板倉鼎・須美子展

千葉市美術館

  • 開催期間:2024年4月6日(土)~2024年6月16日(日)
  • クリップ数:10 件
  • 感想・評価:2 件
板倉鼎・須美子展 千葉市美術館-1
板倉鼎・須美子展 千葉市美術館-2
板倉鼎・須美子展 千葉市美術館-3
板倉鼎・須美子展 千葉市美術館-4
板倉鼎・須美子展 千葉市美術館-5
板倉鼎・須美子展 千葉市美術館-6
板倉鼎・須美子展 千葉市美術館-7
板倉鼎《休む赤衣の女》1929年頃 油彩、カンヴァス 個人蔵(松戸市教育委員会寄託)
板倉鼎《雲と秋果》1927年 油彩、カンヴァス 松戸市教育委員会蔵
板倉鼎《垣根の前の少女》1927年 油彩、カンヴァス 千葉市美術館蔵
板倉鼎《金魚》1928年 油彩、カンヴァス 松戸市教育委員会蔵
板倉須美子《ベル・ホノルル21》1928年頃 油彩、カンヴァス 松戸市教育委員会蔵
板倉須美子《午後 ベル・ホノルル12》1927-28年頃 油彩、カンヴァス 松戸市教育委員会蔵
板倉須美子《ベル・ホノルル24》1928年頃 油彩、カンヴァス 松戸市教育委員会蔵
板倉鼎・須美子展 千葉市美術館-1
板倉鼎・須美子展 千葉市美術館-1
板倉鼎・須美子展 千葉市美術館-1
板倉鼎・須美子展 千葉市美術館-1
板倉鼎・須美子展 千葉市美術館-1
板倉鼎・須美子展 千葉市美術館-1
板倉鼎・須美子展 千葉市美術館-1

この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION

板倉鼎(いたくらかなえ・1901-29)は埼玉県北葛飾郡旭村(現在の吉川市)の生まれ。幼い頃より松戸市に過ごし、県立千葉中学校で堀江正章に学びました。1919年(大正8)東京美術学校西洋画科に進み、在学中に早くも帝展への入選を果たします。1925年(大正14)、ロシア文学者昇曙夢の長女須美子(すみこ・1908-34)と与謝野鉄幹・晶子夫妻の媒酌により結婚。翌年須美子とともにハワイ経由でパリに留学しました。須美子は鼎の影響により、1927年(昭和2)頃より油彩画を手がけています。

パリでは斎藤豊作や岡鹿之助と親しみ、アカデミー・ランソンでロジェ・ビシエールに学びました。そして次第に穏やかな写実的スタイルを脱し、簡潔な形と鮮烈な色彩による詩的な構成に新境地を拓き、1927年にはサロン・ドートンヌに初入選しました。一方須美子は、ホノルルの風物を純心な筆致で描き、やはり同展で初入選。当時の評価は、鼎よりもむしろ高かったといいます。鼎は以後も精力的に制作を続け、須美子をモデルに、あるいは窓辺の静物に取材して多くの佳作を残しますが、1929年(昭和4)に惜しくも28歳で客死しました。ふたりの娘たちも、須美子も相次いで亡くなっています。早世したため評価の機会を逸しましたが、パリで確立した斬新・華麗な作風により、近年評価が高まっています。須美子の油彩画もまた、そのまっすぐで明朗な造形に注目が集まっています。

千葉市美術館は、2021年(令和3)に、板倉鼎の遺族より鼎の作品33点の寄贈を受けました。本展はこれを記念して、鼎と須美子を長く顕彰してきた松戸市教育委員会の全面的な協力のもと、ふたりの画業を総覧します。代表作を網羅するとともに書簡などの資料を展観し、夫妻の軌跡と作品世界の全貌を浮き彫りにします。

