3.0
解説もとても分かり易かった
展示作品は、全てがキノコのホクトの水野美術館所蔵でした。
長野ゆかりの作家ということもあり、春草作品を所蔵し、その周辺の蒐集へと広がったものと思います。
夭折の画家ではありますが、岡倉天心を師として、大観と共に時代を代表する画家で、画業は決して長くないが、世によく知られた代表作は多い。
「朦朧体」として知られる、新しい日本画の表現を探究していた時期でしょう。
没線法とか輪郭線を描かない朦朧体を描いたイメージがありますが、最初期は日本画は「線」と毎日線を描く練習をしていたというところから始まるこの展覧会は”目から鱗”でした。
色面での表現や琳派からの影響で装飾的表現への流れも追え、春草だけでなく、大観や彼の周辺画家の作品も展示され、分かり易い解説と共に彼らの生きた時代背景もよく分かる展示でした。
人間性も穏やかだったと伝わる下村観山、美学校に入学する以前から橋本雅邦について狩野派を学んでいて、基礎がしっかりして、画力がありますよね。
原三溪が好きだった観山、関西での展覧会はないですね。纏めてじっくり観たい画家です。「エキ」さん企画してほしいです。