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アール・デコ様式の内装を持つ宮廷建築美術館
1933年に建築された本館(旧朝香宮邸)や庭園は宮廷時代の面影を残し、来館者をその時代へとタイムスリップさせるかのような作りで、作品を鑑賞しながらも建物の細部にまで目がいってしまう美術館です。お庭や館内を散策するだけで、企画展の余韻に浸りながら、非日常を味わうことができました。
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旧朝香宮邸(きゅうあさかのみやてい)は、朝香宮鳩彦王(あさかのみややすひこおう 1887年~1981年)の住まいとして1933年に建てられ、1947年の皇籍離脱まで暮らした邸宅である。
1983年には、東京都庭園美術館として開館し、2015年には、アール・デコ様式の精華を取り入れた昭和初期の歴史的建造物として、国の重要文化財に指定された。エレガントな装飾と、重厚感ある本物の素材と落ち着きある色彩による美しく知的な佇まいの中に、ユーモアやぬくもりを感じさせる、調和のとれたアール・デコの空間が完成している。
2011年11月より、本館及び新館の改修工事を行い、2014年11月にリニューアルオープンした。庭園美術館という名の通り、本館と新館は広大な庭園に囲まれており、日本庭園や西洋庭園が、四季折々に変化する美しい花色を見せている。
この度のリニューアルで、世界的な現代美術家・杉本博司氏をアドバイザーに迎えて、新たに、ホワイト・キューブの展示空間が備わった新館が誕生した。端正なアール・デコ建築の本館から、三保谷硝子製の美しいガラス壁のあるアプローチを抜けると、そこには開放的で清々しいアトリウム空間が広がっている。歴史的建造物である本館のアール・デコ建築から新しい異空間へと見事に連続する美しい調和を見せている。
朝香宮鳩彦王(やすひこおう)は、1906年(明治39年)に明治天皇から「朝香宮(あさかのみや)」の宮号を賜る。陸軍士官学校、陸軍大学校を経て、1922年(大正11年)にフランスに留学した朝香宮鳩彦王は、翌年パリ郊外で自動車事故に遭って重傷を負う。その看病のため渡仏した宮妃と共に、1925年(大正14年)まで長期滞在することとなった。
1910年代から30年代にかけて、アール・デコの全盛期であった当時のフランスにおいて、朝香宮夫妻は、現代装飾美術・産業美術国際博覧会(1925年に開催、通称アール・デコ博覧会)を見学し、アール・デコとよばれる装飾様式に感銘を受けた。
帰国後、自邸の建設にあたり、当時を代表するフランス人装飾美術家アンリ・ラパンに、玄関、大客室、大食堂、書斎などの主要部分の内装を依頼し、ガラス工芸家のルネ・ラリックもこれに参加した。また、西洋の近代建築を熱心に研究した宮内省内匠寮の技師、権藤要吉が建築設計を担当し、日仏のデザイナー、技師、職人の総力が結集されて、芸術作品ともいえるアール・デコ様式による見事な建築物が完成した。
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1933年に建築された本館(旧朝香宮邸)や庭園は宮廷時代の面影を残し、来館者をその時代へとタイムスリップさせるかのような作りで、作品を鑑賞しながらも建物の細部にまで目がいってしまう美術館です。お庭や館内を散策するだけで、企画展の余韻に浸りながら、非日常を味わうことができました。
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