開催概要EVENT DETAILS

会期 2024年4月6日(土)~2024年6月16日(日)
会場 千葉市美術館 Google Map
住所 千葉県千葉市中央区中央3-10-8
時間 10:00~18:00 (最終入場時間 17:30)
  • ※金・土曜日は20:00まで(最終入場時間 19:30)
休館日 4月15日(月)、5月7日(火)、20日(月)、6月3日(月)
※第1月曜日は全館休館
観覧料 一般 1,200円(960円)
大学生 700円(560円)
小・中学生、高校生 無料
  • ※障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料
    ※( )内は前売券、および市内在住65歳以上の料金
    ◎本展チケットで5階常設展示室「千葉市美術館コレクション選」も観覧できます
    ◎ナイトミュージアム割引:金・土曜日の18:00以降は観覧料半額
TEL043-221-2311
URLhttps://www.ccma-net.jp/exhibitions/special/24-4-6-6-16/

千葉市美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION

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感想・評価 | 鑑賞レポートREVIEWS

4.0

90年以上前に亡くなった夭折の画家2人の生涯をいきいきと描く

板倉鼎と板倉須美子、夭折の画家の生涯に丁寧に追った展示でした。

板倉鼎は1901年(明治34年)生まれで、1926年(大正15年)に海外留学に出発。1929年(昭和4年)にパリで亡くなっている。一方、もう一人の画家、板倉須美子はロシア文学者の昇曙夢の長女として1908年(明治41年)生まれ、17歳で板倉鼎と結婚。板倉鼎と一緒にパリにゆき、パリで絵を描き始める。板倉鼎亡きあとは子連れで帰国したものの、長女は帰国後すぐに病死、須美子も結核で1934年(昭和9年)に死去。とまあ、かなり悲しい。展示はほぼ時系列に進みます。そして絵の展示を補完するように、書簡や出版物、写真そして映像の展示が並ぶ。

板倉鼎の作品は学生時代の作品も含めて、ほぼ生涯の全作品が展示されているように見えます。そのおかげで、絵画の技量やスタイルの変遷がよく分かります。写実的な作品から、シンプルでモダンな作風に変わっていくわけです。この変遷がなかなか面白い。そして、もう一人の画家、板倉須美子の作品も印象深い。ルソー的な素朴なタッチで描かれたちょっと幻想的な絵で、パリに来る前に滞在したハワイの風景を描いている。

この美術展の面白さは、90年以上前に亡くなった2人のほぼ無名の画家の作品が、かなりいい状態で下絵も含めて大量に残されていたことでしょう。解説によると板倉鼎の妹の板倉弘子氏によって保管されていた、とのこと。それらの絵画と資料類が松戸市に寄贈されたほか、今回の会場になった千葉市美術館にも絵画が寄贈されて、今回の美術展となったようです。展示替えはありますが一部下書きのデッサンのみで、写真撮影は一部可。

THANKS!をクリックしたユーザー
黒豆さん、morinousagisanさん

REPORT

心揺さぶられる内容。早世した才能溢れる二人のことをもっと知って欲しい

 板倉鼎(かなえ)という名前を一体どれ位の人が知っているのだろう。美術ファンでも知らない人は多いのでは?そんな画家の素晴らしき企画展。

 板倉鼎は今の吉川市で生まれ幼少期を松戸市で過ごした。親が医者であったので恵まれた生活…readmore

THANKS!をクリックしたユーザー
loveandpeaceさん、morinousagisanさん、karachanさん

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板倉鼎《休む赤衣の女》1929年頃 油彩、カンヴァス 個人蔵(松戸市教育委員会寄託)

板倉鼎《雲と秋果》1927年 油彩、カンヴァス 松戸市教育委員会蔵

板倉鼎《垣根の前の少女》1927年 油彩、カンヴァス 千葉市美術館蔵

板倉鼎《金魚》1928年 油彩、カンヴァス 松戸市教育委員会蔵

板倉須美子《ベル・ホノルル21》1928年頃 油彩、カンヴァス 松戸市教育委員会蔵

板倉須美子《午後 ベル・ホノルル12》1927-28年頃 油彩、カンヴァス 松戸市教育委員会蔵

板倉須美子《ベル・ホノルル24》1928年頃 油彩、カンヴァス 松戸市教育委員会蔵

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