Camdenさん、ファイさん、uchikoさん、morinousagisanさん