3.0
地下から始まる知の探訪
まずユニークなのが、館内の鑑賞ルートです。地下のエントランスから始まり、エレベーターで上階へ昇った後、各階の展示室を巡りながら下りて地上階へ戻るという、まるで探検をしているかのような構造が、訪れる者の知的好奇心をくすぐります。展示内容は質の高い仏教関連の企画展が中心で、仏教美術に関する巡回展の京都会場となることも多い、注目の美術館です。
ーー展示空間
展示空間は広々としており、大きな仏像や巨大な曼荼羅なども、そのスケール感を損なうことなく余裕をもって展示されています。特筆すべきは、仏像展示の多くで360度全方向からの鑑賞が可能になっている点です。これにより、普段は見ることのできない背面や側面も含め、細部に宿る美しさや造形の意図… Read More